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DATE/ 2023.12.30

もらって困るお土産「いやげもの」6選

 人からのお土産、手土産をもらって、正直ちょっと困るな……と感じること、ありますよね。そうした「もらって困るお土産」「嬉しくないお土産」のことを、イラストレーターのみうらじゅん氏の造語で「いやげもの」と呼ぶそうです。

 今回は、そんなちょっと迷惑な「いやげもの」を6パターンご紹介します。

キーホルダー、ストラップ類

 お土産の定番といえばご当地キーホルダー。昨今は人気キャラクターがご当地名物に扮する姿などバラエティに富んでおり、コレクションとして集めている人も増えています。

 しかしこれは現地に行った人であるからこそ思い入れがあるものであって、当地に行っていないもらう側にとっては「いやげもの」にすぎないでしょう。昔はキーホルダーやストラップをつけるところといえば携帯電話でしたが、昨今のスマホはそれらを通す穴もない機種がほとんど。結局、もらっても適当に引き出しに入れてそのまま、という事態になりかねないのです。

 昔は「金属製のやたら重いキーホルダー」などもよく目にしましたが、アレもなかなかの「いやげもの」ですね……。

インテリア小物、人形類

 お土産品として選ばれやすい置物や小物類は買うハードルが低い反面、取り扱いに困る「いやげもの」にもなりやすいです。特に壊れやすいもの、明らかにチープなものを渡されると、相手への配慮に欠けているとすら感じられてしまいます。

 また、伝統工芸品や人形のように、たとえそれ自体が価値のあるものだとしても、部屋のテイストやインテリアに馴染まないものだと置き場所もなく、高価であればあるほど処分しづらくなってしまいます。心当たりがある方、多いのではないでしょうか。

なじみのない味付けの食料品

 お菓子など消え物のお土産は、あげる側ももらう側も気兼ねなく持って行けるので人気です。しかし現地の、特に海外の食べ物はなじみがない味付けのものが多いため、口に合わず食べきれないということもしばしば。手軽に買える分、当たり外れが大きいと考えるべきでしょう。

 万人受けするものを選ぶか、相手の好みを聞くなど事前にリサーチしておくのが一番ですが、心配な場合はできるだけ試食しておき、渡す時に「辛みがあるから気をつけてね」「食べてみて口に合わなかったら遠慮なく処分していいよ」など、どんな味かをあらかじめ伝えておくと親切かもしれません。

宗教関連のもの

 数珠や仮面、パワーストーンの装飾品など、特定の宗教や呪術的なものを感じさせるグッズは要注意。その宗教やスピリチュアルに関心があるなら別ですが、特にそうでもない人やむしろ忌避感がある人、あるいはすでに信仰している宗教がある人には、困るどころかもらっても迷惑なものになってしまいます。

 ただ、出産を控えている人へ安産守り、受験を控えている子どもに合格祈願守りなど、私たち日本人になじみ深く、相手側のことを思ったお守りは喜ばれる傾向にあります。この時も、相手に特定の宗教を信仰しているかどうかは把握しておいたほうがよいでしょう。

民族衣装、伝統衣装

 おしゃれ好きの人にとって、その土地の伝統衣装や民族衣装を着て歩くのは旅の楽しみのひとつ。大切なあの人にも……と伝統衣装をお土産にする人は多いはず。

 しかし、ファッションには好みがあり、相手が喜ぶとは限らないのが事実。特に伝統衣装はその土地だからこそなじむものなので、帰国してから着てみると明らかに周囲から浮いてしまったり、気候に合わなかったりして使いづらい……などということは十分ありえます。また海外と日本ではサイズ表記が違うこともあるので、選ぶ時にはよくよく注意しなければなりません。

ウケ狙いグッズ

 お土産やプレゼントを選ぶ人の中には、「いやげもの」になるものを“あえて”買ってくる人がいます。やたら大きい、ケバケバしい、ジャマになる、マズい食べ物……など誰がどう見ても「いやげもの」なのですが、その場が盛り上がればいい、その人のリアクションが見たい、といったウケ狙いが目的なので、その後の展開のことは考慮されていないのです。

 あげる側は楽しくても、もらう側はやっぱり困るだけですよね。特別親しい相手や思い出がなければ、潔く手放してもいいでしょう。

「いやげもの」も思い出の共有物

 以上「いやげもの」の代表格6つご紹介しました。

 もちろん、これらの全てが全員に対して「いやげもの」になるわけではなく、あくまで一例です。ほとんどの人は相手に喜んでもらうために持ってきています。ユニークなお土産もまた、印象的な思い出を共有するものであることに変わりはありません。

 ちょっと困るお土産を渡されたとしてもここはひとつ、快く受け取るのも、円滑なコミュニケーションに必要……といえるかもしれませんね。
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小原雅博
東京大学名誉教授