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DATE/ 2022.12.06

郵便番号はどのように決められているのか

郵便番号はなぜできたのか

 手紙や荷物を送るとき、住所とともに必要になるのが郵便番号。久しぶりの友人などに送るときは、わからなくなって調べ直すのが少しめんどう……なんて思うこともありますよね。しかし、郵便番号は郵便事業の作業効率アップのために導入されたもの。きちんと正しいものを記入すれば迅速に正確に届けてもらえるので、知らんぷりせずに記入しましょう。

 日本で郵便番号制度が開始されたのは、1968(昭和43)年7月1日。このため、7月1日は郵便番号記念日とされています。郵便番号といえば現在は7桁ですが、最初は3桁および5桁からスタートしており、比較的規模が大きい郵便局の担当地域では3桁、それ以外の地域では5桁が使用されていました。郵便番号導入前は郵便物をひとつひとつ手作業で仕分けしていたので、人手も時間もかかる大変な作業でしたが、導入後は自動区分機での仕分けが可能になり、作業効率が飛躍的にアップしました。そして1998(平成10)年2月2日、さらなる効率化のためにより細分化された7桁の郵便番号が使われるようになったのです。

 郵便番号の元祖は、1857年にイギリスのロンドンで導入されました。この当時の郵便番号はロンドン市内を10の地区に分け、アルファベットや数字を割り振って決められました。そして1932年、ひとつの都市だけでなく、国全体に割り振った郵便番号がウクライナで初めて導入されました。それ以降、ドイツなどのヨーロッパ諸国やアメリカなどに広まり、これが日本にも伝わったのです。

郵便番号に割り振りの法則はあるのか

 地区ごとに番号が割り振ってあれば、仕分け作業をしやすくなるのは納得のいく話ですよね。それでは具体的に、郵便番号からどのような情報が読み取れるのでしょうか。

 3桁および5桁から7桁に統一された郵便番号ですが、すべてを刷新して割り振り直したわけではありません。実はかつての名残を持っていて、もともと3桁だったものは「○○○(郵便区番号)-○○○○(町域)」、もともと5桁だったものは「○○○-○○(郵便区番号)○○(町域)」という構成になっています。日本の郵便業務は約3100の郵便局が分担しており、郵便物の数が比較的多い約800局を上3桁、比較的少ない2300局を上5桁で表しているのです。いずれにしても、郵便番号には町域までの情報が含まれています。たとえば郵便番号「160-0022」なら、「東京都新宿区新宿」までわかるというわけですね。

 そして、もとが3桁だったか5桁だったかを問わず、上2桁は「地域番号」になっています。これは各都道府県を表す番号で、基本的にはひとつの地域にひとつずつ割り振られていますが、土地が広かったり人口が多かったりする地域には複数が割り振られています。たとえば東京都は10~20です。先ほど例に上げた「東京都新宿区新宿」の「160-0022」なら、「16」の部分ですね。地域番号には「00」もあり、これは北海道です。「01」は秋田県なので、北から割り振られているのかというと、同じ東北地方の山形県は「99」です。そして80番台は九州地方になっています。

 このように、地域番号が一見ばらばらの割り振りになっている理由には、かつての郵送手段が関係しています。番号の決定当時はまだ現在のような車ではなく、鉄道で郵便物を運ぶのが主流でした。このため、首都である東京都を起点の「10」として、まずは東海道線などの主な路線沿いに西へと番号を割り振りました。そして西端まで行きついたあとに北陸地方の福井県へ引き返し、ここが「91」になりました。山形県で「99」まで達したので、秋田県は「01」にしたのです。なお、沖縄県の「90」は当時まだアメリカの統治下だったため保留され、1972年の本土復帰にあわせて使用が開始されました。

「郵便マーク」は世界共通なのか

 普段なんとなく見たり書いたりしている郵便番号も、掘り下げてみると興味深い歴史や逸話を持っていることがわかりますね。それは、郵便ポストに表示されている「〒」の記号、通称・郵便マーク(JIS規格に沿って厳密にいうと、「〒」は「郵便記号」と呼び、「郵便マーク」と呼ぶ場合は「〒」を帽子と鼻に見立て目・口・輪郭を追加した、いわゆる「顔郵便マーク」を意味する)も同様です。

 現在のような日本の郵便事業の原型が始まったのは、1871(明治4)年のこと。しかし、当時はまだ郵便を意味する記号はありませんでした。郵便を表す記号として「郵便徽章」が制定されたのは1884(明治17)年です。このときのマークはまだ「〒」ではなく、赤い丸に横線を1本重ねた「丸に一引き」と呼ばれるデザインでした。そして、1887(明治20)年になって「〒」が郵便を意味する記号に決まったのです。

 郵便マークが「〒」になった理由には諸説あり、当時の郵便事業を担当していた逓信(テイシン)省にまつわるものもいくつか伝わっています。

・逓信省の一文字目説:逓信省の一文字目の「テ」を取ってデザインしたという説。逓信とは「順次に取り次いで伝える」という意味で、郵便や電信関連の事務作業も指します。
・逓信省のイニシャル説:逓信省のイニシャルである「T」を記号化しようとしたところ、「T」は国際郵便で「郵便料金不足」を意味するため、線を1本増やしてデザイン変更したという説。

 由来が明確ではない「〒」ですが、カタカナの「テ」からきているという説もあるということは……。そうなのです、「〒」は日本独自の記号であり、海外では意味が通じません。たとえばヨーロッパではかつて楽器のホルンを使って郵便物の到着を知らせていたため、ドイツ、デンマーク、クロアチアなど多くの国でホルンの絵柄の郵便記号が使われています。さらに、ポストの色も国によってさまざま。たとえばドイツは黄色、アメリカは青になっています。日本のポストはイギリスを参考にして赤に決められたといわれています。

<参考サイト>
・毎日新聞 疑問氷解:郵便番号はどうやって決めるの?
https://mainichi.jp/maisho/articles/20210316/kei/00s/00s/012000c
・日本郵便 住所の記載省略は、どのようにすればよいのですか?
https://www.post.japanpost.jp/question/35.html

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