社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
退職金制度はいずれ消える?ゼロ企業の割合は…
老後資金は数千万円は必要だと言われています。老後資金をつくっていくうえで、サラリーマンにとって頼みの綱は退職金です。しかしながら、この退職金の制度がいずれは消えゆくのではないかと言われています。
こうして経済の先行きが不透明ななかで、人々が求めるのは安定と安心。しかしながら、サラリーマンの安定を保証する終身雇用、年功序列など日本的な雇用制度は崩れかけています。経営を圧迫するようなコストをできるだけ削減していこうという流れのなかで、同じく高度経済成長期の名残りである「退職金制度」の見直しも多くの企業で検討されています。
労働者に十分に説明したうえで合意をとることが必要になります。なかなか合意は得られないように思いますが、じつは退職金の廃止を検討している企業は増加しつつあります。
調査時から過去3年間に退職一時金制度を廃止した企業、調査時からその後の3年間で廃止を予定している企業はともに3パーセント程度ありました。
また、退職年金制度については、調査時から過去3年間に制度を廃止した企業が7.3パーセント、その後の3年間で廃止を予定している企業が9.6パーセントもいました。5年以上前のデータなので、現代ではさらに増加している可能性もあります。
労働者として知っておくべきことは労働者の合意なしには企業は退職金制度は変更できないということです。とはいえ、そのコストのために企業が弱ってしまっては本末転倒でもあります。自分の老後だけでなく、企業の成長と生き残りも十分に考慮することが大切です。
高度経済成長期の名残り
日本は世界経済において明らかにプレゼンスを失いつつあります。米中という2つの大国に対してはついていくのがやっとのこと。国内的にも少子高齢化が経済発展の大きな足かせになっており、連日のように議会や報道で取りざたされています。こうして経済の先行きが不透明ななかで、人々が求めるのは安定と安心。しかしながら、サラリーマンの安定を保証する終身雇用、年功序列など日本的な雇用制度は崩れかけています。経営を圧迫するようなコストをできるだけ削減していこうという流れのなかで、同じく高度経済成長期の名残りである「退職金制度」の見直しも多くの企業で検討されています。
企業は勝手に退職金制度を変更できない
退職金制度の廃止は会社にとって必要なことだとしても、そこで働く会社員にとっては不利益なことです。会社の勝手で会社員の不利益になるようなことをおこなうのは労働基準法で許されていません。労働者に十分に説明したうえで合意をとることが必要になります。なかなか合意は得られないように思いますが、じつは退職金の廃止を検討している企業は増加しつつあります。
24.5%は退職金ゼロ
厚生労働省の発表(「平成25年就労条件総合調査結果の概況」)によると、24.5%は退職金ゼロ企業なのだそうです。従業員99人以下の中小企業について言えば、28%が退職金ゼロです。調査時から過去3年間に退職一時金制度を廃止した企業、調査時からその後の3年間で廃止を予定している企業はともに3パーセント程度ありました。
また、退職年金制度については、調査時から過去3年間に制度を廃止した企業が7.3パーセント、その後の3年間で廃止を予定している企業が9.6パーセントもいました。5年以上前のデータなので、現代ではさらに増加している可能性もあります。
労働者として知っておくべきことは労働者の合意なしには企業は退職金制度は変更できないということです。とはいえ、そのコストのために企業が弱ってしまっては本末転倒でもあります。自分の老後だけでなく、企業の成長と生き残りも十分に考慮することが大切です。
<参考サイト>
・退職金制度を変更・廃止するには│BUSINESS LAWYERS
https://business.bengo4.com/practices/683
・平成25年就労条件総合調査結果の概況│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/gaiyou04.html
・退職金制度を変更・廃止するには│BUSINESS LAWYERS
https://business.bengo4.com/practices/683
・平成25年就労条件総合調査結果の概況│厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/13/gaiyou04.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
私たちにとって「学び」はどんな意義を持つのか。学びについて考えるべき要素は3つあると納富氏はいう。さらに、「学びは生きる場所」でもある。今生きている人と対話をする。先人たちと書物を通じて対話する。そのことで、自分...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/09/03
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
「ヒトは共同保育の動物だ」――核家族化が進み、子育ては両親あるいは母親が行うものだという認識が広がった現代社会で長谷川氏が提言するのは、ヒトという動物本来の子育て方法である「共同保育」について生物学的見地から見直...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/08/31
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本は第二次大戦後に軍事飛行等の技術開発が止められていたため、宇宙開発において米ソとは全く違う道を歩むことになる。日本の宇宙開発はどのように技術を培い、発展していったのか。その独自の宇宙開拓の過程を解説する。(...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/02
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
今も明治政府による国家モデルが生きている現代社会では、日本は中央集権の国と捉えられがちだが、歴史を振り返ればどうだったのかを「集権と分権」という切り口から考えてみるのが本講義の趣旨である。7世紀に起こった「大化の...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/08/18
著者が語る!『『江戸名所図会』と浮世絵で歩く東京』
編集部ラジオ2025(19)堀口茉純先生の「講義録」発刊!
テンミニッツ・アカデミーで6回のシリーズ講義として続いてきた、堀口茉純先生の《『江戸名所図会』で歩く東京》が、遂に講義録として発刊されました。今回の編集部ラジオでは、著者の堀口茉純先生にお越しいただき、この書籍の...
収録日:2025/08/19
追加日:2025/09/03