社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.01.02

お墓参りで絶対にしてはいけないこと7選

 お墓参りするとなんとなく心が落ち着いたり、気持ちがリセットされたりすることがあります。一方で、あれこれタブーがあるという声も耳にします。ではお墓参りではどういうことに気をつければいいのでしょうか。ここでいったん確認しておきましょう。以下、いくつかの情報をまとめながら、お墓参りでやってはいけないことを大きく7つに分けてみました。

その1:お供え物は置いていかない

 故人が好きだったものをお供えすることはよくあるでしょう。その人が好きなものを食べていた時の表情を思い出して、少しうれしくなることもあります。もちろん、それでいいのですが、置いて帰るのは問題です。動物や虫がやってきてお墓が荒らされる原因となるかもしれないからです。必ず持ち帰るようにしましょう。

その2:供花を置いていかない

 お墓参りするときには、お墓をきれいにしてからお花をお供えする人は多いでしょう。花が飾られると一気に空気が和らいで穏やかな空間になります。ただし、そのまま置いていくと誰かが処分することになります。場所によっては管理者が処分してくれる場合もある一方で、必ず持ち帰るようにと定められている場所もあります。ともあれ、基本的には持ち帰って、あとは自宅で鑑賞すると考えておいた方がいいでしょう。

その3:花粉の多い花をお供えしない

 お花を供えるときには、花粉の多いものには注意が必要です。花粉が墓石などに付着すると、そこから変色することがあるからです。もし風に乗って周囲の墓石に飛べば、周囲にとっても迷惑となる可能性もあります。故人が大切にしていた花であるなど、どうしてもそのお花がいいときには外で花粉をよく落としてからお供えするようにしましょう。

その4:香の強い花をお供えしない

 香の強い花は虫を引き寄せるので、周囲でお参りしている人にも迷惑をかけたり、墓地の環境を悪くしたりする可能性があります。また線香の香りを妨げることで、場の平穏を邪魔することも考えられます。特に匂いが強い花と言えば、キンモクセイやクチナシといったものがあります。またユリは比較的葬儀などでも見かけますが、なかなか香りの強い花でもあります。お墓に供えるのは避けた方がいいかもしれません。

その5:墓石にお酒やジュースをかけない

 故人がお酒好きだった場合、墓石にお酒をかけてあげるといったことをする人もいるかもしれません。ただしどのような石材であれ墓石には微細な穴があり、ここにお酒やジュースなどの糖分が染みこむと、お墓が汚れる原因となります。一般的にはこの微細な穴に雨水などが染みこむことで汚れは蓄積するのですが、そこに糖分がある場合、汚れに加えてカビや細菌が繁殖する原因ともなります。また、糖分があるということはもちろん虫が集まる原因にもなります。やめておきましょう。

その6:掃除して濡れたままにしない

 墓石を洗った後、拭き取らずに濡れたままにしていると汚れが付着します。また湿ったところに苔やカビが生える原因となるので、掃除したあとは必ず「から拭き」しましょう。また掃除するときに、汚れた部分をたわしで擦ることもあるかもしれませんが、ゴシゴシと力を入れて洗うと墓石の表面に傷がつき、劣化する原因となります。特に金属のたわしは使わないようにしましょう。基本的にはスポンジで洗うのがいいようです。また力を入れすぎて納骨棺(カロート)をあけてしまったりすると、墓石を倒したりするリスクがあるので大変危険です。

その7:ペットを連れて入ったり、騒がしくしたりしない

 お墓は静かに心を落ち着ける空間です。自分たちだけでなく、訪れている人誰もが心を落ち着けることができるようにしましょう。ペットに関しては、その場所のルールをしっかり守りましょう。一般的には、墓地にペットが入ることを禁止している場合が多いようです。また、小さな子供が一緒にいる場合は、共に静かに過ごせるように工夫する必要はあるかもしれません。

 その他にもタブーとされていることはいろいろと聞きます。たとえば、お参りの「時間」や「六曜による日取り」、「服装の決まり」、「参拝の順序」などがあります。もちろんその土地の風習や慣習といったものはあるようですが、基本的にはあまりこういった点にとらわれなくてもいいかもしれません。大事なことは、自分にとってだけでなく、あらゆる人にとってお墓は特別な場所である、ということをしっかりと心に留めておくことではないでしょうか。

<参考>
お墓参りのNG行為|やってはいけない・行ってはいけない理由と真偽を検証|そなサポ
https://sonasapo.com/families/5624/
お墓参りに必要な持ち物は9点!タブーなどについても講師が徹底解説|みんなのお墓
https://minnanoohaka.com/blog/2563/
お墓参りのタブーを解説!やってはいけないことはある?|お墓さがし
https://ohaka-sagashi.net/news/omairitaboo/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」

知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方

人間がこの世界を生きていく上で、バイアスは避けられない。しかし、そこに居直って自分を過大評価してしまうと、それは傲慢になる。よって、どんな仕事においてももっとも大切なことは「謙虚さ」だと言う今井氏。ただそれは、...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/16
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
2

「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ

「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ

「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造

宇宙とは何かを考えるうえで中国の古典である『荘子』・『淮南子(えなんじ)』に由来する「宇宙」という言葉が意味から考えてみたい。続いて、地球から始まり、太陽系、天の川銀河(銀河系)、局所銀河群、超銀河団、そして大...
収録日:2020/08/25
追加日:2020/12/13
岡朋治
慶應義塾大学理工学部物理学科教授
3

「50億人を救う」と宣言したゲイツとの粋なエピソード

「50億人を救う」と宣言したゲイツとの粋なエピソード

内側から見たアメリカと日本(3)ビル・ゲイツの世界戦略

ラストベルトはアメリカの経営者により生まれたが、それは決して攻撃ではなく、合理的な経営判断による必然的なりゆきだった。その一例として島田氏は、マイクロソフトのビル・ゲイツ氏が中国でスピーチした光景を思い出す。世...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/17
4

脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは

脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは

エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質

「ワット・ビット連携」の概念がある。これは神経と血管の関係にも似ており、両者が密接に関係するところから、それをもとに人間の本質について考察していくことになる。また、中村天風の思想から着想を得て、人間の心には霊性...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/13
5

図書館の便利な活用法…全国の図書館からの「お取り寄せ」

図書館の便利な活用法…全国の図書館からの「お取り寄せ」

歴史の探り方、活かし方(2)図書館「レファレンス」の活用

公共図書館では質の高い「レファレンス」サービスを提供しているが、活用する人は限られている。だが、実は全国の図書館ネットワークを縦横無尽に活用できる、驚くほどに便利な仕組みなのだ。今回は図書館のレファレンスで何が...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/15