社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
自販機横のBOXは「ゴミ箱」ではありません!
街中でペットボトルや缶以外のゴミが出た場合、あなたはどうしますか?次の三択から選んでみてください。
1)ゴミ箱に捨てる、2)家に持ち帰る、3)自販機横のBOXに捨てる――。
状況に応じた選択と行動が取られると思いますが、実はこのうちの一つ「3)自販機横のBOXに捨てる」は、明らかに間違った選択といえます。なぜなら、自販機横のBOXは「ゴミ箱」ではないからです。
では自販機横のBOXは、いったい何のためのBOXなのでしょうか。
しかし、2020年10月に一般社団法人全国清涼飲料連合会(略称:全清飲)が発表した「リサイクルボックスに関する消費者意識調査2020」(以下「調査」)によると、「自動販売機の横にあるボックスはゴミ箱ではなく、飲料容器専用のリサイクルボックスであることを知っていたか」という問いに対する回答は、「知っていた」57.6%、「知らなかった」42.4%という結果が出ています(全回答者1000名)。
つまり、約4割強に、設置理由が正しく伝わっていないという現状が見えてきました。
さらに「調査」からは、自販機横のBOXを「リサイクルボックス」ではなく「ゴミ箱」ととらえている人も多数いるのではないかということもうかがえてきました。
「ゴミ箱」ととらえている人も一定数いるという可能性は、「調査」の「自動販売機の横にあるボックスにペットボトル・缶・ビン以外のゴミを入れたことがある人」という質問項目に対する回答から考察することができます。
全回答者1000名中106名が「ゴミを入れた理由」という問いへの回答を行い、そのうちの最多の回答は「捨てる場所がなかった」となっています。
しかし、その他の回答「(プラスチックや飲料の容器であれば)捨てても問題ないと思った」「(すでに他のゴミも入っていて)分別されていなかった」といった、「リサイクルボックス」としての正しい認知が行われていない可能性がうかがえる回答が挙げられています。
そのうえ最近では、コンビニエンスストアが店先に設置していたゴミ箱を店内に移動させたことも相まって、街中でゴミ箱を目にすることが少なくなっています。
一方、食べ歩きブームやテイクアウト文化がより広く受け入れられるようになります。特に、プラスチックカップで提供されるコーヒーやタピオカドリンクなど、飲料のテイクアウトが拡充しています。
街中のゴミ箱減少とテイクアウト(特に飲料)の増加といった二大要因によって、現在、街中で発生するゴミとゴミ箱の需要と供給のバランスが崩れているといえるのかもしれません。
また、たとえ街中にゴミ箱があったとしても、それはあくまでも他者の善意、企業や行政サービスの一環であり、そのための善意や労力、資本や税などが投入されています。
それはリサイクルボックスあっても同様です。「混ぜればゴミ・分ければ資源」とも言われるように、正しい認識と活用によって、市民としての良識をもった行動のうえで、善意や資源を多いに活用することが求められています。
1)ゴミ箱に捨てる、2)家に持ち帰る、3)自販機横のBOXに捨てる――。
状況に応じた選択と行動が取られると思いますが、実はこのうちの一つ「3)自販機横のBOXに捨てる」は、明らかに間違った選択といえます。なぜなら、自販機横のBOXは「ゴミ箱」ではないからです。
では自販機横のBOXは、いったい何のためのBOXなのでしょうか。
自販機横のBOXは「リサイクルボックス」です!
実は、自販機横のBOXは、リサイクルを目的に自動販売機で購入された清涼飲料の空容器を回収するために設置されているBOX、つまり「リサイクルボックス」です。しかし、2020年10月に一般社団法人全国清涼飲料連合会(略称:全清飲)が発表した「リサイクルボックスに関する消費者意識調査2020」(以下「調査」)によると、「自動販売機の横にあるボックスはゴミ箱ではなく、飲料容器専用のリサイクルボックスであることを知っていたか」という問いに対する回答は、「知っていた」57.6%、「知らなかった」42.4%という結果が出ています(全回答者1000名)。
つまり、約4割強に、設置理由が正しく伝わっていないという現状が見えてきました。
さらに「調査」からは、自販機横のBOXを「リサイクルボックス」ではなく「ゴミ箱」ととらえている人も多数いるのではないかということもうかがえてきました。
「ゴミ箱」ととらえている人も一定数いるという可能性は、「調査」の「自動販売機の横にあるボックスにペットボトル・缶・ビン以外のゴミを入れたことがある人」という質問項目に対する回答から考察することができます。
全回答者1000名中106名が「ゴミを入れた理由」という問いへの回答を行い、そのうちの最多の回答は「捨てる場所がなかった」となっています。
しかし、その他の回答「(プラスチックや飲料の容器であれば)捨てても問題ないと思った」「(すでに他のゴミも入っていて)分別されていなかった」といった、「リサイクルボックス」としての正しい認知が行われていない可能性がうかがえる回答が挙げられています。
街中のゴミ箱減少・テイクアウト飲料の増加
1995年に引き起こされた地下鉄サリン事件以降、日本では公共の場でゴミ箱の設置が減少していきます。近年ではさらなるテロ防止の観点などからも、すでにあったゴミ箱も街中から撤去されるようになっていきました。そのうえ最近では、コンビニエンスストアが店先に設置していたゴミ箱を店内に移動させたことも相まって、街中でゴミ箱を目にすることが少なくなっています。
一方、食べ歩きブームやテイクアウト文化がより広く受け入れられるようになります。特に、プラスチックカップで提供されるコーヒーやタピオカドリンクなど、飲料のテイクアウトが拡充しています。
街中のゴミ箱減少とテイクアウト(特に飲料)の増加といった二大要因によって、現在、街中で発生するゴミとゴミ箱の需要と供給のバランスが崩れているといえるのかもしれません。
ゴミはゴミ箱に。でもその前に・・・
ただし、いくら街中のゴミ箱が減って不便になってきているからといって、そもそも論としてゴミは各自で正しく処分することが基本です。また、たとえ街中にゴミ箱があったとしても、それはあくまでも他者の善意、企業や行政サービスの一環であり、そのための善意や労力、資本や税などが投入されています。
それはリサイクルボックスあっても同様です。「混ぜればゴミ・分ければ資源」とも言われるように、正しい認識と活用によって、市民としての良識をもった行動のうえで、善意や資源を多いに活用することが求められています。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
田沼意次とは?再評価で注目の人物像と時代背景に迫る
田沼意次の革新力~産業・流通・貨幣経済(1)田沼意次の生い立ちとその時代
田沼意次の人物像と政策を通して、江戸時代の転換期を振り返る今シリーズ。農産物・工産物の流通・発展、また貨幣経済の拡大など、田沼時代の特徴を振り返る。まずは、田沼意次の生涯である。田沼意次の父は一説には浪人だった...
収録日:2025/01/28
追加日:2025/05/30
あなたは縄文系?弥生系?…弥生時代の実態に迫る
編集部ラジオ2025(10)弥生人の遺伝子、生活、文化
「自分は縄文系だろうか? それとも弥生系だろうか?」。そんなことを、ふと考えたことはありませんか。
日本は、縄文系の遺伝子や文化がいまなお色濃く残りつつ、そこに弥生系の遺伝子・文化が絶妙に混交して、独...
日本は、縄文系の遺伝子や文化がいまなお色濃く残りつつ、そこに弥生系の遺伝子・文化が絶妙に混交して、独...
収録日:2024/04/03
追加日:2025/05/29
その後の余命が変わる!続けるべき良い生活習慣とは
健診結果から考える健康管理・新5カ条(7)良い生活習慣が健康寿命を延ばす
健康診断の結果に一喜一憂するだけではなく、そのデータを活用し、生活習慣を見直すことが大切である。今回は、内臓脂肪の管理が健康維持に直結する理由や、体重増加と糖尿病リスクの関係、さらには良い生活習慣が寿命に与える...
収録日:2025/01/10
追加日:2025/05/27
なぜ日本の医療はテロに対応できないのか?三つの理由
医療から考える国家安全保障上の脅威(5)日本の医療の問題点と提言
残念なことだが、現在の日本の医療はテロ攻撃には対応できない。その理由として、テロの悪意に対して無防備なこと、時代遅れの教科書的知識しか持っていないこと、テロで想定される健康被害に対応できる医療体制にないこと、が...
収録日:2024/09/20
追加日:2025/05/29
人生100年時代の生き方と日本の3つの課題
長寿社会の課題と可能性(1)個人・社会・産業の課題
東京大学高齢社会総合研究機構の秋山弘子特任教授が、人生100年時代を迎えた日本の課題について解説する。高齢化が急速に進み、健康で長生きできるようになった現在の日本では、それまでの人生50年時代の生き方やインフラ、産業...
収録日:2017/04/12
追加日:2017/05/01