テンミニッツ・アカデミー|有識者による1話10分のオンライン講義
会員登録 テンミニッツ・アカデミーとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2023.05.09

車の「徐行」って何キロ?どこですべきなの?

 車を運転している時に「徐行」と書かれた標識をよく目にすると思います。この標識が意味するところは、スピードを落とさなければならないことだ、ということは分かると思いますが、具体的にどれくらいのスピードで走れば良いのでしょうか。

徐行のスピードとは?

 徐行運転の定義は、道路交通法で「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行すること」と定められていますが、実際のところ具体的な速度は明記されていません。自動車学校などでは「時速10km以下、1m以内で止まることができる速度」と教えられることもありますが、これもあくまでも目安。道路が凍結していたり下り坂であったり、道路の状況によってはもっとゆっくり走る必要もあるので、時速10km以下と覚えるのではなくブレーキを踏めばすぐ止まれるスピードである、ということを覚えておきましょう。

徐行で走るべき場所とは?

 白い逆三角形で赤い縁取りがされた「徐行」または「徐行SLOW」と書かれた標識があれば、その場所は徐行で通行しなければいけないことが分かるでしょう。こうした標識は都道府県公安委員会が設置していて、おもに、住宅街、通学路、道幅の狭い道路などに掲げられていることが多くなっています。

 標識がある場所以外でも、左右の見通しが悪い交差点や、道路の曲がり角付近、上り坂の頂上付近、こう配の急な下り坂は徐行運転をしなければなりません。実際に運転をしていればこうした場所は気を付ける必要があることがわかりますよね。こうした場所に限らず、許可を受けて歩行者用道路を通るときや、歩行者がいるものの安全な間隔が取れない道を走るとき、交差点を右左折するとき、水たまりのある場所を通るとき、身体障害者や高齢者、児童・幼児のそばを通行するときなど、シチュエーションによって徐行が求められていることもあります。

 これらの場所、シチュエーションで徐行運転することは道路交通法で定められています。もし違反した場合には普通車で2点の違反点数がつき、7000円の反則金が課せられてしまいます。具体的なスピードが定められていない以上、こうした場所、シチュエーションを走るときにはすぐ止まれるスピードかを十分注意しておく必要があります。

法律で定められているわけではない場所

 徐行運転すべき場所、シチュエーションの多くは法律で定められていると上述しましたが、こうした枠組みからは外れて「徐行」という言葉が使われている場合があります。道路工事の看板にある徐行や、駐車場などで地面に書かれている最徐行などは、上記のように道路交通法で定められているわけではありません。厳密にいえば違反にはならないのですが、安全のために掲げられているものには間違いないので、こうした場所でも徐行運転を心がけるようにすることが大切です。

徐行とは「すぐ止まれる速度で走ること」

 徐行はすぐに止まれる速度のこと、つまり具体的なスピードは定められていません。しかし紹介したような場所、シチュエーションで徐行運転をしなければ罰則が課されてしまう、ということをぜひ覚えておいてください。危ないなと感じたらすぐ止まれるスピードでの走行を心がけ、事故などを起こさないように気を付けるようにしましょう。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴

各々の地でそれぞれ勝手に…森林率が高い島国・日本の特徴

「集権と分権」から考える日本の核心(5)島国という地理的条件と高い森林率

日本の政治史を見る上で地理的条件は外せない。「島国」という、外圧から離れて安心をもたらす環境と、「山がち」という大きな権力が生まれにくく拡張しにくい風土である。特に日本の国土は韓国やバルカン半島よりも高い割合の...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/15
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授 音楽評論家
2

外政家・原敬とは違う…職業外交官・幣原喜重郎の評価は?

外政家・原敬とは違う…職業外交官・幣原喜重郎の評価は?

外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(2)外交と軍事のバランス

国際関係においては外交と軍事(内政)のバランスが重要となる。著書では、近代日本において、それらのバランスが崩れていった過程を3つのステージに分けて解説しているが、今回はその中の、国のトップが外政家・原敬から職業外...
収録日:2025/04/15
追加日:2025/09/12
小原雅博
東京大学名誉教授
3

フーリエ解析、三角関数…数学を使えば音の原材料が分かる

フーリエ解析、三角関数…数学を使えば音の原材料が分かる

数学と音楽の不思議な関係(3)音と三角関数とフーリエ級数

音が波であることは分かっても、それが三角関数で支えられていると言われてもピンとこないという方は少なくないだろう。そこで、その話を補足するのが倍音や周波数という概念であり、そのことを目で確認できるとっておきのイメ...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/09/11
中島さち子
ジャズピアニスト 数学研究者 STEAM 教育者 メディアアーティスト
4

成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ

成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ

経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本

組織のまとめ役として、どのように接すれば部下やメンバーの成長をサポートできるか。多くの人が直面するその課題に対して、「経験学習」に着目したアプローチが有効だと松尾氏はいう。では経験学習とは何か。個人、そして集団...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/10
松尾睦
青山学院大学 経営学部経営学科 教授
5

狩猟採集生活の知恵を生かせ!共同保育実現に向けた動き

狩猟採集生活の知恵を生かせ!共同保育実現に向けた動き

ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(3)共同保育を現代社会に取り戻す

ヒトは、そもそもの生き方であった狩猟採集生活でも子育てを分担してきた。それは農業社会においても大きくは変わらなかったが、しかし産業革命以降、都市化が進み、貨幣経済と核家族化と個人主義が浸透した。ヒトが従来行って...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/09/14
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長 元総合研究大学院大学長