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DATE/ 2020.04.06

世界と日本で最も嫌われている「業務」とは?

 「所変われば品変わる」というように、仕事が変われば業務も変わります。とはいっても、多くのオフィスワーカーにとって、共通する業務は少なくありません。世界的に共通するのは、対人コミュニケーションやコンピューターを使ったデジタルワークフローになるのではないでしょうか。そんないくつかの業務のなかで、苦手であったり、できればしたくない業務もあることでしょう。

苦手意識を持っている業務

 市井のサラリーマンに苦手な業務を取材してみると、

・「パワポなど過剰なアクションを求められるプレゼン資料作成かな。人前でプレゼンするのは問題ないんだけど」20代・商社

・「自分本位でつくる会議資料はよしとして、オールドスクールな上司の要求通りにつくらなければならないワードやパワポの資料作りには辟易」30代・メーカー

・「クレーム対応やクセのあるクライアントとの商談は緊張するので苦手」20代・出版

・「月末に持ち込みがちな端末を使った経費精算や、業務日報。単純な管理作業は億劫ですね」30代・ディベロッパー

 依頼されたパワポやワードなど資料作り、ルーチンともいえる業務への苦手意識を聞くことができました。

 マイナビのサイトでは、こうした声を裏づけるように、「社会人が苦手意識を持っている業務のTOP5」が公表されています。

第1位「プレゼン・発表」69人(30.0%)
第2位「資料作成」50人(21.6%)
第3位「クレーム対応」23人(9.9%)
第4位「会議」15人(6.5%)
第5位「商談・打ち合わせ」12人(5.2%)
第5位「電話を受ける」12人(5.2%)

世界で最も嫌われている業務は?

 ではワールドワイドに共通する避けたい業務とは何でしょう?

 米国のオートメーション・エニウェア社は、「企業におけるデジタルの反復的な管理業務に費やしている時間と、それに対する従業員の姿勢」について、日本を含む11か国の企業で働く従業員1万人以上を対象に調査したデータを公表しました。

 この調査が明らかにしたのは「世界で最も嫌われているコンピュータ業務は何か」です。

 同社の調査によると、世界中の従業員から嫌われている業務のトップは、コンピュータなどのデバイスにマニュアルでデータを入力する「一般的なデータ入力」、次点で「Eメールの返信・整理」、「デジタル文書の整理(文書やスプレッドシート、画像、PDFなどを正しいフォルダへ保存する業務)」とのこと。

 オートメーション・エニウェア社は、ロボットによるプロセス自動化(RPA)分野をリードするソフトウェアプロバイダーです。同社の意図は明かで、「嫌われている」業務の多くを自動化し、そのような業務にかかる時間を短縮することの提案になります。

 同調査によると。日本で自動化が最も望まれている業務は「経費の処理」と「デジタル文書の整理」で、市井の声とも重なるところがあります。

 反復的で機械的な管理業務はできるだけ自動化して、ワークライフバランスを整えつつ、幸福度を高めたいということがオフィスワーカー世界共通の願いになります。

<参考サイト>
・マイナビフレッシャーズ:社会人が苦手意識を持っている業務内容Top5!
https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/50305
・オートメーション・エニウェアのグローバル調査: 世界で最も「嫌われている」オフィス業務が明らかに
https://www.automationanywhere.com/jp/company/press-room/global-research-reveals-world-s-most-hated-office-tasks
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一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授