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今の時代の正しい「部下の指導法」とは?
多種多様な働き方が広まりつつあり、業務の細分化や専門化が進んでいる現代の職場において、「部下の指導法」も多様化しています。
つまりどの職場にも通用するような、いわゆる“正しい”「部下の指導法」を模索するよりも、絶対にやってはいけない“正しくない”「部下の指導法」を押さえたうえで、職種や職場を考慮することにとどまらず、なによりも一人ひとりの「部下に応じて指導法を変える」必要がある時代になってきているといえます。
そのような新しい時代における、「部下の指導法」について、考えてみたいと思います。
2019年6月現在、厚生労働省が発表している「職場のパワーハラスメントの6類型」は、以下になります。
1)身体的な攻撃:暴行・傷害
2)精神的な攻撃:脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3)人間関係からの切り離し:隔離・仲間外し・無視
4)過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5)過小な要求:業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
6)個の侵害:私的なことに過度に立ち入ること。
ハーバード大学教授のロバート・カッツは、“マネージャー(上司)に求められるスキル(能力)”として、
1)テクニカル・スキル(専門的技術)、
2)ヒューマン・スキル(対人能力)、
3)コンセプチュアル・スキル(問題把握能力)
――の3能力を整理しています。
「カッツの3能力」とも呼ばれるこれらの能力を、下から「一般社員層」「管理職層」「幹部層」の縦軸の表に当てはめます。すると、「一般社員層」はまず1)テクニカル・スキルと2)ヒューマン・スキルが必要になります。
そして「管理職層」「幹部層」とマネジャーの階層が上がるほどに3)コンセプチュアル・スキルが求められ、重要度が相対的に上がることが示されます。さらに、“部下の指導”が主要業務ともいえる、いわゆる上司層が多い「管理職層」は、2)ヒューマン・スキルの相対比率が最も高くなっています。
つまり、画一的な「部下の指導法」が確立できない現代においては、個々人に応じた適切な指導を行う必要があり、そのためにはなによりも一人ひとりの部下をよく知るためのヒューマン・スキル(対人能力)の向上が必要といえるのではないでしょうか。
また、鳥原氏は「部下指導の大前提“部下を見ること”から始まる」とし、必ず押さえておく2点として1)“部下の成長レベル”をよく見て大きくは「知らない・知っている・理解している・遂行できる」で把握すること。2)“上司(自身)と部下を取り巻く状況”を考慮し、「緊急性がありすぐに習得しなければならない・ゆっくり時間をかけて習得しなければならない」かを判断すること。1)と2)を組み合わせて押さえたうえで、部下の“上司(自身)の言葉が伝わるボタン”を探して、そのボタンを押すように、伝える必要があるといいます。
以上から、新しい時代の「部下の指導法」は、
1)どの部下にもやってはいけない「ネガティブリスト」を理解し、
2)部下を知るための「ヒューマン・スキル」を向上させつつ、
3)個々に応じた「部下の指導法」の選択肢を増やしたうえで、
4)部下をよく見て状況や性格などを把握し、
5)トライアル・アンド・エラー(試行錯誤)を実践する
――からみえてくるかもしれません。
最後に、鳥原氏は「上司は“役割”の一つだということ、そして“役割”は楽しんでやるべきもの」とも述べています。部下と上司でよい関係を築き、楽しい職場にすることこそが、正しい仕事のあり方にもつながっていくのではないでしょうか。
つまりどの職場にも通用するような、いわゆる“正しい”「部下の指導法」を模索するよりも、絶対にやってはいけない“正しくない”「部下の指導法」を押さえたうえで、職種や職場を考慮することにとどまらず、なによりも一人ひとりの「部下に応じて指導法を変える」必要がある時代になってきているといえます。
そのような新しい時代における、「部下の指導法」について、考えてみたいと思います。
新しい時代の「ネガティブリスト」の把握
まずは新しい時代における「部下の指導法」で、絶対にしてはいけないことを把握する必要があります。つまり「ネガティブリスト」方式を取り入れることが、最低限度のビジネスルールとしても必要です。「部下の指導法」における最低限の最低限度の「ネガティブリスト」には、パワーハラスメント対策が参考になります。2019年6月現在、厚生労働省が発表している「職場のパワーハラスメントの6類型」は、以下になります。
1)身体的な攻撃:暴行・傷害
2)精神的な攻撃:脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3)人間関係からの切り離し:隔離・仲間外し・無視
4)過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5)過小な要求:業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
6)個の侵害:私的なことに過度に立ち入ること。
上司は「ヒューマン・スキル」の向上が必要
「ネガティブリスト」を押さえた後は、個々の「部下に応じた指導法」を模索する段階になります。ハーバード大学教授のロバート・カッツは、“マネージャー(上司)に求められるスキル(能力)”として、
1)テクニカル・スキル(専門的技術)、
2)ヒューマン・スキル(対人能力)、
3)コンセプチュアル・スキル(問題把握能力)
――の3能力を整理しています。
「カッツの3能力」とも呼ばれるこれらの能力を、下から「一般社員層」「管理職層」「幹部層」の縦軸の表に当てはめます。すると、「一般社員層」はまず1)テクニカル・スキルと2)ヒューマン・スキルが必要になります。
そして「管理職層」「幹部層」とマネジャーの階層が上がるほどに3)コンセプチュアル・スキルが求められ、重要度が相対的に上がることが示されます。さらに、“部下の指導”が主要業務ともいえる、いわゆる上司層が多い「管理職層」は、2)ヒューマン・スキルの相対比率が最も高くなっています。
つまり、画一的な「部下の指導法」が確立できない現代においては、個々人に応じた適切な指導を行う必要があり、そのためにはなによりも一人ひとりの部下をよく知るためのヒューマン・スキル(対人能力)の向上が必要といえるのではないでしょうか。
「部下の指導法」のトライアル・アンド・エラー
制限時間内により多くの案件を正確に処理するバーチャルビジネスゲーム・インバスケットをビジネス研修や自己開発に活用し、数多くのビジネスマンの部下指導の悩み相談に応えてきたインバスケット・コンサルタントの鳥原隆志氏は、『はじめて部下を持ったら』の中で「部下の指導法」について、「一つの方法が絶対的だと思って全てに適用しようとしていることが間違い」とし、「部下指導に正解はない!だからいくつかの選択肢を持とう」と述べ、シーン別に対称的な「部下の指導法」を示しています。また、鳥原氏は「部下指導の大前提“部下を見ること”から始まる」とし、必ず押さえておく2点として1)“部下の成長レベル”をよく見て大きくは「知らない・知っている・理解している・遂行できる」で把握すること。2)“上司(自身)と部下を取り巻く状況”を考慮し、「緊急性がありすぐに習得しなければならない・ゆっくり時間をかけて習得しなければならない」かを判断すること。1)と2)を組み合わせて押さえたうえで、部下の“上司(自身)の言葉が伝わるボタン”を探して、そのボタンを押すように、伝える必要があるといいます。
以上から、新しい時代の「部下の指導法」は、
1)どの部下にもやってはいけない「ネガティブリスト」を理解し、
2)部下を知るための「ヒューマン・スキル」を向上させつつ、
3)個々に応じた「部下の指導法」の選択肢を増やしたうえで、
4)部下をよく見て状況や性格などを把握し、
5)トライアル・アンド・エラー(試行錯誤)を実践する
――からみえてくるかもしれません。
最後に、鳥原氏は「上司は“役割”の一つだということ、そして“役割”は楽しんでやるべきもの」とも述べています。部下と上司でよい関係を築き、楽しい職場にすることこそが、正しい仕事のあり方にもつながっていくのではないでしょうか。
<参考文献・参考サイト>
・職場のパワーハラスメントについて - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126546.html
・カッツの3能力とは・意味|MBAのグロービス経営大学院
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11747.html
・「テクニカル」、『現代用語の基礎知識 2019』(自由国民社)
・「ヒューマン・スキル」、『現代用語の基礎知識 2019』(自由国民社)
・「コンセプチュアル・スキル」、『現代用語の基礎知識 2019』(自由国民社)
・「「新型・上司」現る!タイプ別100%対応マニュアル」、『PRESIDENT』2015年2月16日号(本田有明著、プレジデント社)
・『はじめて部下を持ったら』(鳥原隆志著、ぱる出版)
・「インバスケット」、『現代用語の基礎知識 2019』(自由国民社)
・「トライアル・アンド・エラー」、『現代用語の基礎知識 2019』(自由国民社)
・職場のパワーハラスメントについて - 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000126546.html
・カッツの3能力とは・意味|MBAのグロービス経営大学院
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-11747.html
・「テクニカル」、『現代用語の基礎知識 2019』(自由国民社)
・「ヒューマン・スキル」、『現代用語の基礎知識 2019』(自由国民社)
・「コンセプチュアル・スキル」、『現代用語の基礎知識 2019』(自由国民社)
・「「新型・上司」現る!タイプ別100%対応マニュアル」、『PRESIDENT』2015年2月16日号(本田有明著、プレジデント社)
・『はじめて部下を持ったら』(鳥原隆志著、ぱる出版)
・「インバスケット」、『現代用語の基礎知識 2019』(自由国民社)
・「トライアル・アンド・エラー」、『現代用語の基礎知識 2019』(自由国民社)
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