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DATE/ 2018.06.14

家やマンションの寿命はいったい何年なのか?

 最近、道路の補修工事やマンションやビルの修繕工事をよく見かけませんか。これは、日本の高度成長期からバブル期に建てられた物件が修繕のタイミングを迎えている、ということのようです。では、そもそもマンションやビルは何年くらい持つのでしょうか。

マンションで47年、一戸建て22年は本当?!

 耐用年数は、鉄筋コンクリート造では47年、木造の一戸建て住宅は22年という話があります。しかしこの年数、実は税務上減価償却処理する場合の基準として設けられた年数で、建物の寿命というわけではないのです。

 では実際に住宅がどれくらいの期間を経て取り壊されるのかというと、全国平均で約53年とのこと。構造種別でみると木造の一戸建てでおよそ58年、マンションなどの鉄筋コンクリート造の共同住宅ではおよそ60年となっています。

 もちろん、この寿命は作られたときの工事の質や、土地環境、作りの頑丈さといった点と関連してくるので一概に言うことはできませんが、案外長持ちしているといった感じもします。

 また一戸建ての場合、築30年を過ぎると市場価値がゼロとなることが多く、更地にしたほうが売りやすいと言われることもあります。しかし、更地にするのもそれなりのお金がかかります。そのままリフォームもしくはリノベーションして住みたいという需要もある点は意識しておいたほうがいいかもしれません。

マンションの寿命は何で決まるのか

 1981年(昭和56年)以前の鉄筋コンクリート造のマンションは旧耐震規定で建てられています。つまり、大きな地震には耐えられない可能性があります。こういった建物の耐震補強工事は大変なお金がかかるだけでなく、工事をしたとしても新基準と同等にはなりません。実際に旧耐震基準で建てられているマンションは現在、約100万戸と推測されています。

 こういったマンションの場合、大地震に耐えられる強度がないことから危険とみなされ、住宅ローン控除などの優遇が受けられなくなることもあるそうです。こうして、建て替えの方向に向かう場合もあります。つまり、旧耐震基準のマンションは少しずつ寿命に近づいているものが多いといえるかもしれません。

 また、新耐震基準で建てられているマンションでも、防水・仕上げ、配管などのメンテナンスを定期的に行っていなければ寿命は早く来てしまうこともあります。こうしたメンテナンスにももちろんお金がかかります。この金額は年数を経過すればするほどより大きくなることは言うまでもありません。そうなると維持するお金と建て替える場合の費用がそんなに変わらなくなってきます。そして、このタイミングで建て替えになることも多いようです。

 基本的には、定期的にしっかりメンテナンスをしていくことで住宅の寿命は長くなり、法定耐用年数を過ぎても十分住むことができます。現状では、大きな天災等が起きない限り、住宅の寿命は物理的な経過年数よりも経済的な問題が決定する場合が多いといってよいでしょう。

<参考サイト>
・SUUMO:マンションの耐用年数って何年?寿命を過ぎたら建て替えるの?
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_sagashi/mansion_jumyou/
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