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一番お金を使っているのは何オタク?
フェスで、イベントで、劇場で。……自分の“推し”のためならお金を躊躇なくつぎ込むオタクたち。実際のところ、どのジャンルのオタクが一番お金を使っているのでしょうか。彼らが1年で使う金額とは? 「クールジャパン」を支える彼らの実態に迫ります。
その結果、一人当たりの年間消費金額では最も多かったジャンルは「アイドル」のオタクで103,543円となり、次に「メイド・コスプレ関連サービス」の68,114円、「鉄道模型」の63,854円と続いています。「アイドル」オタクの消費金額は3年連続でトップを占めたそうです。
「もっと多いかと思った」
「1年間? 1ヶ月の間違いだろ」
「コミケ(※1)1回の軍資金が10万円だわ」
「自分の給料すべてが推しへのお布施。そのために働いてるし、生きてる」
※1 日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット」の略。東京ビッグサイトで夏と冬、年2回開催される。
といったように、意外と少ないといった反応が目立ちます。中には生活を切り詰めてもお金をつぎこむ強者っぷりを披露する人も。
矢野経済研究所によると、アイドルオタクの場合、コンサートやイベントの参加費や会員費、グッズ展開など、アイドル業界は他の分野に比べてお金がかかる仕組みになっていることや、のめり込みの度合いが強い人が多いからではないかと推察しています。
また、世帯年収に関係なくオタク活動に充てる費用が高いので、それだけアイドルに対して人生を賭ける人が少なからずいることを証左しているとしています。
筆者の周りのアニメ・マンガオタクたちも
「年間10万円って少なく感じた」
「ブルーレイ、ライブ、イベント、CD、同人誌へつぎこむ金額を考えたら10万なんてあっというまでしょ」
と、普段オタクとして体感している消費額よりも少ない、という反応がほとんどでした。
一昔前は“一握りのヘビーユーザー”“特殊で近づきがたい日陰の存在”という面が強かったオタクたち。しかし彼らの豊富な知識や高い行動力がメディアで拡散されるに伴い、市場が拡大し続けたことに加え、日本のサブカルチャーが「クールジャパン」として世界的人気となったことで、オタクたちは“サブカルチャー市場の担い手”として認知されるようになりました。
そのため、ライトユーザーでも「オタク」と名乗ることに抵抗感を感じなくなり、ライトユーザー層の増加につながったと考えられます。
のめり込み具合、かける金額、ジャンルを追い続けている年数など、立場によってオタクの定義はさまざまですが、月に数回同人イベントに足を運んでいる筆者の友人からは
「10万円が平均金額ということは、あまり遠征(※2)しないでCDだけ買って満足しているようなファッションオタ(※3)の分も含まれているのでは」
と、少々辛辣な意見が。金額だけで見ると、本気度の高い「ガチ勢」のオタクには、ライトユーザー層のお金の使い方はまだまだ甘い、と感じられるようです。
また、ある旧作タイトルのアニメオタクの友人は
「うちのジャンルの人たちは公式グッズが出たら全部買うと言っている人が多い。そうしないと続編が出ないから。でも公式がグッズを出してくれるだけ、まだありがたいほう」
と、ファンとしてお金を使う理由(そして苦労)を語っています。
オタクを焦点にあてたマーケットは年々拡大し、活性化しています。ヘビーであれライトであれ、推しのために貢ぐオタクたちの心をいかに掴むかが、停滞した日本経済の復活のカギを握る……のかもしれませんね。
※2 イベント会場に行くために遠出すること。概ね泊まりがけの距離を指すことが多い。
※3 「オタクを着飾った(気取った)オタク」のような意味合いで、しばしばヘビーユーザーがライトユーザー層を揶揄する時に使われる。
年間消費金額が最も多いのは「アイドル」オタクの103,543円
株式会社矢野経済研究所は「オタク」に関する消費者アンケート調査を実施しました。調査では分野別のオタクの人数と一人当たりの年間消費金額を推計し、彼らが与える経済的影響について考察しています。その結果、一人当たりの年間消費金額では最も多かったジャンルは「アイドル」のオタクで103,543円となり、次に「メイド・コスプレ関連サービス」の68,114円、「鉄道模型」の63,854円と続いています。「アイドル」オタクの消費金額は3年連続でトップを占めたそうです。
意外と少ない? 使っている金額のギャップに戸惑うネットユーザー
この調査結果を受けて、オタクと思われるネットユーザーの反応は「もっと多いかと思った」
「1年間? 1ヶ月の間違いだろ」
「コミケ(※1)1回の軍資金が10万円だわ」
「自分の給料すべてが推しへのお布施。そのために働いてるし、生きてる」
※1 日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット」の略。東京ビッグサイトで夏と冬、年2回開催される。
といったように、意外と少ないといった反応が目立ちます。中には生活を切り詰めてもお金をつぎこむ強者っぷりを披露する人も。
矢野経済研究所によると、アイドルオタクの場合、コンサートやイベントの参加費や会員費、グッズ展開など、アイドル業界は他の分野に比べてお金がかかる仕組みになっていることや、のめり込みの度合いが強い人が多いからではないかと推察しています。
また、世帯年収に関係なくオタク活動に充てる費用が高いので、それだけアイドルに対して人生を賭ける人が少なからずいることを証左しているとしています。
筆者の周りのアニメ・マンガオタクたちも
「年間10万円って少なく感じた」
「ブルーレイ、ライブ、イベント、CD、同人誌へつぎこむ金額を考えたら10万なんてあっというまでしょ」
と、普段オタクとして体感している消費額よりも少ない、という反応がほとんどでした。
そもそも「オタク」のボーダーラインは?
この調査での「オタク」とは、自分をオタクだと思っている、または人からオタクだと言われたことがある人をオタクと定義しています。矢野経済研究所では、アイドルが1位になった理由として「アイドルファンの裾野が広がった=ライトユーザーが増えたことが要因ではないか」と推察しています。一昔前は“一握りのヘビーユーザー”“特殊で近づきがたい日陰の存在”という面が強かったオタクたち。しかし彼らの豊富な知識や高い行動力がメディアで拡散されるに伴い、市場が拡大し続けたことに加え、日本のサブカルチャーが「クールジャパン」として世界的人気となったことで、オタクたちは“サブカルチャー市場の担い手”として認知されるようになりました。
そのため、ライトユーザーでも「オタク」と名乗ることに抵抗感を感じなくなり、ライトユーザー層の増加につながったと考えられます。
のめり込み具合、かける金額、ジャンルを追い続けている年数など、立場によってオタクの定義はさまざまですが、月に数回同人イベントに足を運んでいる筆者の友人からは
「10万円が平均金額ということは、あまり遠征(※2)しないでCDだけ買って満足しているようなファッションオタ(※3)の分も含まれているのでは」
と、少々辛辣な意見が。金額だけで見ると、本気度の高い「ガチ勢」のオタクには、ライトユーザー層のお金の使い方はまだまだ甘い、と感じられるようです。
また、ある旧作タイトルのアニメオタクの友人は
「うちのジャンルの人たちは公式グッズが出たら全部買うと言っている人が多い。そうしないと続編が出ないから。でも公式がグッズを出してくれるだけ、まだありがたいほう」
と、ファンとしてお金を使う理由(そして苦労)を語っています。
一部の「ガチ勢」が市場を支える
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱する「パレートの法則」によると「全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出している(Wikipediaより)」とあり、この法則に基づけば、一部の「ガチ勢」のオタクが与える経済的インパクトは無視できないといえるでしょう。オタクを焦点にあてたマーケットは年々拡大し、活性化しています。ヘビーであれライトであれ、推しのために貢ぐオタクたちの心をいかに掴むかが、停滞した日本経済の復活のカギを握る……のかもしれませんね。
※2 イベント会場に行くために遠出すること。概ね泊まりがけの距離を指すことが多い。
※3 「オタクを着飾った(気取った)オタク」のような意味合いで、しばしばヘビーユーザーがライトユーザー層を揶揄する時に使われる。
<参考サイト>
・「オタク」に関する消費者アンケート調査を実施(2018年)(株式会社矢野研究所)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2047
・お金を最も使うのは「アイドルオタク」…世界のマーケットが狙える“オタク文化”は?(FNNPRIME)
https://www.fnn.jp/posts/00421830HDK
・「オタク」に関する消費者アンケート調査を実施(2018年)(株式会社矢野研究所)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2047
・お金を最も使うのは「アイドルオタク」…世界のマーケットが狙える“オタク文化”は?(FNNPRIME)
https://www.fnn.jp/posts/00421830HDK
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