社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
日本の「離婚率」世界で見ると何番目?
3組に1組は離婚する。こんな衝撃的なフレーズを耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。果たしてこの数字は本当なのか?そしてこれは高いのか、低いのか、国際的に見たらどうなのか。離婚をめぐる数字について迫ってみました。
さて、では日本の最新の離婚率が35%程度、1000人あたり1.7件という数字がわかったところで、世界の傾向も見てみましょう。総務省統計局が「世界の統計2019」という調査を発表しており、こちらに採用している日本のデータは上記の1000人あたり婚姻4.9、離婚1.7です。まず人口1000人あたりの離婚件数でみると、世界トップはロシアで4.7件。続いてモルドバ(3.7)、ベラルーシ(3.4)、ウクライナ(3.1)、ラトビア(3.1)、カザフスタン(3.0)、リトアニア(3.0)と、トップ7を旧ソ連の国が占める結果となりました。とはいえ今回の調査対象は81の国と地域、かつ離婚件数を把握できていないエリアが13あるため、68か国内のランキングではあります。(一方国連加盟国は193か国です)。日本の1.7という数字は39番目にあたり、真ん中より少し低め、という位置づけになるでしょうか。
離婚件数を婚姻件数で割った便宜的な離婚率で見るとどうなるでしょうか。世界一はポルトガルで63.6%。「3組に1組は離婚する」と日本の現状を示すショッキングなフレーズを冒頭で使いましたが、ポルトガルはほぼ3組に2組が離婚する、というわけです。続いてルクセンブルク(62.5%)、キューバ(60.4%)、ウクライナ(57.4%)、スペイン(56.8%)が上位に入ります。ともにトップ5に入るのはウクライナだけで、他は意外にも違う国が並ぶことになりました。カトリックが中心のポルトガルやスペインは離婚が禁じられているかと思いきや、世界有数の離婚率でした。本音と建前ということなのでしょうか。こちらでの日本の順位は36位。離婚件数と同じく、真ん中よりやや低めということがわかりました。
コロナ離婚なんて言葉がニュースで扱われることもあるように、アフターコロナ、ウィズコロナと言われる時代、世界の婚姻や離婚に関わる数値はこれから変わってくるのかもしれませんね。その時日本はどんな位置につけることになるでしょうか。
離婚率「34.9%」これって高い?低い?
厚労省の人口動態統計を参照すると、2017年の婚姻件数約60.7万組に対し、離婚件数は約21.2万組です。この年に結婚した60.7万組のうち21.2万組が離婚しているわけではなく(中にはその年のうちにスピード離婚した夫婦もいるとは思いますが)、あくまで便宜的な数字にはなるものの、離婚件数を婚姻件数で割ると34.9%という数字が出てきます。それぞれ人口1000人あたりで見ると、婚姻件数は4.9、離婚件数は1.7となります。過去にさかのぼってみると、婚姻件数のピークを迎えたのは昭和40年代。その後右肩下がりになっているのに対し、離婚件数が一番多かったのは2000年代初頭。昭和より平成の方が格段に“離婚率”が上がっていることがわかります。さて、では日本の最新の離婚率が35%程度、1000人あたり1.7件という数字がわかったところで、世界の傾向も見てみましょう。総務省統計局が「世界の統計2019」という調査を発表しており、こちらに採用している日本のデータは上記の1000人あたり婚姻4.9、離婚1.7です。まず人口1000人あたりの離婚件数でみると、世界トップはロシアで4.7件。続いてモルドバ(3.7)、ベラルーシ(3.4)、ウクライナ(3.1)、ラトビア(3.1)、カザフスタン(3.0)、リトアニア(3.0)と、トップ7を旧ソ連の国が占める結果となりました。とはいえ今回の調査対象は81の国と地域、かつ離婚件数を把握できていないエリアが13あるため、68か国内のランキングではあります。(一方国連加盟国は193か国です)。日本の1.7という数字は39番目にあたり、真ん中より少し低め、という位置づけになるでしょうか。
離婚件数を婚姻件数で割った便宜的な離婚率で見るとどうなるでしょうか。世界一はポルトガルで63.6%。「3組に1組は離婚する」と日本の現状を示すショッキングなフレーズを冒頭で使いましたが、ポルトガルはほぼ3組に2組が離婚する、というわけです。続いてルクセンブルク(62.5%)、キューバ(60.4%)、ウクライナ(57.4%)、スペイン(56.8%)が上位に入ります。ともにトップ5に入るのはウクライナだけで、他は意外にも違う国が並ぶことになりました。カトリックが中心のポルトガルやスペインは離婚が禁じられているかと思いきや、世界有数の離婚率でした。本音と建前ということなのでしょうか。こちらでの日本の順位は36位。離婚件数と同じく、真ん中よりやや低めということがわかりました。
日本の婚姻件数の順位は69か国中48位
それぞれ国民性や文化もあるでしょうし、離婚率の高低を単純に良い悪いと評価することはできないのですが、日本の離婚率や離婚件数や昭和に比べて増えたといえど、国際的な観点では今のところ並みと言えそうです。日本では未婚率が上がっている=少子化につながる、と指摘されることもありますが、人口1000人あたりの婚姻件数だと69か国中48位。離婚に関するランキングよりやや下位となります。ただし、事実婚が多い国は婚姻件数にカウントされていないものの夫婦と同じようなライフスタイルをとっているカップルも多いため、こちらも厳密に見ていこうとすると比較は難しそうです。コロナ離婚なんて言葉がニュースで扱われることもあるように、アフターコロナ、ウィズコロナと言われる時代、世界の婚姻や離婚に関わる数値はこれから変わってくるのかもしれませんね。その時日本はどんな位置につけることになるでしょうか。
<参考サイト>
・平成 29 年(2017) 人口動態統計の年間推計
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei17/dl/2017suikei.pdf
・世界の統計2019 総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2019al.pdf
・平成 29 年(2017) 人口動態統計の年間推計
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei17/dl/2017suikei.pdf
・世界の統計2019 総務省統計局
https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2019al.pdf
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
『門』で描かれた明治の大事件…主人公・宗助は何と言うか
いま夏目漱石の前期三部作を読む(8)『門』の世界観と日本の近代化
「この世の中はデタラメにできている」…実家に残された屏風の売買を通じて世の中の不条理を感じた『門』の主人公・宗助。その後、略奪した妻の元夫である安井が戻ってくることを知ると、逃避するようにして禅の修行へ向かうが、...
収録日:2024/12/02
追加日:2025/04/20
100年ぶりのアメリカ第一主義とトランプ新政権3つの焦点
トランプ2.0~アメリカ第一主義の逆襲(1)アメリカ第一主義の歴史
トランプ第2次政権が本格的に始動したアメリカ。トランプが掲げる「アメリカ第一主義(アメリカファースト)」とはなにか。それは100年ぶりともなる「フロンティアの再定義」であり、「地球からの撤退宣言」なのだという。いっ...
収録日:2025/03/21
追加日:2025/04/19
ハンナ・アーレントが追及した「政治における嘘」の問題
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(4)アーレントの公共性論
ユダヤ人の女性哲学者ハンナ・アーレントは、ナチス政権下ドイツの状況から公共性の本質について思考した。他者から切り離され、孤立した存在としての「大衆」が生み出す全体主義に対して、アーレントが示した公共性論とは。複...
収録日:2024/09/11
追加日:2025/04/18
トランプ戦略の歴史的検証…そして日本はどうすべきか
世界を混乱させるトランプ関税攻勢の狙い(4)日本はどうすべきか
第二次世界大戦後、アメリカは自ら世界を支え、世界を発展させることで、自国の繁栄を実現してきた。だが、トランプ大統領は、そのようなアメリカの歴史を全否定し、むしろ「アメリカ崩壊の要因」と考えているようである。その...
収録日:2025/04/04
追加日:2025/04/13
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
アメリカが日本の運命を左右する国であることは、安全保障を考えても、経済を考えても、否定する人は少ないだろう。だが、そのような国であるにもかかわらず、日本人は、本当に「アメリカ」のことを理解できているだろうか。日...
収録日:2022/11/04
追加日:2023/01/06