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日本は高い?自動車に関わる9つの税金
マイカー派も、そうでない派も、自動車に9種類もの税金がかかっていること、ご存じだったでしょうか。買うとき、保有している間、そして使用するときの3段階にわたってクルマには税金が課せられます。なぜそうなったのか、また世界との比較は?調べてみました。
この制度は、もともと消費税が導入される前の「物品税」として徴収されていたため、消費税との二重取りが指摘されてきました。そして、ようやく消費税が10%になる2019(令和元)年10月1日には廃止が決まっています。ところが、自動車取得税の廃止と同時に導入されるのが「自動車税及び軽自動車税における環境性能割」。環境性能に応じて最大で取得価額の3%(軽自動車は最大2%)が徴収されるなど、エコカー減税制度がある現行の自動車取得税とそっくりなものとなっています。
クルマを保有している間に課せられる税金は、「自動車重量税」と「自動車税(軽自動車は軽自動車税)」の2種類です。自動車重量税は、車重に応じて決められ、税額は0.5tあたりの年額(軽自動車は定額)で算出しますが、納税するのは車検時で、有効期間分を前払いするシステムです。これについても従来から疑問の声が高く、2005(平成17)年に施行された自動車リサイクル法に基づく適正な処理であると認められれば、相当する金額が戻ってくることになりました(重量税還付制度)。
最後に、クルマを実際に使用(走行)していてかかる税金として、「ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)」「軽油引取税」「石油ガス税」及びそれぞれの燃料に対する「消費税」があります。
・取得段階:自動車取得税48,600円+消費税144,000円
・保有段階:自動車重量税(3年分)36,900円+自動車税(3年分)118,500円
・使用段階:ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)161,400円+消費税33,300円
合計額は、3年間で542,700円。車体価格の3分の1に迫ろうとする高額です。
もともと消費税と自動車税(軽自動車税)以外の税金は、すべて1950年代から1970年代にかけて、道路の建設や整備を行う道路特定財源として設定されました。自動車を多く使用するドライバーが道路の建設や整備に必要な費用をまかなう受益者負担の考え方です。
このため、本則を大幅に上回る「暫定税率」が30年以上も課せられてきたものもあります。暫定税率は、道路特定財源が一般財源化された2009年で廃止されたものの、国の財源が厳しい状況にあるため、当分の間は従来通りの税率が維持されています。
まず取得段階での車体課税を比較すると、日本はアメリカの約33倍、フランスの約15倍、ドイツやイギリスの約2.5~3倍の税額を負担しています。保有段階は若干少なめで、アメリカの90%、ヨーロッパの約40%です。
合計金額を円に換算すると、日本は86.6万円、イギリスは64.5万円、ドイツは58万円、フランスは40.8万円、アメリカは18.2万円となります(2018年4月時点の税体系に基づき、13年使用した場合で試算。ただし、日本のエコカー減税等の特例措置は考慮せず)。
自家用車の保有台数は、福井県約1.75台から東京都約0.45台まで、都道府県によって差があります(平成28年末自動車検査登録情報協会調べ)。ご想像通り、公共交通機関が不便なところほど、生活必需品として自家用車がライフラインとなっているのです。どうしても手放せないところから税金を吸い上げる国の姿勢に疑問が湧くのは当然ではないでしょうか。
自動車取得税が廃止されても、新しい税金が待っている!
クルマを購入するときに課せられる税金は「自動車取得税」と「消費税」です。自動車取得税は、新車・中古車を問わず、50万円以上のクルマを購入したときに取得価格に対して課税されるもので、自家用車では3%、営業車と軽自動車は2%が税額となっています。この制度は、もともと消費税が導入される前の「物品税」として徴収されていたため、消費税との二重取りが指摘されてきました。そして、ようやく消費税が10%になる2019(令和元)年10月1日には廃止が決まっています。ところが、自動車取得税の廃止と同時に導入されるのが「自動車税及び軽自動車税における環境性能割」。環境性能に応じて最大で取得価額の3%(軽自動車は最大2%)が徴収されるなど、エコカー減税制度がある現行の自動車取得税とそっくりなものとなっています。
クルマを保有している間に課せられる税金は、「自動車重量税」と「自動車税(軽自動車は軽自動車税)」の2種類です。自動車重量税は、車重に応じて決められ、税額は0.5tあたりの年額(軽自動車は定額)で算出しますが、納税するのは車検時で、有効期間分を前払いするシステムです。これについても従来から疑問の声が高く、2005(平成17)年に施行された自動車リサイクル法に基づく適正な処理であると認められれば、相当する金額が戻ってくることになりました(重量税還付制度)。
最後に、クルマを実際に使用(走行)していてかかる税金として、「ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)」「軽油引取税」「石油ガス税」及びそれぞれの燃料に対する「消費税」があります。
3年間で50万円以上の税金がドライバー負担
JAFでは、車体価格180万円、排気量1800cc、車両重量1100kgのクルマを購入し、年間ガソリン使用量1000リットルで3年間使用した場合について、以下のように試算しています(ガソリン小売価格は消費税込150円/リットルで換算。エコカー現在当の適用外車両とし、自動車重量税額は4,100円/0.5トン/年で計算)。・取得段階:自動車取得税48,600円+消費税144,000円
・保有段階:自動車重量税(3年分)36,900円+自動車税(3年分)118,500円
・使用段階:ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税)161,400円+消費税33,300円
合計額は、3年間で542,700円。車体価格の3分の1に迫ろうとする高額です。
もともと消費税と自動車税(軽自動車税)以外の税金は、すべて1950年代から1970年代にかけて、道路の建設や整備を行う道路特定財源として設定されました。自動車を多く使用するドライバーが道路の建設や整備に必要な費用をまかなう受益者負担の考え方です。
このため、本則を大幅に上回る「暫定税率」が30年以上も課せられてきたものもあります。暫定税率は、道路特定財源が一般財源化された2009年で廃止されたものの、国の財源が厳しい状況にあるため、当分の間は従来通りの税率が維持されています。
海外と比べると2~33倍も高い車の税金
こうしたクルマにかかる税金、諸外国と比べるとどうなのでしょうか。自動車税制改革フォーラムが日米英仏独の5か国を比較するために試算しています。まず取得段階での車体課税を比較すると、日本はアメリカの約33倍、フランスの約15倍、ドイツやイギリスの約2.5~3倍の税額を負担しています。保有段階は若干少なめで、アメリカの90%、ヨーロッパの約40%です。
合計金額を円に換算すると、日本は86.6万円、イギリスは64.5万円、ドイツは58万円、フランスは40.8万円、アメリカは18.2万円となります(2018年4月時点の税体系に基づき、13年使用した場合で試算。ただし、日本のエコカー減税等の特例措置は考慮せず)。
自家用車の保有台数は、福井県約1.75台から東京都約0.45台まで、都道府県によって差があります(平成28年末自動車検査登録情報協会調べ)。ご想像通り、公共交通機関が不便なところほど、生活必需品として自家用車がライフラインとなっているのです。どうしても手放せないところから税金を吸い上げる国の姿勢に疑問が湧くのは当然ではないでしょうか。
<参考サイト>
・JAF「知ってる?クルマの税金」
http://www.jaf.or.jp/profile/report/youbou/tax.htm
・JAF「知ってる?クルマの税金」
http://www.jaf.or.jp/profile/report/youbou/tax.htm
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