何回説明しても伝わらない問題と認知科学
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
今井むつみ(一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事/慶應義塾大学名誉教授)
なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』の著者・今井むつみ氏が認知科学の観点から解き明かす今シリーズ。まずは人間の認知がいかに有限であるかを「スキーマ」をキーワードに解説する。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV・アカデミー編集長)
時間:10分29秒
収録日:2025年5月12日
追加日:2025年11月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●「何回説明しても伝わらない」のはスキーマの問題!?


―― 皆さま、こんにちは。今回は今井むつみ先生に『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』(日経BP)というご本についてお話を伺ってまいりたいと思います。今井先生、どうぞよろしくお願いいたします。

今井 皆さま、こんにちは。今井むつみです。よろしくお願いいたします。

―― よろしくお願いいたします。

 『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』ということで、こういうコミュニケーションの本は世の中にたくさんこれまでもございます。また、いろいろなパターンの本があるかと思うのですけれど、私がこの本を読ませていただいて非常に感じたのが、まさに認知の部分です。人間がどう認知しているのか。その認知にどのようなバイアスがあるのかということを中心に、いろいろな心理学的実験の結果とか、科学的な成果を非常に盛り込んでいただいていますので、なぜ伝わらないということが起きるのかが非常に、ある意味では具体的にかつ客観的に分かるような気がしました。

 先生、この本をおまとめになる心、思いというのはどういうところにございましたか。

今井 この本、実はあまり自分で専門的に研究して論文を書いてきた分野ではなくて、むしろ、私は言葉の研究をしているので、言葉に関すること、コミュニケーションには興味は持っていたのです。でも、「この本はコミュニケーションの本か」と言われると、なにか少し違和感を持つ読者の方もいらっしゃるのかなと思います。

―― そうですか。

今井 そうでもないですかね。

―― 読んでいる中ではコミュニケーションの奥といいますか、その原因となる部分を非常に教えていただいている感じがしました。

今井 そうですね。コミュニケーションの奥の話をしていて、私は(2025年3月まで)慶應義塾大学でずっと「認知心理学」という一般教養の授業を教えてきたのです。その認知心理学は非常に幅広い分野で、例えば人がどう考えるか(ということについて)言葉を使うというのは、そもそもその背後にその人の考えというものがあるわけです。考えがなければ、それこそただの言葉発生器です。今、ChatGPTという生成AIはそれに似たところがあるのかもしれないですけれど、人は...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
プラトン『ソクラテスの弁明』を読む(1)真実の創作
プラトンの『ソクラテスの弁明』は謎多き作品
納富信留
伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(1)少年時代
伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」
童門冬二
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『孫子』を読む :計篇(1)「戦わずして勝つ」の意味
「戦わずして勝つ」ことを唱える『孫子』が注目される理由
田口佳史

人気の講義ランキングTOP10
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子