社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
防犯カメラが犯罪を助長する!?監視社会の死角
人々の安全を守るための防犯カメラ。今では330万台に上るという。大きなビルの中だけでなく、住宅街や商店街にまでその数を増やしている。防犯カメラには犯罪の証拠を残すという意味で重要な役割を果たしている。それ以上に、監視されていることを意識づけることで、犯罪を事前に抑止する効果が期待されている。
古来から、目の力というものは大きな意味を持ってきた。暗がりに貼っている「見ているぞ」と書かれた目のポスターでさえ、ただの紙なのにドキリとさせられる。それが絵だけでなく、実際にこちらを監視するものだとすれば、さらに、その一部始終が記録されているとしたらどうだろう。しかも、その記録に自由にアクセスできたとしたら。
このような無断公開によってプライバシーが晒される不安感から、防犯カメラを危険視する声が聞かれるようになった。では、なぜこういったことが起きたのか。
よくある防犯カメラは、その画像確認のためのアクセスをパスワードで管理することになっている。しかし、安全なパスワードで管理されていないカメラが多く、初期設定のままになっていることから、容易に外部からアクセスができてしまうのだ。
こうした事情より、空き巣を目論む犯罪者は、防犯カメラに不正アクセスすることで簡単に部屋の間取りや無人の時間帯を知ることができるという。さらに、暗証番号を入力するような機器を監視しているカメラがあるなら、暗証番号が筒抜けになってしまう危険性すらあるのだ。
犯罪を防ぐために設置しているにもかかわらず、むしろ犯罪を助長してしまうことになりかねない防犯カメラ。こうした事件を鑑み、多くのカメラメーカーからは注意喚起と対策が出されている。こうして、正しい使い方とリスクを周知できれば、防犯カメラへの不正アクセスから勝手に画像が公開されるということも少なくなるに違いない。
しかし、常に監視されることの不安から防犯カメラに反対する人が出るくらい、「見られている」ことへの意識が高まるのであれば、少なからず子どもを誘拐したり、物を盗もうとする人の心にも、何かしらの効果があるはずである。今後、防犯カメラを取り付ける場合、見られることの不安を取り除けるよう、設定をしっかり行い、取り付け場所にも細心の注意をはらうことを意識するようにしたい。
古来から、目の力というものは大きな意味を持ってきた。暗がりに貼っている「見ているぞ」と書かれた目のポスターでさえ、ただの紙なのにドキリとさせられる。それが絵だけでなく、実際にこちらを監視するものだとすれば、さらに、その一部始終が記録されているとしたらどうだろう。しかも、その記録に自由にアクセスできたとしたら。
監視社会の死角
最近ニュースで騒がれた、防犯カメラ画像のインターネットでの無断公開はご存じだろうか。画像のみならず、動画なども不正アクセスによって公開されてしまうケースである。日本に設置されている約6000台ものカメラをリアルタイムで覗けてしまうサイトまであったという。このような無断公開によってプライバシーが晒される不安感から、防犯カメラを危険視する声が聞かれるようになった。では、なぜこういったことが起きたのか。
よくある防犯カメラは、その画像確認のためのアクセスをパスワードで管理することになっている。しかし、安全なパスワードで管理されていないカメラが多く、初期設定のままになっていることから、容易に外部からアクセスができてしまうのだ。
こうした事情より、空き巣を目論む犯罪者は、防犯カメラに不正アクセスすることで簡単に部屋の間取りや無人の時間帯を知ることができるという。さらに、暗証番号を入力するような機器を監視しているカメラがあるなら、暗証番号が筒抜けになってしまう危険性すらあるのだ。
犯罪を防ぐために設置しているにもかかわらず、むしろ犯罪を助長してしまうことになりかねない防犯カメラ。こうした事件を鑑み、多くのカメラメーカーからは注意喚起と対策が出されている。こうして、正しい使い方とリスクを周知できれば、防犯カメラへの不正アクセスから勝手に画像が公開されるということも少なくなるに違いない。
プライバシーが晒されるリスクを回避するために
防犯カメラを問題視する人は、監視され続けることへの恐怖や不安を訴える。しかし、防犯カメラに限ることなく、私たちの日常生活はつねに人の目を避けることはできない。公共の場に出るということは、不特定多数の人間がいる場所に身をさらすことであり、知らない人に見られるということだ。外に出るだけでも誰かに見られているのだ。おそらく、本当の恐怖や不安は見られていること以上に、意図しない自分のプライバシーがひと目に晒されるリスクにある。しかし、常に監視されることの不安から防犯カメラに反対する人が出るくらい、「見られている」ことへの意識が高まるのであれば、少なからず子どもを誘拐したり、物を盗もうとする人の心にも、何かしらの効果があるはずである。今後、防犯カメラを取り付ける場合、見られることの不安を取り除けるよう、設定をしっかり行い、取り付け場所にも細心の注意をはらうことを意識するようにしたい。
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
忠犬ハチ公で哲学する…人と犬の関係から見えてくる道徳論
東大ハチ公物語―人と犬の関係(1)上野英三郎博士とハチ
東京大学大学院人文社会系研究科教授・一ノ瀬正樹氏が、海外でも有名な「ハチ公」の逸話を例に、人と犬の関係について考察する。第一回目は、ハチの飼い主・上野英三郎博士について触れ、東大とハチ公の結びつきや、東大駒場キ...
収録日:2017/04/04
追加日:2017/06/13
使えるデータで「健康のプラットフォーム」を実現しよう
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(3)健康産業イニシアティブ実装に向けて
「プラチナ社会」の実現には、人々の健康もその重要な指標になる。それを支える「健康産業イニシアティブ」とは、いったいどのような構想なのか。日本の弘前大学をはじめ、アジアの周辺諸国で集められるビッグデータを資源に、...
収録日:2025/04/21
追加日:2025/10/29
変人募集中…0から1を生める人、発掘する人、育てる人
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(4)エンタメで一番重要なのは「人」
エンタメビジネスにおいて一番大切なのは「人」である。さらに、「0から1を生める」クリエイターが必須であることはいうまでもないが、そのような人材だけではエンタテインメントビジネスは成立しない。時として異能で多様なク...
収録日:2025/05/08
追加日:2025/10/28
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
組織のまとめ役として、どのように接すれば部下やメンバーの成長をサポートできるか。多くの人が直面するその課題に対して、「経験学習」に着目したアプローチが有効だと松尾氏はいう。では経験学習とは何か。個人、そして集団...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/10
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
サヘル地域をはじめとして、近年、世界各地で多発しているクーデター。その背景や、クーデターとはそもそもどのような政治行為なのかを掘り下げることで国際政治を捉え直す本シリーズ。まず、未来の“if”として台湾でのクーデタ...
収録日:2025/07/23
追加日:2025/10/04


