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DATE/ 2023.07.27

意外と知らない「大物家電の寿命と買い替え時」

 大物家電(大型家電)というと、テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機などが該当します。新型は定期的に発売されていますが、これらはいったん据え付けたあとは、あまり頻繁には買い替えないかもしれません。ではこれらは一般的にどれくらいのサイクルで、またどういった理由で買い替えられているのでしょうか。

平均使用年数は10年から13年程度

 内閣府の調査資料では、2022年(令和4年)4月から2023年(令和5年)3月の一年間に主要耐久消費財(家電製品、自動車、家具、スマホなど)を買い替えた世帯での、それぞれの平均使用年数を算出しています。これによると、代表的な大型家電4つについて、比較的使用年数が長い順に並べると以下の通りとなっています。

ルームエアコン 13.6年
電気冷蔵庫 13.0年
カラーテレビ 10.7年
電気洗濯機 10.1年

 軒並み10年以上なので、それなりに長く使われていると考えていいかもしれません。また資料を見ると、故障での買い替えが最も多くなっています。この割合は次の通り。

ルームエアコン 65.1%
電気冷蔵庫 63.0%
カラーテレビ 64.8%
電気洗濯機 74.2%

 どの製品においても6割以上、特に洗濯機では7割以上の人が故障によって買い替えていることがわかります。つまり大型家電に関しては、一般的に約10年を超えると寿命が来て買い替えることになる、と考えていいかもしれません。
 

パーツがあれば修理も選択肢

 もちろん10年超というのは平均なので、その前に壊れる場合もあり得ます。こうなると故障しても修理してまだ使いたいという場合もあるでしょう。修理可能かどうかという点に関しては、交換パーツがメーカーにあるかどうかという点がポイントです。パーツがあれば修理対応してもらえることになります。一般的にその製品の製造を中止したあとも、一定期間、メーカーは修理対応のためにパーツを保持しています。

 「公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引委員会」は、製造を打ち切った機器の交換用部品(補修用性能部品)保有期間を決めています。これによると、エアコンと電気冷蔵庫は9年、カラーテレビ8年、電気洗濯機は6年となっています。これを受けてメーカーは製品ごとに最低保有期間を決めてWebページなどで公開しています。

 製造終了からの期間なので、今使っている機器のパーツがあるかどうかという点については、すぐにはわからないかもしれません。この点について、メーカーによっては製品別に家電故障診断サイトがある場合もあります。こういったWebページから修理依頼することも可能です。故障したかもしれないと思った機器については、ここから修理可能かどうか確認してみるといいかもしれません。

日頃から家電の動向をチェックしておく

 交換パーツがない場合は新品に買い替えるしか道はなくなりますが、故障してから買い替えるのでは遅い場合もあります。たとえば電気冷蔵庫やエアコンが真夏に故障した場合、かなり不便を強いられることは想像に難くありません。また、酷使するのはこの季節なので、この時期に壊れやすいことも事実です。買い替える際には豊富な種類の中から価格と相談しながら製品を選び、そこから輸送してもらうことになります。これにはまとまったお金と時間、労力がかかります。つまり、故障してからの買い替えでは遅い場合は往々にしてあると言えるでしょう。

 ということで、故障していなくとも大型家電の寿命はおよそ10年と考えておいて、これを目安として買い替えるイメージを持っておくと良いのではないでしょうか。ただし、家電製品には買い時のタイミングがあります。10年に満たなくとも、そろそろ買い替えてもいいタイミングかなと感じたら、日頃から家電の値動きや新製品の情報をチェックしておきましょう。それであれば経済的なタイミングで買い替えることができるかもしれません。

<参考サイト>
大物家電の“寿命”は何年? 意外と知らない家電の買い替えタイミング│TBS NEWS DIG
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/116728?display=1
消費動向調査令和4年3月実施分│内閣府
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/honbun202303.pdf
補修用性能部品表示対象品目と保有期間│公益社団法人 全国家家庭電気製品公正取引協議会
https://www.eftc.or.jp/code/notation/notation_table3.php
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