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曜日の呼び方はなぜ惑星の名前なのか
月曜日は燃えるゴミの日、水曜日は毎週定例会議、金曜日は習い事の日。そんな風に私たちは近々のスケジュールを日付より曜日で把握していることが多いもの。もし「曜日」という概念がなかったら、日々の暮らしはどれほど不便だったことでしょう。しかし、なぜ1週間は7日なのか? なぜ曜日が惑星の名前で呼ばれるようになったのか? 知っている人はそう多くないかもしれません。
そしてその7日間は、天空を見上げると肉眼で見ることのできる太陽、月、そして火星、水星、木星、金星、土星の5つの惑星をそれぞれ守る7の神々によって支配されていると考えられていました。当時は地球を中心にこれら7つの星が回っていると信じられており(現在は太陽を中心に惑星が回っていると知られていますが)、地球から一番遠い土星から1時間ごとに各星が交代しているとされていたのです。その星の動きから各1日の始まりがどの星で始まるのかという観点で「曜日」の概念が生まれ、土→日→月→火→水→木→金という並びになりました。
ただ並びは同じでも、当時も現在もどの曜日から1週間が始まるのかは、時代や地域、信仰などで異なります。ちなみに日本では、明治時代にキリスト教が反映された西暦を取り入れて曜日の考え方が定着したため、イエス・キリストの「復活の日」である日曜が始まりとなったそうです。アメリカも同じく日曜始まりが基本ですが、ヨーロッパ圏は月曜始まりがスタンダード。日本も今では月曜始まりの手帳やカレンダーも多く、そちらの方が分かりやすく合理的と感じる人も増えているのではないでしょうか。
一方で、英語の曜日の呼び方は少し変則的。日曜は太陽のSunday、月曜のMondayは月のMoonから来ていると想像に難くないですが、例えば火曜を火星の名「Marsday」とは呼びませんし、土曜日の土星「Saturn」以外の、火・水・木・金は星とは関係のない呼び名に感じます。それには、英語がもともとゲルマン民族の使っていた言語であるという理由があります。英語の曜日名はゲルマン語圏の北欧神話に登場する各星を支配する以下の神々の名前に由来しているのです。
・日曜はSólソル: 太陽の女神
・月曜はMániマニ: 月の神
・火曜はTyrテュール: 軍神、勇敢な神
・水曜はOdinオーディン(古英語形はWōden): 戦いと死、死者を導く神
・木曜はThorトール: 雷や農耕を司る神
・金曜はFriggフリッグ(Freyjaフレイヤ説もあり): 愛と美と豊穣の女神
※土曜は北欧神話由来の神が存在していない説あり。
また、ラテン語に由来するロマンス諸語圏のイタリア、スペイン、フランスといったヨーロッパ国では、曜日の名前はローマ神話の神々の名が由来となっているそうです。
もしかしたら日本も「日本書紀」や「古事記」に登場する神話の神々の名が曜日名になる可能性もあったかもしれない、と胸が高鳴ります。曜日は単に便利な記号ではなく、そのルーツを紐解いていくと文化や文明、歴史に辿り着く重要なエッセンスとも言えますね。
1週間が7つの曜日になった理由
1週間や曜日が生まれたのは古代メソポタミアのバビロンで、天体を見上げて時間や暦を知る天文学から発展したと言われています。新月から次の新月まで、その月の満ち欠けから1ヶ月という単位が認識され、1ヶ月を7日ごとの月の動きで区切りを付けたものが1週間、という考えの基になっています。そしてその7日間は、天空を見上げると肉眼で見ることのできる太陽、月、そして火星、水星、木星、金星、土星の5つの惑星をそれぞれ守る7の神々によって支配されていると考えられていました。当時は地球を中心にこれら7つの星が回っていると信じられており(現在は太陽を中心に惑星が回っていると知られていますが)、地球から一番遠い土星から1時間ごとに各星が交代しているとされていたのです。その星の動きから各1日の始まりがどの星で始まるのかという観点で「曜日」の概念が生まれ、土→日→月→火→水→木→金という並びになりました。
ただ並びは同じでも、当時も現在もどの曜日から1週間が始まるのかは、時代や地域、信仰などで異なります。ちなみに日本では、明治時代にキリスト教が反映された西暦を取り入れて曜日の考え方が定着したため、イエス・キリストの「復活の日」である日曜が始まりとなったそうです。アメリカも同じく日曜始まりが基本ですが、ヨーロッパ圏は月曜始まりがスタンダード。日本も今では月曜始まりの手帳やカレンダーも多く、そちらの方が分かりやすく合理的と感じる人も増えているのではないでしょうか。
曜日の呼び名は惑星と神話から
日本の曜日は太陽、月、各星を表す「日、月、火、水、木、金、土」という、字を見れば明らかな、惑星を表す呼び名です。一方で、英語の曜日の呼び方は少し変則的。日曜は太陽のSunday、月曜のMondayは月のMoonから来ていると想像に難くないですが、例えば火曜を火星の名「Marsday」とは呼びませんし、土曜日の土星「Saturn」以外の、火・水・木・金は星とは関係のない呼び名に感じます。それには、英語がもともとゲルマン民族の使っていた言語であるという理由があります。英語の曜日名はゲルマン語圏の北欧神話に登場する各星を支配する以下の神々の名前に由来しているのです。
・日曜はSólソル: 太陽の女神
・月曜はMániマニ: 月の神
・火曜はTyrテュール: 軍神、勇敢な神
・水曜はOdinオーディン(古英語形はWōden): 戦いと死、死者を導く神
・木曜はThorトール: 雷や農耕を司る神
・金曜はFriggフリッグ(Freyjaフレイヤ説もあり): 愛と美と豊穣の女神
※土曜は北欧神話由来の神が存在していない説あり。
また、ラテン語に由来するロマンス諸語圏のイタリア、スペイン、フランスといったヨーロッパ国では、曜日の名前はローマ神話の神々の名が由来となっているそうです。
もしかしたら日本も「日本書紀」や「古事記」に登場する神話の神々の名が曜日名になる可能性もあったかもしれない、と胸が高鳴ります。曜日は単に便利な記号ではなく、そのルーツを紐解いていくと文化や文明、歴史に辿り着く重要なエッセンスとも言えますね。
<参考サイト>
曜日はどうやって決まったの?│仙台市天文台
https://www.sendai-astro.jp/observation/blog/2021/02/qa601.html
英語の曜日の由来│大阪教育大学 天文学研究室
https://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~katsura/seven-days-names.html
曜日はどうやって決まったの?│仙台市天文台
https://www.sendai-astro.jp/observation/blog/2021/02/qa601.html
英語の曜日の由来│大阪教育大学 天文学研究室
https://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~katsura/seven-days-names.html
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