この講義シリーズは第2話まで
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高齢者のフレイル・認知症とその予防対策
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
小川純人(東京大学大学院医学系研究科老年病学教授)
認知症予防になる一番の趣味はダンスだった――これは認知症の発症リスクについて調査した米国の権威ある雑誌の報告によるものだが、認知症を予防するためには、頭と体を同時に使う趣味や活動を続けることが効果的であるという。では認知症の人に接するときにはどうしたらいいか。認知症の人の感情に寄り添い、安心感を与える対応が大切である。さらに、将来の医療やケアについて話し合う「人生会議」の重要性や、最新の老化制御の研究動向にも着目。最後に、心身が衰える負の連鎖を防ぎ、健康寿命をさらに延ばすためには、高齢期だけでなく若いうちからの生活習慣の改善が不可欠であると強調して講義を締めくくる。(全6話中第6話)
時間:7分38秒
収録日:2026年5月7日
追加日:2026年10月16日
収録日:2026年5月7日
追加日:2026年10月16日
≪全文≫
●趣味と認知症との関連性――ダンスが一番の認知症の予防
あとは趣味と認知症の関連ということで、これはニューイングランドジャーナルの2003年――今から20年以上前――のデータですけれど、非常に権威のある雑誌の中での報告です。
これは、趣味として何もしない人の認知症の発症リスクを5年間追跡調査した中(のデータ)で発症リスクを1とした場合、アメリカの研究では社交ダンスのようなこと、例えば異性を含めてダンスを行う、そういった方が趣味としては一番認知症の予防になったということです。
それから、盤を使うゲームとしては、チェスとか、日本でいえば囲碁や将棋で、先読みをするような趣味ですね。また、楽器の演奏とか、場合によっては日本でいったらお針ごとのようなことで手先を使ったり、譜面を読んで体を動かしたりするような、いってみればコグニション(Cognition)(つまり)認知とエクササイズを合わせる「コグニサイズ」のようなことが非常に認知症の予防になるということです。
あとは、新聞・雑誌を読むことや、クロスワードパズルも一定の貢献がありますので、無趣味のままずっと過ごされるというよりは、リタイアされてからでも、あるいは中年期からでも遅くないので、しっかりと趣味を持つとか、初学者でもいいので、そういったものをある程度趣味として持続させることが、健康寿命(の延伸)、認知症の予防にもつながるのではないかと思われます。
●認知症の人に接する際の心がけ
また、認知症の人に接するときの心構えということで、1つ申し上げておきたい(ことがあります)。認知症の方を周りでご覧になったことがあると思いますけれど、その方たちは割と辻褄の合わないことをおっしゃったりするかもしれませんが、基本的には記憶や理解はできなくても、感情面は保たれていることが多いということが知られています。ですので、裏返すと、ゆっくり話すことから心がけると(いいでしょう)。
先ほど申し上げた認知症のBPSD――いわゆる譫妄であったり、徘徊であったり、不眠であったり、暴言であったり――は、認知症の方が非常に強い不安の中にいらっしゃるということです。特に夕暮れどきは不安に晒されるということなので、そういったことを十分に理解した上で、急かすこともなく、安...
●趣味と認知症との関連性――ダンスが一番の認知症の予防
あとは趣味と認知症の関連ということで、これはニューイングランドジャーナルの2003年――今から20年以上前――のデータですけれど、非常に権威のある雑誌の中での報告です。
これは、趣味として何もしない人の認知症の発症リスクを5年間追跡調査した中(のデータ)で発症リスクを1とした場合、アメリカの研究では社交ダンスのようなこと、例えば異性を含めてダンスを行う、そういった方が趣味としては一番認知症の予防になったということです。
それから、盤を使うゲームとしては、チェスとか、日本でいえば囲碁や将棋で、先読みをするような趣味ですね。また、楽器の演奏とか、場合によっては日本でいったらお針ごとのようなことで手先を使ったり、譜面を読んで体を動かしたりするような、いってみればコグニション(Cognition)(つまり)認知とエクササイズを合わせる「コグニサイズ」のようなことが非常に認知症の予防になるということです。
あとは、新聞・雑誌を読むことや、クロスワードパズルも一定の貢献がありますので、無趣味のままずっと過ごされるというよりは、リタイアされてからでも、あるいは中年期からでも遅くないので、しっかりと趣味を持つとか、初学者でもいいので、そういったものをある程度趣味として持続させることが、健康寿命(の延伸)、認知症の予防にもつながるのではないかと思われます。
●認知症の人に接する際の心がけ
また、認知症の人に接するときの心構えということで、1つ申し上げておきたい(ことがあります)。認知症の方を周りでご覧になったことがあると思いますけれど、その方たちは割と辻褄の合わないことをおっしゃったりするかもしれませんが、基本的には記憶や理解はできなくても、感情面は保たれていることが多いということが知られています。ですので、裏返すと、ゆっくり話すことから心がけると(いいでしょう)。
先ほど申し上げた認知症のBPSD――いわゆる譫妄であったり、徘徊であったり、不眠であったり、暴言であったり――は、認知症の方が非常に強い不安の中にいらっしゃるということです。特に夕暮れどきは不安に晒されるということなので、そういったことを十分に理解した上で、急かすこともなく、安...