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DATE/ 2024.10.06

地震に強い家の特徴とは?

地震対策への意識の高まりとともに

 2024年8月8日に宮崎県東南東の日向灘でM7.1の地震が発生し、「南海トラフ地震臨時情報」が発令されたことはまだ記憶に新しいですよね。南海トラフ臨時情報は2019年に導入され、今回が初めての発令となりました。

 南海トラフとは、東海地方から四国の南部、さらに九州南東部付近の海底に形成されている大きな溝です。このエリアでは古くから広い範囲にわたって大きな地震が繰り返し発生しており、以前から強く警戒されてきました。このような背景があり、地震発生の危険性が高まっていると考えられるときには気象庁から南海トラフ臨時情報が発令されることが決まったのです。

 地震大国といわれる日本は平成に入ってからも阪神・淡路大震災や東日本大震災など大きな地震を経験してきました。令和以降でも2024年の能登半島地震に続いて日向灘での地震も発生し、日本全体で防災意識が高まっています。水や食料を備蓄したり、避難所への避難経路を確認したりしている方も多いですよね。

 そんななかでも気になるのが、家のことではないでしょうか。大きな揺れで倒壊してしまった家をTVや新聞で何度も見ていると、やはり不安になるものです。そこで今回は、地震に強い家とはどんな家なのかをご紹介しますので、参考にしてみてください。

地震で倒れにくい家はどんな家?

 2024年9月時点で、家を新築するときには建築基準法で定められた条件を満たすことが義務づけられています。建築基準法の耐震基準は法改正に合わせておおまかに3つの時期に分けられますが、年代が古くなるごとに基準は弱く、倒壊の可能性が上がっていきます。まずは地震対策の基準となるこの法律の条件を見てみましょう。

・旧耐震基準(1981年以前):震度5程度の地震で修復可能、倒壊なし
・新耐震基準(1981年以降):震度6から7の地震で倒壊なし、震度5程度の地震で軽度なひび割れ程度
・2000年基準(2000年以降):新耐震基準に加えて、地盤調査、接合部への金物使用、耐力壁バランスが必要

 最も新しい2000年基準を満たしている家は能登半島地震でもほとんど倒壊しなかったため、一定の信頼を置ける強度と考えられます。さらに、耐震性能には耐震等級というレベルが3段階あり、耐震等級1級は建築基準法の耐震基準を満たしている家、2級は1級の1.25倍、3級は1級の1.5倍の耐震強度を備えている家となっています。

 しかし、同じ耐震強度でも次のような要素によって家の耐久力は変わってきます。

・地盤:なんといっても地盤の強さは重要です。どれだけ耐震性能にすぐれた家を建てても、地面が崩壊してしまえばひとたまりもありません。それはつまり、耐震強度が弱い家でも地盤の強い土地に建てれば倒壊しない可能性が上がるということです。
・重さ:揺れのエネルギーの伝達率は家の重さに比例するので、軽い家ほど揺れにくくなります。また、屋根が重いと家の上部が大きく揺れてしまい、倒壊の可能性が高まります。骨組みは木材、屋根はガルバリウム銅板などを使うと家を軽量化できます。
・高さ:地震は震度が大きくなるほど、揺れの1往復の周期が大きくなります。一方で建物は高さが増すほどに揺れやすい周期が長くなります。このため、高い建物ほど大きな地震の揺れに共振しやすくなるのです。揺れにくさでは平屋が最適といえます。
・シンプルさ:正方形に近い形状の家は、それぞれの面で均等に揺れを受け止めるのでエネルギーが分散されて安定します。家の形状が複雑になるほど、揺れの負担を強く受ける面が出てくるため、そこから倒壊する可能性が出てきてしまうのです。

 耐震基準を満たして耐震等級も高ければ安心感がありますが、家を地震から守るためのチェックポイントはそれ以外にもいろいろあることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

今からでもできる耐震補強とは?

 これから家を新築するなら、地震に強い家の特徴を盛り込めば心強い地震対策になるでしょう。それでは、すでに建っている家にはもう地震対策できないのでしょうか?それはもちろん、違います。すでに建っている家にもさまざまな耐震補強ができるので、その一例をご紹介しましょう。

・耐震金具:柱、梁、土台などの交点に金具を設置してつながりを強化し、断裂を防ぎます。ポイントごとの設置作業になるので、耐震補強の中では比較的低価格で行える対策です。
・軽量屋根材:瓦などの重い屋根材を、ガルバリウム銅板などの軽い屋根材に葺き替えます。屋根は台風などでも傷つきやすいので、修理の機会に軽量化も同時に行えば費用を抑えられます。
・基礎補修、補強:基礎の傷みを補修したり、被害が出そうな部分を補強したりして家の土台を固めます。基本的にはもともとの基礎を利用しますが、増設が必要だと高額になることも。
・耐震壁:壁の表面をいったん剥がし、耐震性能のある壁材で補強してもとに戻します。外壁にも内壁にも施工できます。剥がして張り直すので作業量が多く、比較的高価格になりやすいです。

 地震対策に完璧はありませんが、いざというときに後悔しないよう、手を打てるうちにできる対策はやっておきたいですよね。

<参考サイト>
・大建工業 地震に強い家の特徴とは?構造や形など様々な観点から解説
https://www.daiken.jp/buildingmaterials/etc/columnipe/011/
・大建工業 耐震補強工事はどのような方法がある?目安や補助金は?
https://www.daiken.jp/buildingmaterials/etc/columnipe/009/
・ハグデザイン 「災害に強い家」に共通する4つの特徴|立地・構造・間取り・設備の工夫16選も
https://www.hugdesign.co.jp/column/202401_2y/
・株式会社トキワシステム 【地震に強い家の特徴10選】揺れても安心の住まいを手に入れよう
https://www.tokiwa-system.com/column/column-210/
・気象庁 南海トラフ地震とは
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/nteq/nteq.html
・気象庁 南海トラフ地震に関連する情報の種類と発表条件
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/info_criterion.html
・気象庁 長周期地震動とは?
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/choshuki/choshuki_eq1.html
・NHK 南海トラフ巨大地震 臨時情報が出た時の行動は?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/natural-disaster/natural-disaster_02.html
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