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飲酒事故率ワースト1は意外なあの県!
毎日どこかで交通事故が起きています。2019年(令和元年)の交通事故発生件数は381,237件、死亡者数は3,215人。年間交通事故数は、1998年から2005年まで毎年900,000件を越え、交通事故死亡者数も9,000人から7,000人でした。ここから考えれば現在は半数以下まで減少しています。それでも、年間3,000人以上が交通事故で亡くなっています。もっと私たちにできることはあるのではないでしょうか。ここで詳しく状況を見てみましょう。
1位 沖縄県(2.31%)
2位 福井県(2.01%)
3位 福島県(1.68%)
4位 愛媛県(1.67%)
5位 和歌山県(1.60%)
全国平均(0.85%)
「飲酒運転事故率」が最も高いのは沖縄県という結果です。1位の沖縄県と2位の福井県は2%を越え、全国平均の倍以上となっています。ただし福井県は、「飲酒運転事故件数」は42位と低いです。これは5位の和歌山県も同様ですが、交通事故が比較的少ない(母数が小さい)ことで「飲酒運転事故率」が高く出ているという側面はありそうです。
同データをさらに細かくみてみましょう。「運転免許保有者10万人あたりの飲酒運転事故件数」は以下の通りです。
1位 沖縄県(6.2件)
2位 宮崎県(4.8件)
3位 山梨県(4.4件)
同3位 徳島県(4.4件)
5位 長崎県(4.1件)
同5位 香川県(4.1件)
全国平均(2.4件)
こちらでもトップは沖縄県となりました。2位の宮崎県は「飲酒運転事故率」では35位(0.88%)。3位の山梨県は6位(1.53%)、同3位の徳島県は7位(1.52%)、5位の長崎県は14位(1.37%)、同5位の香川県は34位(0.99%)です。
ここに挙がった2位の宮崎県と5位の香川県は、「運転免許保有者10万人あたりの飲酒運転事故件数」は多いですが、事故全体に占める「飲酒運転事故率」は比較的低くなっています。これは、「事故発生率(事故発生件数/車保有台数)」が比較的高いことも関連しているようです。
ちなみに「運転免許保有者10万人あたりの飲酒運転事故件数」が最も少ないのは東京都でした。
この事実をどう考えてよいのか、難しいところですが、データをよく見ると「交通事故死亡者数」のランキングと「65歳以上人口(高齢者数)」のランキングに相関関係があります。実際、2019年の交通事故死者数3,215人のうち、高齢者は1,782人と55.4%を占めています。つまり、交通事故死者の半数は65歳以上の高齢者ということです。ということは、高齢者の多い地域の方が「人口10万人あたりの交通事故死亡者数」が多くなる傾向があるとは言えるでしょう。
愛知県は自動車登録台数もかなり多く、名古屋走りと交通事故数の因果関係はもう少し実例まで含めて詳しく調査しないとわかりません。しかし、少なくとも愛知県では「交通事故件数」、「交通死亡事故件数」が多いことだけは事実です。
飲酒運転による事故が多いのは?
飲酒運転による事故について都道府県別に見てみましょう。一般社団法人日本損害保険協会のHPに掲載されている「2019年都道府県別飲酒運転事故の状況 - 原付以上<第1当事者>による事故件数 - 」によると、飲酒運転による事故率(交通事故全体に対する飲酒運転による事故の割合)の順位は以下の通りです。1位 沖縄県(2.31%)
2位 福井県(2.01%)
3位 福島県(1.68%)
4位 愛媛県(1.67%)
5位 和歌山県(1.60%)
全国平均(0.85%)
「飲酒運転事故率」が最も高いのは沖縄県という結果です。1位の沖縄県と2位の福井県は2%を越え、全国平均の倍以上となっています。ただし福井県は、「飲酒運転事故件数」は42位と低いです。これは5位の和歌山県も同様ですが、交通事故が比較的少ない(母数が小さい)ことで「飲酒運転事故率」が高く出ているという側面はありそうです。
同データをさらに細かくみてみましょう。「運転免許保有者10万人あたりの飲酒運転事故件数」は以下の通りです。
1位 沖縄県(6.2件)
2位 宮崎県(4.8件)
3位 山梨県(4.4件)
同3位 徳島県(4.4件)
5位 長崎県(4.1件)
同5位 香川県(4.1件)
全国平均(2.4件)
こちらでもトップは沖縄県となりました。2位の宮崎県は「飲酒運転事故率」では35位(0.88%)。3位の山梨県は6位(1.53%)、同3位の徳島県は7位(1.52%)、5位の長崎県は14位(1.37%)、同5位の香川県は34位(0.99%)です。
ここに挙がった2位の宮崎県と5位の香川県は、「運転免許保有者10万人あたりの飲酒運転事故件数」は多いですが、事故全体に占める「飲酒運転事故率」は比較的低くなっています。これは、「事故発生率(事故発生件数/車保有台数)」が比較的高いことも関連しているようです。
ちなみに「運転免許保有者10万人あたりの飲酒運転事故件数」が最も少ないのは東京都でした。
名古屋走りと交通事故の関係は?
ネット上よく話題に登っているもので、名古屋では無理な車線変更や強引な追い抜きといった危ない運転(名古屋走り)に遭遇する、という話があります。確かに、2019年(令和元年)のデータを見ると交通事故件数、交通事故死亡者数ともに愛知県は2位、さらに交通死亡事故者数は2003年(平成15年)から2018年(平成30年)まで15年連続で1位でした(2019年の1位は千葉県)。また2019年の事故発生率(事故発生件数/車保有台数)は9位と比較的高いです。しかし、「人口10万人当たりの交通事故死亡者数」を見ると42位という結果に。この事実をどう考えてよいのか、難しいところですが、データをよく見ると「交通事故死亡者数」のランキングと「65歳以上人口(高齢者数)」のランキングに相関関係があります。実際、2019年の交通事故死者数3,215人のうち、高齢者は1,782人と55.4%を占めています。つまり、交通事故死者の半数は65歳以上の高齢者ということです。ということは、高齢者の多い地域の方が「人口10万人あたりの交通事故死亡者数」が多くなる傾向があるとは言えるでしょう。
愛知県は自動車登録台数もかなり多く、名古屋走りと交通事故数の因果関係はもう少し実例まで含めて詳しく調査しないとわかりません。しかし、少なくとも愛知県では「交通事故件数」、「交通死亡事故件数」が多いことだけは事実です。
飲酒運転は重大事故につながる
ここまでデータをさまざまな側面から見ましたが、飲酒運転がたいへん危険であることは変わりません。飲酒運転による死亡事故は、たしかに1993年の1,480件をピークとして、2019年には176件まで減少しています。一方、死亡事故のうち、飲酒運転によるものは「飲酒なし」と比べると7.9倍の高さです。飲酒運転での事故は死亡事故に直結する可能性が高いことは間違いありません。<参考サイト>
・e-Stat政府統計の総合窓口:令和元年中の交通事故死者数について
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=交通事故死者数について
・
一般社団法人日本損害保険協会「2019年都道府県別飲酒運転事故の状況 - 原付以上(第1当事者)による事故件数 - 」
https://www.sonpo.or.jp/about/useful/insyu/kenbetsu.html
・
警察庁:みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/insyu/info.html
・
くるくら(JAFメディアワークス):2019年交通事故死者数は過去最少3215人。高齢者が5割以上。
https://kurukura.jp/safety/200107-20.html
・
愛知県:質問34 愛知県内の「交通事故死者数」は?
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/toukei/0000078232.html
・e-Stat政府統計の総合窓口:令和元年中の交通事故死者数について
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&query=交通事故死者数について
・
一般社団法人日本損害保険協会「2019年都道府県別飲酒運転事故の状況 - 原付以上(第1当事者)による事故件数 - 」
https://www.sonpo.or.jp/about/useful/insyu/kenbetsu.html
・
警察庁:みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/insyu/info.html
・
くるくら(JAFメディアワークス):2019年交通事故死者数は過去最少3215人。高齢者が5割以上。
https://kurukura.jp/safety/200107-20.html
・
愛知県:質問34 愛知県内の「交通事故死者数」は?
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/toukei/0000078232.html
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