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NISAとiDeCoの違い、そのメリットは?
資産形成でよく話題にあがるものにNISAとiDeCoがあります。投資信託や株式などで得た利益(運用益)には、通常20%の税金がかかります。それなりに高い税率ですが、この「運用益が非課税になる」のがNISAとiDeCoです。なかなか魅力的な制度だと言えるでしょう。ではNISAとiDeCoの違いはどこにあるのでしょうか。最大の違いは、大きく見て以下の3つです。それぞれ詳しく見てみましょう。
一方、先の通りiDeCoは個人型年金なので、60歳が大きな区切りとなります。積立することができるのは60歳まで。60歳になると受給権が発生します。これ以降5年以上20年以下の期間内で年金として受け取ることになります。また、70歳になるまで給付を受け取らず運用益非課税のまま運用を続ける、といったことも可能です。
iDeCoの場合、職業によって掛けることのできる金額が異なります。勤務先に確定給付企業年金がある人や公務員は年間14万4,000円(月1.2万円)まで。企業年金のない会社員や専業主婦・専業主夫は年間27万6,000円(月2.3万円)まで。また自営業者は、年間81万6,000円(月6.8万円)まで(国民年金基金との合算)が上限とされています。
一方、一般NISAは、ちょっと投資を体験してみようという人から、ある程度リスクをとって運用したい人まで比較的自由に利用できます。つみたてNISAは比較的少額の資金から長期間預けることを前提に、比較的低リスクで運用したい人向けと考えていいかもしれません。
こういった意味では、iDeCoに比べれば一般NISA、つみたてNISAの方が使いやすいということはできると思われます。ただしいずれにしろ、投資に元本保証はありません。リスク資産はマイナスになるリスクを孕んでいます。NISAであれiDeCoであれ、自身の許容リスクを考えて投資する必要はあります。
iDeCoは途中で引き出せない
1点目は、運用の途中で引き出せるかどうかという点です。NISAはいつでも引き出すことが可能ですが、iDeCoは個人型年金としての性質上、60歳までは引き出すことができません。つまり、NISAは少しずつ状況を見て売ったり買ったりといったことが可能なので、比較的資金の余裕が少なくとも運用できると言えます。一方、iDeCoは当面の資金に余裕がないと使いづらいかもしれません。iDeCoは60歳まで
2点目は利用可能期間の違いです。NISAは、つみたてNISAか一般NISAかということによって利用可能期間が変わります。つみたてNISAが20年間、一般NISAで5年間です。一般NISAは期間が短いですが、国内外の個別株にも投資できる自由度があります。比較的長く運用するのであればつみたてNISA、比較的短い期間で積極的に運用したい場合は一般NISAという選択になるでしょうか。ただし、両者を併用することはできません。NISAで運用したい場合、一般NISAかつみたてNISAかを決める必要があります。一方、先の通りiDeCoは個人型年金なので、60歳が大きな区切りとなります。積立することができるのは60歳まで。60歳になると受給権が発生します。これ以降5年以上20年以下の期間内で年金として受け取ることになります。また、70歳になるまで給付を受け取らず運用益非課税のまま運用を続ける、といったことも可能です。
一般NISAでは年間120万円、つみたてNISAは年間40万円
3点目は、非課税上限額の違いです。一般NISAでは年間120万円まで、つみたてNISAの場合は年間40万円と決められています。また、購入することができる商品は、つみたてNISAでは国が定めた基準をクリアする一部の投資信託などに限られています。一方、一般NISAでは、FXやデリバティブ(金融派生商品)などの特殊なものや、年間限度額を超えるような高価な株式を除き、ほぼすべてに投資できます。iDeCoの場合、職業によって掛けることのできる金額が異なります。勤務先に確定給付企業年金がある人や公務員は年間14万4,000円(月1.2万円)まで。企業年金のない会社員や専業主婦・専業主夫は年間27万6,000円(月2.3万円)まで。また自営業者は、年間81万6,000円(月6.8万円)まで(国民年金基金との合算)が上限とされています。
iDeCoの掛金額は所得控除の対象
他にもiDeCoであれば、月々の掛金が全額所得控除の対象となります。つまり、所得税と住民税が軽減されることになります。こういった意味でもiDeCoは節税効果が高いのですが、デメリットは60歳になるまでは引き出せないという点です。一方NISAは、限度額内であれば比較的自由に売り買いすることができます。このことから、iDeCoは毎月の資金に余裕のある人向けと言えます。一方、一般NISAは、ちょっと投資を体験してみようという人から、ある程度リスクをとって運用したい人まで比較的自由に利用できます。つみたてNISAは比較的少額の資金から長期間預けることを前提に、比較的低リスクで運用したい人向けと考えていいかもしれません。
こういった意味では、iDeCoに比べれば一般NISA、つみたてNISAの方が使いやすいということはできると思われます。ただしいずれにしろ、投資に元本保証はありません。リスク資産はマイナスになるリスクを孕んでいます。NISAであれiDeCoであれ、自身の許容リスクを考えて投資する必要はあります。
<参考サイト>
税金優遇制度NISA・iDeCoとは?│楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/nisa_ideco/
iDeCo(イデコ)-資産形成~活用すべき制度~|三井住友銀行
https://www.smbc.co.jp/kojin/special/retirement/asset/ideco/
確定拠出年金でどのくらい税負担を軽減できる? 気になる税制優遇金額をシミュレーションしてみた|りそな銀行
https://www.resona-tb.co.jp/401k/begin/tax-saving-simulation.html
税金優遇制度NISA・iDeCoとは?│楽天証券
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/nisa_ideco/
iDeCo(イデコ)-資産形成~活用すべき制度~|三井住友銀行
https://www.smbc.co.jp/kojin/special/retirement/asset/ideco/
確定拠出年金でどのくらい税負担を軽減できる? 気になる税制優遇金額をシミュレーションしてみた|りそな銀行
https://www.resona-tb.co.jp/401k/begin/tax-saving-simulation.html
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