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外国人に人気な日本の「建築物」3選
日本の建築は独自性や技術力の高さなどで世界的にも高く評価されています。建築界のノーベル賞とも呼ばれる米プリツカー賞には、2019年に受賞した磯崎新をはじめ1995年受賞の安藤忠雄、1987年受賞の丹下健三など、日本人はこれまでに8人が受賞しています。もちろんこれら現代の建築家が手がけたものも多いですが、歴史的な寺社仏閣、城郭、庭園なども他地域には見られない興味深いものが多く残されています。また技術力を結集させた高層建築や橋といったさまざまなものもありますが、今回は特に、外国人に人気があるものの中から3つを取り上げてみましょう。
作りとしてもかなり凝っていて、大天守(5重6階地下1階)に3つの小天守が連結されています。国宝に指定されているだけでなく、1993年には、奈良の法隆寺とともに、他に類を見ない優れた木造建築として日本で最初のユネスコ世界文化遺産に登録されました。トリップアドバイザーの記事「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット 2020」では第9位にランクインしています。
現在の姫路城の大天守は、1609年(慶長14年)に建築されたもので、これまでにも修復を重ねながら実に400年以上その姿を保っています。太平洋戦争のときには、明治期以降残っていた貴重なお城の天守が次々と焼失しました。それでも姫路城は奇跡的に大きな被害を受けなかったことから「不戦の城」とも呼ばれています。日本の城は見た目から作りといったところまで、かなり日本独特の空間です。
パリのノートルダム大聖堂の形をモチーフにしつつ、外壁は日本の伝統的な障子や京町家などにみられる格子をモチーフにしているそうです。このことで巨大ビルでありながらも近くから見上げても圧迫感があまりないようになっています。周辺に大きなホテルもあるということも関係して、外国人観光客にも人気のスポットとなっているようです。
感想としては「現代的」「穏やかな感じ」といった感想も聞かれる一方で、「他の国でもよく見かける」といったものもあるようです。トリップアドバイザーが2015年に行った「行ってよかった日本の展望スポット 2015」では、清水寺、東京シティービュー(六本木ヒルズ展望台)、に続いて3位となっています。
さらに、スカイツリーは「心柱」を使った制振構造も優れたポイントです。これは塔の中心にある柱を塔体から一部分離して独立させることで、地震時の揺れを低減させる仕組みです。この仕組みはなんと670年に創建された法隆寺の「五重塔」で使われていたものです。実に1300年以上前の技術が最新の塔に応用されています。この意味でスカイツリーは日本古来の技術と最先端技術が融合した建物と言えそうです。日本は歴史的にも長い間、日常的に地震や台風といった自然災害と向き合い、この土地で命をつないできました。スカイツリーにはこういった歴史と風土によって培われた技術が結集しています。
エキゾチックな木造建築「姫路城」
姫路城は美しさと歴史的な古さもあいまって、日本人にも人気の建物です。外国人にはさらにエキゾチックな印象を与えているようです。姫路城は兵庫県姫路市にあり、別名「白鷺城(はくろじょう・しらさぎじょう)」とも呼ばれています。これは白い漆喰で塗り込められた美しいたたずまいが白鷺を思わせるということによります。作りとしてもかなり凝っていて、大天守(5重6階地下1階)に3つの小天守が連結されています。国宝に指定されているだけでなく、1993年には、奈良の法隆寺とともに、他に類を見ない優れた木造建築として日本で最初のユネスコ世界文化遺産に登録されました。トリップアドバイザーの記事「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット 2020」では第9位にランクインしています。
現在の姫路城の大天守は、1609年(慶長14年)に建築されたもので、これまでにも修復を重ねながら実に400年以上その姿を保っています。太平洋戦争のときには、明治期以降残っていた貴重なお城の天守が次々と焼失しました。それでも姫路城は奇跡的に大きな被害を受けなかったことから「不戦の城」とも呼ばれています。日本の城は見た目から作りといったところまで、かなり日本独特の空間です。
無料で富士山までが見渡せる「東京都庁」
実用的な場所でも人気がある建物があります。その一つが東京都庁です。特に地上202m、45階にある展望室には多くの外国人が訪れます。展望室は無料で、季節と天候がよければ東京湾や富士山までが見渡せます。インスタグラム上にも外国人が撮影してタグ付けされた写真が多数見つかるとのこと。東京都庁は丹下健三が設計しています(構造設計は武藤清)。約2年半をかけて建設され1991年4月に丸の内から機能が移転しました。パリのノートルダム大聖堂の形をモチーフにしつつ、外壁は日本の伝統的な障子や京町家などにみられる格子をモチーフにしているそうです。このことで巨大ビルでありながらも近くから見上げても圧迫感があまりないようになっています。周辺に大きなホテルもあるということも関係して、外国人観光客にも人気のスポットとなっているようです。
感想としては「現代的」「穏やかな感じ」といった感想も聞かれる一方で、「他の国でもよく見かける」といったものもあるようです。トリップアドバイザーが2015年に行った「行ってよかった日本の展望スポット 2015」では、清水寺、東京シティービュー(六本木ヒルズ展望台)、に続いて3位となっています。
最先端技術と日本古来の技術が融合「東京スカイツリー」
日本のシンボリックな塔として外せないのが2012年に開業した東京スカイツリーです。高さは634mと世界でもトップの高さを争う電波塔です。また高いというだけではなく、見る角度によって形が変わるようなシルエットになっています。これはスカイツリーの足元部分が正三角形でありながら、上部に行くに従って円形になるような形であることが関係しています。また、日本刀などに見られる線や面がなだらかに凹んだ「そり」という形状や、法隆寺などの列柱にあるような柔らかく膨らんだ「むくり」という形状を活用して強度を確保しています。さらに、スカイツリーは「心柱」を使った制振構造も優れたポイントです。これは塔の中心にある柱を塔体から一部分離して独立させることで、地震時の揺れを低減させる仕組みです。この仕組みはなんと670年に創建された法隆寺の「五重塔」で使われていたものです。実に1300年以上前の技術が最新の塔に応用されています。この意味でスカイツリーは日本古来の技術と最先端技術が融合した建物と言えそうです。日本は歴史的にも長い間、日常的に地震や台風といった自然災害と向き合い、この土地で命をつないできました。スカイツリーにはこういった歴史と風土によって培われた技術が結集しています。
<参考サイト>
「世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!視察団」で紹介された情報│価格.com
https://kakaku.com/tv/channel=10/programID=49523/episodeID=1257916/
外国人目線で決める!日本らしい日本の世界遺産ランキング20!|skyticket
https://skyticket.jp/guide/83627
世界遺産 姫路城|姫路市
https://www.city.himeji.lg.jp/castle/index.html
トリップアドバイザー「行ってよかった!日本の展望スポット 2015」を発表|Tripadvisor
https://tripadvisor.mediaroom.com/press-releases?item=125108
東京スカイツリー、伝統美と最新技術の融合|nippon.com
https://www.nippon.com/ja/views/b01101/
法隆寺の建築技術を解説【1300年以上前の建築的特徴は現代も使える】|建設業界ニュース
https://kensetsu-gyokai.com/horyuji-kenchiku/
「世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!視察団」で紹介された情報│価格.com
https://kakaku.com/tv/channel=10/programID=49523/episodeID=1257916/
外国人目線で決める!日本らしい日本の世界遺産ランキング20!|skyticket
https://skyticket.jp/guide/83627
世界遺産 姫路城|姫路市
https://www.city.himeji.lg.jp/castle/index.html
トリップアドバイザー「行ってよかった!日本の展望スポット 2015」を発表|Tripadvisor
https://tripadvisor.mediaroom.com/press-releases?item=125108
東京スカイツリー、伝統美と最新技術の融合|nippon.com
https://www.nippon.com/ja/views/b01101/
法隆寺の建築技術を解説【1300年以上前の建築的特徴は現代も使える】|建設業界ニュース
https://kensetsu-gyokai.com/horyuji-kenchiku/
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