社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
身長・体重・年収…いまの「日本人の平均」は?
2018年8月24日に内閣府が公表した「国民生活に関する世論調査」では、“現在の生活に対する満足度”に対して、「満足」または「まあ満足」と回答した人が74.7%という結果がでました。
この結果からは、おおむね7割の“平均的な”日本人が、“現在の生活に満足している”ということがうかがえます。
しかし実際のところ、「日本人の平均」がどうなっているのかが気になります。そこで今回は、“いまの「日本人の平均」”を、さまざまな公的なデータからみていきたいと思います。
日本人の平均“身長”は、文部科学省の「学校保健統計調査(平成30年度)」によると、2018年度時点の17歳で、男子170.6cm、女子157.8cmとなっています。1994年度から2001年度あたりをピークに、近年は横ばい傾向が続いているそうです。
同様に、2018年度時点の17歳の日本人の平均“体重”は、男子62.4kg、女子52.9kgとなっています。体重は、1998年度から2006年度あたりをピークに、減少もしくは横ばい傾向になっているそうです。
一方、日本人の平均“寿命”は、厚生労働省の「簡易生命表(平成29年)」によると、男性81.09歳、女性87.26歳となっています。この結果を、WHOが「World Health Statistics 2018」で発表した世界平均の男性69.8歳、女性74.2歳と比較すると、男女ともに10歳以上長生きということになります。
日本人の平均“年収”は、国税庁の「民間給与実態統計調査(平成29年分)」によると、432万円です。ただし、男女(男性532万円・女性287万円)ならびに、正規・非正規(正規494万円・非正規175万円)で大きな差があります。
そこで、さらに詳しく平均“年収”の内訳をみていくと、正規の男性548万円、正規の女性377万円。非正規の男性229万円、正規の女性151万円となっており、より顕著な格差がみえてきます。
では、“年収”のうち、どれくらいが“貯蓄”されるのでしょうか。総務省の「家計調査年報(平成29年)」によると、日本人の平均“貯蓄”は、1812万円となっています(調査対象は2人以上の世帯)。
ただし、貯蓄100万円未満世帯が10.0%であり、平均値を下回る世帯が67.0%と約3分の2を占めています。また、より実感値に近い貯蓄ゼロ世帯を含めた中央値は、1016万円となっています。
反対に、“借金”はどれほどあるのでしょうか。同じく総務省の「家計調査年報(平成29年)」によると、日本人の平均“借金(負債)”は、517万円となっています(調査対象は2人以上の世帯)。ちなみに、“借金(負債)”の約9割を住宅ローンが占めています。
厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成29年)」によると、日本人の平均“同居(平均世帯人員)”は、2.47人でした。世帯構造の割合は、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が29.5%、「単独世帯」が27.0%、「夫婦のみの世帯」24.0%となっており、4軒に1軒は「同居者なしのひとり暮らし」という結果が出ています。
では、“結婚”は、どうなっているのでしょうか。厚生労働省の「人口動態統計特殊報告(平成28年度)」によると、2015年の日本人の平均の“結婚(初婚年齢)”は、夫33.3歳・妻31.1歳となっています。ちなみに、1975年は夫27.8歳・妻25.2歳でしたので、それぞれ5歳以上の晩婚化が進んでいることになります。
同居や結婚の有無は、“子ども”の人数にも変化を及ぼしています。国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査(第15回・2015年)によると、日本人の家族における平均な“子ども”の人数(夫婦の最終的な平均出生子ども数)は、1.94人となっています。
ちなみに、1940年に行われた第1回調査では4.27人でしたが、1952年に行われた第2回調査で3.50人に減少しています。ついで1972年に行われた第6回調査で2.20人となった後、2020年の第12回調査の2.23人まで30年間にわたって安定的に推移していましたが、2005年に行われた第13回調査で2.09人に低下します。さらに前回の2010年に行われた第14回調査で1.96人とはじめて2人を下回り、少子化が加速していることがうかがえます。
いかがでしたでしょうか。平均はあくまで目安でしかありませんが、実生活を振り返る指標になってくれます。気になる「平均」があればぜひこまめにチェックして、生活の満足度とその先にある人生の幸福感を高める一助としてみてください。
この結果からは、おおむね7割の“平均的な”日本人が、“現在の生活に満足している”ということがうかがえます。
しかし実際のところ、「日本人の平均」がどうなっているのかが気になります。そこで今回は、“いまの「日本人の平均」”を、さまざまな公的なデータからみていきたいと思います。
身長・体重・寿命:日本人の「身体」の平均
まずは、日本人の「身体」の平均からみていきましょう。日本人の平均“身長”は、文部科学省の「学校保健統計調査(平成30年度)」によると、2018年度時点の17歳で、男子170.6cm、女子157.8cmとなっています。1994年度から2001年度あたりをピークに、近年は横ばい傾向が続いているそうです。
同様に、2018年度時点の17歳の日本人の平均“体重”は、男子62.4kg、女子52.9kgとなっています。体重は、1998年度から2006年度あたりをピークに、減少もしくは横ばい傾向になっているそうです。
一方、日本人の平均“寿命”は、厚生労働省の「簡易生命表(平成29年)」によると、男性81.09歳、女性87.26歳となっています。この結果を、WHOが「World Health Statistics 2018」で発表した世界平均の男性69.8歳、女性74.2歳と比較すると、男女ともに10歳以上長生きということになります。
年収・貯蓄・借金:日本人の「お金」の平均
では、日本人の「お金」の平均はどうなっているのでしょうか。日本人の平均“年収”は、国税庁の「民間給与実態統計調査(平成29年分)」によると、432万円です。ただし、男女(男性532万円・女性287万円)ならびに、正規・非正規(正規494万円・非正規175万円)で大きな差があります。
そこで、さらに詳しく平均“年収”の内訳をみていくと、正規の男性548万円、正規の女性377万円。非正規の男性229万円、正規の女性151万円となっており、より顕著な格差がみえてきます。
では、“年収”のうち、どれくらいが“貯蓄”されるのでしょうか。総務省の「家計調査年報(平成29年)」によると、日本人の平均“貯蓄”は、1812万円となっています(調査対象は2人以上の世帯)。
ただし、貯蓄100万円未満世帯が10.0%であり、平均値を下回る世帯が67.0%と約3分の2を占めています。また、より実感値に近い貯蓄ゼロ世帯を含めた中央値は、1016万円となっています。
反対に、“借金”はどれほどあるのでしょうか。同じく総務省の「家計調査年報(平成29年)」によると、日本人の平均“借金(負債)”は、517万円となっています(調査対象は2人以上の世帯)。ちなみに、“借金(負債)”の約9割を住宅ローンが占めています。
同居・結婚・子ども:日本人の「家族」の平均
他方、日本人の「家族」のカタチも変わってきています。厚生労働省の「国民生活基礎調査(平成29年)」によると、日本人の平均“同居(平均世帯人員)”は、2.47人でした。世帯構造の割合は、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が29.5%、「単独世帯」が27.0%、「夫婦のみの世帯」24.0%となっており、4軒に1軒は「同居者なしのひとり暮らし」という結果が出ています。
では、“結婚”は、どうなっているのでしょうか。厚生労働省の「人口動態統計特殊報告(平成28年度)」によると、2015年の日本人の平均の“結婚(初婚年齢)”は、夫33.3歳・妻31.1歳となっています。ちなみに、1975年は夫27.8歳・妻25.2歳でしたので、それぞれ5歳以上の晩婚化が進んでいることになります。
同居や結婚の有無は、“子ども”の人数にも変化を及ぼしています。国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査(第15回・2015年)によると、日本人の家族における平均な“子ども”の人数(夫婦の最終的な平均出生子ども数)は、1.94人となっています。
ちなみに、1940年に行われた第1回調査では4.27人でしたが、1952年に行われた第2回調査で3.50人に減少しています。ついで1972年に行われた第6回調査で2.20人となった後、2020年の第12回調査の2.23人まで30年間にわたって安定的に推移していましたが、2005年に行われた第13回調査で2.09人に低下します。さらに前回の2010年に行われた第14回調査で1.96人とはじめて2人を下回り、少子化が加速していることがうかがえます。
いかがでしたでしょうか。平均はあくまで目安でしかありませんが、実生活を振り返る指標になってくれます。気になる「平均」があればぜひこまめにチェックして、生活の満足度とその先にある人生の幸福感を高める一助としてみてください。
<参考文献・参考サイト>
・『図解「日本の平均」なんでも事典』(インタービジョン21著、知的生きかた文庫)
・国民生活に関する世論調査 -内閣府
https://survey.gov-online.go.jp/h30/h30-life/index.html
・平成30年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)の公表について
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2019/03/25/1411703_01.pdf
・平成29年簡易生命表の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life17/dl/life17-15.pdf
・「World Health Statistics 2018」
https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/272596/9789241565585-eng.pdf?ua=1
・平成29年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/minkan/index.htm
・家計調査年報(貯蓄・負債編)平成29年(2017年) 貯蓄・負債の概要
https://www.stat.go.jp/data/sav/2017np/gaiyou.html
・平成29年 国民生活基礎調査の概況 - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa17/dl/10.pdf
・平成28年度 人口動態統計特殊報告 「婚姻に関する統計」の概況 - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin16/dl/gaikyo.pdf
・第15回出生動向基本調査 現代日本の結婚と出産 - 国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_reportALL.pdf
・『図解「日本の平均」なんでも事典』(インタービジョン21著、知的生きかた文庫)
・国民生活に関する世論調査 -内閣府
https://survey.gov-online.go.jp/h30/h30-life/index.html
・平成30年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)の公表について
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2019/03/25/1411703_01.pdf
・平成29年簡易生命表の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life17/dl/life17-15.pdf
・「World Health Statistics 2018」
https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/272596/9789241565585-eng.pdf?ua=1
・平成29年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/minkan/index.htm
・家計調査年報(貯蓄・負債編)平成29年(2017年) 貯蓄・負債の概要
https://www.stat.go.jp/data/sav/2017np/gaiyou.html
・平成29年 国民生活基礎調査の概況 - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa17/dl/10.pdf
・平成28年度 人口動態統計特殊報告 「婚姻に関する統計」の概況 - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin16/dl/gaikyo.pdf
・第15回出生動向基本調査 現代日本の結婚と出産 - 国立社会保障・人口問題研究所
http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_reportALL.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
「ヒトは共同保育の動物だ」――核家族化が進み、子育ては両親あるいは母親が行うものだという認識が広がった現代社会で長谷川氏が提言するのは、ヒトという動物本来の子育て方法である「共同保育」について生物学的見地から見直...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/08/31
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本は第二次大戦後に軍事飛行等の技術開発が止められていたため、宇宙開発において米ソとは全く違う道を歩むことになる。日本の宇宙開発はどのように技術を培い、発展していったのか。その独自の宇宙開拓の過程を解説する。(...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/02
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
現代流にいうと地政学的な危機感が日本を中央集権国家にしたわけだが、疫学的な危機によって、それは早い終焉を迎えた。一説によると、天平期の天然痘大流行で3割もの人口が減少したことも影響している。防人も班田収授も成り行...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/01
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
数学も音楽も生きていることそのもの。そこに正解はなく、だれもがみんな数学者で音楽家である。これが中島さち子氏の持論だが、この考え方には古代ギリシア以来、西洋で発達したリベラルアーツが投影されている。この信念に基...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/08/28
自由な多民族をモンゴルに統一したチンギス・ハーンの魅力
モンゴル帝国の世界史(2)チンギス・ハーンのカリスマ性
なぜモンゴルがあれほど大きな帝国を築くことができたのか。小さな部族出身のチンギス・ハーンは遊牧民の部族長たちに推されて、1206年にモンゴル帝国を建国する。その理由としていえるのは、チンギス・ハーンの圧倒的なカリス...
収録日:2022/10/05
追加日:2023/01/07