ケネディ演説の起源
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
あのケネディの名演説のルーツは高校時代にあった!
ケネディ演説の起源
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
あの名演説には元ネタがあった!? 歴史に残るケネディ大統領の就任演説のルーツは、高校時代のある体験にあったのだという。政治学者で慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授・曽根泰教氏が、米英教育事情を絡めて語る。
時間:9分15秒
収録日:2015年12月3日
追加日:2015年12月28日
≪全文≫

●あの名演説には、元ネタがあった!


 1961年1月20日のジョン・F・ケネディ大統領の就任演説は大変有名で、今でもケネディの演説を覚えている人、繰り返す人がいます。「わがアメリカ国民諸君、国家が諸君のために何を成し得るかを問わず、諸君が国家のために何を成し得るかを問いたまえ」――国家が国民である諸君のために何を成すのかではなく、国民である諸君が国家のために何をできるかを聞いたという有名な演説です。

 この演説は大変有名ですが、実は「元」があるという話をします。これは以前から言われてきたことです。ケネディが通ったチョート・スクール(現・チョート・ローズマリー・ホール)というプレップスクールがあります。プレップスクールというのは、アメリカのエリート層が行く全寮制の教育機関で、日本でいう中学・高校に相当します。このプレップスクールで、校長のジョージ・ジョンという人が、ケネディが在籍していた頃にこの話をしたというのです。

 どういうことかというと、「チョートが君たちに何をするかではなくて、君たちがチョートに何ができるかを問いなさい」という話をしたわけです。このことの裏づけとなる資料を歴史家がいろいろと調べました。ノートや、当時の校長先生の説教がどう記録されているかなどを調べて、「そういう話をした」ということがほぼ確認されています。さらに元をたどれば、その校長先生がハーバード大学にいた時に、「若者諸君、自分の母校に求めるのではなく、自分が母校に対して何ができるかを問いたまえ」というようなことを言っていたという記録も残っています。


●ケネディを育てたプレップスクール


 アメリカやイギリスの指導層でも、われわれはだいたい大学からの経歴を調べます。ところが、大学入学前にプレップスクールという経験をしているのです。プレップスクールは、辞書を引くと「予備校」などと書いてあることもありますが、全く予備校などではありません。イギリスのパブリックスクール(私立中等学校)同様、全寮制で寄宿舎に入り、スポーツも学問もします。学問も広範で、古典も学ぶし、科学も学びます。アメリカのニューイングランド(米国北東部、メーン・ニューハンプシャー・バーモント・マサチューセッツ・ロードアイランド・コネティカットの6州からなる地方)に、そういう全寮制のプレップスクールが多く存在します。「プ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
ハーディングとトランプ~100年前の米大統領選を読む(1)米国第一主義の台頭
1920年のアメリカファースト…ハーディング大統領の勝利
東秀敏
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(3)孤食リスクと加齢に伴うホルモン変化
「孤食」が危ない…独身男性の一人の食事はうつのリスク2倍以上に
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
心と感情の進化(1)そもそも「心と感情」とは何なのか
「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題
長谷川眞理子
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉