日本で唯一の「気象神社」とは?
日本の神社は、願いごとにあわせてさまざまなご利益を受けることができます。中には他にはない、変わったご利益のある神社も。今回は全国で特に珍しい、日本唯一の“お天気”に関わるご利益があるという「気象神社」についてご紹介します。
中でも有名なのが、天照大御神(太陽神)が天の岩戸に隠れて世界が暗闇に包まれてしまったという『天の岩戸伝説』にちなむもの。岩戸の前で盛大に祭りを行い、天照大御神の気を引こうというアイデアを出したのが八意思兼命だったのです。
この計画は見事成功し、この世に太陽の光を取り戻すことができたことから、八意思兼命は「知恵の神」などと崇拝されるようになりました。八意思兼命を祀る神社は日本にいくつかありますが、とりわけ気象に関してのご神徳を中心に祀っているのは気象神社のみです。
雨や風の向き、気温など、気象条件は戦略上欠かせない要素であり、時に勝敗を左右するものでした。作戦成功のため、より正確な予報を求められた観測員たちのプレッシャーは計り知れないものがあったでしょう。もちろん観測は科学的根拠に基づいて行われましたが、気象神社はそうした観測員たちの精神的な支えとなったのです。
やがて終戦を迎えて陸軍が解体され、神社もGHQの指令により撤去されるはずでしたが、調査漏れにより残存。のちに払い下げを受けて高円寺氷川神社へと遷座することになり、今に至っています。
また、祭神の八意思兼命がもともと知恵の神であり、戦略に秀でたことから、企画職やクリエイターの人々からの信仰も篤いそうです。さらに撤去をまぬがれ残存したという経緯から、強運・開運のご利益もあると考えられています。
とりわけ人気なのが御朱印で、にっこりと笑った太陽など可愛らしい印がちりばめられた、非常にポップで色彩豊かなデザイン。しかも当日の天気にあわせて印が太陽が雲、雨傘に変わるというこだわりようです。さらにお正月や七夕といった祝日や節句には、特別豪華な御朱印が登場します。
映画で登場したのが、下駄を模した絵馬「下駄絵馬」でした。子どもが「明日天気になぁれ」と言いながら下駄を飛ばして天気を占う遊びがもとになっていて、御朱印にも描かれています。
本社である氷川神社は鎌倉時代、高円寺村に逃げ延びた兵が農民として暮らす中、武蔵国大宮高鼻の本社からやってきた使者の言葉を受けて創建したのがはじまりとされています。祭神は、天照大御神の弟で八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。
神社の由緒から農業の神として古くから信仰されてきましたが、祭神の素戔嗚尊にあやかり、勝負事の必勝成就や厄除けのご利益があるとされています。また八岐大蛇退治をきっかけに櫛名田比売(くしなだひめ)と結婚したことから、縁結びの神様としても認知されています。
日本で唯一の珍しい気象神社ですが、あくまで本社は氷川神社ですので、参拝はまず氷川神社の本社にきちんと参拝してからにしましょう。
この世に太陽を取り戻した神様を祀る
気象神社は東京都杉並区の高円寺にある氷川神社の末社で、八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)という神様を祀っています。八意思兼命は「晴」「曇」「雨」「雪」「雷」「風」「霜」「霧」の8つの気象をつかさどり、神話における重要な局面でたびたび活躍します。中でも有名なのが、天照大御神(太陽神)が天の岩戸に隠れて世界が暗闇に包まれてしまったという『天の岩戸伝説』にちなむもの。岩戸の前で盛大に祭りを行い、天照大御神の気を引こうというアイデアを出したのが八意思兼命だったのです。
この計画は見事成功し、この世に太陽の光を取り戻すことができたことから、八意思兼命は「知恵の神」などと崇拝されるようになりました。八意思兼命を祀る神社は日本にいくつかありますが、とりわけ気象に関してのご神徳を中心に祀っているのは気象神社のみです。
旧陸軍の気象部が創建
気象神社が創建されたのは、第二次世界大戦まっただ中の 1944年4月。杉並区にあった陸軍気象部が、天気予報的中を祈願するために社を構えたのがはじまりです。雨や風の向き、気温など、気象条件は戦略上欠かせない要素であり、時に勝敗を左右するものでした。作戦成功のため、より正確な予報を求められた観測員たちのプレッシャーは計り知れないものがあったでしょう。もちろん観測は科学的根拠に基づいて行われましたが、気象神社はそうした観測員たちの精神的な支えとなったのです。
やがて終戦を迎えて陸軍が解体され、神社もGHQの指令により撤去されるはずでしたが、調査漏れにより残存。のちに払い下げを受けて高円寺氷川神社へと遷座することになり、今に至っています。
雨男雨女の脱却から天気痛改善まで
日本で唯一、天候に関する願いを叶えられる神社とあって、多くの参拝者が訪れています。気象予報士の資格取得祈願や、旅行や結婚式に向け好天を望む人、雨男・雨女から脱却したい人、天気痛の改善を求める人など、事情は実にさまざまです。気候によって売れ行きが変わる季節商品を扱う企業からの祈願もたびたび行われています。また、祭神の八意思兼命がもともと知恵の神であり、戦略に秀でたことから、企画職やクリエイターの人々からの信仰も篤いそうです。さらに撤去をまぬがれ残存したという経緯から、強運・開運のご利益もあると考えられています。
お天気モチーフの授与品が大人気
気象神社が世に知られるようになったのは、昨今の神社仏閣巡りや御朱印ブームがきっかけです。てるてる坊主をかたどった「てるてる守り」や、太陽が描かれた「晴守」、天気痛から守る「お天気病よけ」など、小さな神社ながらラインナップが充実しています。とりわけ人気なのが御朱印で、にっこりと笑った太陽など可愛らしい印がちりばめられた、非常にポップで色彩豊かなデザイン。しかも当日の天気にあわせて印が太陽が雲、雨傘に変わるというこだわりようです。さらにお正月や七夕といった祝日や節句には、特別豪華な御朱印が登場します。
聖地巡礼で訪れる人も
さらに気象神社の知名度を高めたのが、アニメ映画『天気の子』です。氷川神社内の小さな社でありながら、週末には1日で700~800人もの人が“聖地巡礼”として訪れることもあったとか。映画で登場したのが、下駄を模した絵馬「下駄絵馬」でした。子どもが「明日天気になぁれ」と言いながら下駄を飛ばして天気を占う遊びがもとになっていて、御朱印にも描かれています。
本社・氷川神社とは
先に述べた通り、気象神社は氷川神社の境内にあります。本社である氷川神社は鎌倉時代、高円寺村に逃げ延びた兵が農民として暮らす中、武蔵国大宮高鼻の本社からやってきた使者の言葉を受けて創建したのがはじまりとされています。祭神は、天照大御神の弟で八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。
神社の由緒から農業の神として古くから信仰されてきましたが、祭神の素戔嗚尊にあやかり、勝負事の必勝成就や厄除けのご利益があるとされています。また八岐大蛇退治をきっかけに櫛名田比売(くしなだひめ)と結婚したことから、縁結びの神様としても認知されています。
日本で唯一の珍しい気象神社ですが、あくまで本社は氷川神社ですので、参拝はまず氷川神社の本社にきちんと参拝してからにしましょう。
<参考サイト>
・気象神社(氷川神社)
https://koenji-hikawa.com
・気象神社(東京・杉並) ゲタの絵馬にお天気願う(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61915880V20C20A7SHJ000/
・気象神社(氷川神社)
https://koenji-hikawa.com
・気象神社(東京・杉並) ゲタの絵馬にお天気願う(日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61915880V20C20A7SHJ000/