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高齢者のフレイル・認知症とその予防対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
小川純人(東京大学大学院医学系研究科老年病学教授)
5.認知症予防にはどんな食事がいいのか?鍵はビタミンDの充足
2026年10月15日配信予定
6.フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
2026年10月16日配信予定
認知症の症状は、記憶力低下や判断ミスといった「症状そのもの(中核症状)」と、不安や妄想などの「行動・心の変化(周辺症状)」に分けられる。加齢による単純な物忘れとは異なり、体験した出来事全体を忘れて日常に支障が出る点が特徴である。現在では、認知症の手前である「軽度認知障害(MCI)」段階での早期発見や、進行を抑える新薬(抗アミロイドβ抗体薬)の登場が注目されている。共生社会の実現に向けた国の取り組みも含め、認知症の原因、早期発見のポイントから最新の治療法まで分かりやすく解説する。(全6話中第4話)
時間:13分48秒
収録日:2026年5月7日
追加日:2026年10月9日
収録日:2026年5月7日
追加日:2026年10月9日
≪全文≫
●認知症症状――中核症状と周辺症状に大別される
ここから少し認知症についても掘り下げていきたいと思います。
先ほど少し触れましたけれど、認知症は最近すごく話題になることが多いということですが、実はその症状としては主に「中核症状」といわれる認知機能障害です。それともう一つは、介護者を少し悩ませたりするようなこと、いわゆる「周辺症状」ということで行動心理症状、英語では「BPSD」といいまして「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の略です。この二つの症状に大別されるということが知られています。
左側の中核症状は、失語、失行、失認、実行機能障害ということで、いわゆる物忘れと記憶力の低下、記憶障害に近いような症状です。一方で右側(の周辺症状)は、先ほど申し上げた介護負担につながる不安、抑うつ、徘徊、不眠、妄想ということで、ここは切り分けて考えるところもあります。
失語、失行、失認、実行機能障害というところですが、ここ(スライドの下段)にありますように、失語は、名前が出てこない、「あれ」「それ」などのあいまいな表現になるとか、失行は、手足を動かすのに、どうするのか、どうすればいいのか分からないとか、失認は、「認を失っている」わけですけれど、目では見えているのに、それが何か分からないとか、実行機能障害は、物事の手順が分からないというようなことです。
ちょうど目の前にペットボトルに入ったお茶があるとした場合、ということを例にしますと、認識できているのにお茶という名前が出てこない。これが失語であり、指先は自由に動くけれど、蓋を開けることができないというのは失行であり、目ではお茶だと見えているけれど、お茶だということが分からないということで、それは失認です。
それから、実行機能障害としては、自動販売機でお茶を買う際、お金を入れた後にボタンを押していないのに取り出し口を探してしまうということで、その手順を少し誤ってしまう、その理解を失ってしまうようなことが中核症状として散見されることも少なくないというところです。
今、申し上げました認知症の中核症状にありますような記憶障害として、主に見当識障害、判断力の低下があります。主には時間、場所、人の順番で分からなく...
●認知症症状――中核症状と周辺症状に大別される
ここから少し認知症についても掘り下げていきたいと思います。
先ほど少し触れましたけれど、認知症は最近すごく話題になることが多いということですが、実はその症状としては主に「中核症状」といわれる認知機能障害です。それともう一つは、介護者を少し悩ませたりするようなこと、いわゆる「周辺症状」ということで行動心理症状、英語では「BPSD」といいまして「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の略です。この二つの症状に大別されるということが知られています。
左側の中核症状は、失語、失行、失認、実行機能障害ということで、いわゆる物忘れと記憶力の低下、記憶障害に近いような症状です。一方で右側(の周辺症状)は、先ほど申し上げた介護負担につながる不安、抑うつ、徘徊、不眠、妄想ということで、ここは切り分けて考えるところもあります。
失語、失行、失認、実行機能障害というところですが、ここ(スライドの下段)にありますように、失語は、名前が出てこない、「あれ」「それ」などのあいまいな表現になるとか、失行は、手足を動かすのに、どうするのか、どうすればいいのか分からないとか、失認は、「認を失っている」わけですけれど、目では見えているのに、それが何か分からないとか、実行機能障害は、物事の手順が分からないというようなことです。
ちょうど目の前にペットボトルに入ったお茶があるとした場合、ということを例にしますと、認識できているのにお茶という名前が出てこない。これが失語であり、指先は自由に動くけれど、蓋を開けることができないというのは失行であり、目ではお茶だと見えているけれど、お茶だということが分からないということで、それは失認です。
それから、実行機能障害としては、自動販売機でお茶を買う際、お金を入れた後にボタンを押していないのに取り出し口を探してしまうということで、その手順を少し誤ってしまう、その理解を失ってしまうようなことが中核症状として散見されることも少なくないというところです。
今、申し上げました認知症の中核症状にありますような記憶障害として、主に見当識障害、判断力の低下があります。主には時間、場所、人の順番で分からなく...
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