社会的インパクト投資~社会課題を解決する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
財務的な継続可能性と社会的なインパクトの両立を目指す
社会的インパクト投資~社会課題を解決する(1)社会課題の解決を追求する投資
工藤七子(一般財団法人 社会変革推進財団(SIIF)常務理事)
「社会的インパクト投資」をご存じだろうか。イギリス、アメリカなどでいま盛んに行われている新たな形の投資である。一体どのようなものなのか。日本ではどの程度進んでいるのか。日本財団社会的投資推進室室長・工藤七子氏が語る。(前編)
時間:10分09秒
収録日:2016年3月18日
追加日:2016年5月2日
≪全文≫

●財務的継続可能性と社会的インパクトを両立させる


 日本財団社会的投資推進室の工藤と申します。今日は、私が取り組んでいる社会的インパクト投資をご紹介したいと思います。まず、社会的インパクト投資とは一体何かというのが、日本ではまだあまり知られていないと思うのですが、簡単に言えば、教育や福祉などの社会課題の解決を主眼に置いた投資行動を指します。

 通常、投資とは、経済的なリターン、利益を追求していくものですが、社会的インパクト投資は、経済的なリターンと同時に、社会的な課題の解決、社会的インパクトを追求する投資行動だとご理解いただければと思います。

 この資料では、横軸に財務的継続可能性、縦軸に社会的インパクトをとっていますが、一般的な投融資は、財務的な持続可能性は非常に高いけれど、社会的なインパクトを目的としているわけではありませんから、この象限に置かれます。一方で、寄付、慈善事業、税金の支出など、世の中の大きな流れとして投資の他にもう一つある「チャリティーの世界」は、社会的なインパクトは非常に高いけれど、財務的継続可能性は一般的には低いケースが多いと思います。

 この二つを両立させようとしている、要するに社会的インパクトが高く、財務的にも継続可能な領域を開発していこうとしているのが、社会的インパクト投資なのです。


●社会的企業に投資するのが、社会的インパクト投資


 丸く書いてあるのが、担い手、もしくは投資先です。一般的な投融資ならビジネスを行っている一般企業、寄付や慈善事業ならNPOやチャリティーに当たるものとして、社会的インパクト投資のマーケットには「社会的企業」と言われる存在があります。社会課題の解決を本業としながら、ビジネスとして持続可能なタイプの事業者です。こうした社会的企業がいま徐々に育ってきているのです。そうした社会的企業に投資するのが、社会的インパクト投資です。

 社会的インパクト投資は、次のスライド「社会的投資スペクトラム」にあるとおり、非常に多様な取り組みとして発展しています。一番左に、お金の返ってこないタイプの支出、つまり寄付やチャリティーを置き、一番右に通常のビジネス投資を置くと、これほど多様なグラデーションがあるのです。通常の投融資とチャリティーの間にあるブルーの部分、社会的インパクトを優先しながら、経済的な持続可能性...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(4)門田隆将先生「Fukushima50」の真実
【10分解説】福島第一原発事故…吉田昌郎氏と現場の底力
テンミニッツ・アカデミー編集部
ドンロー・ドクトリンの台頭(2)モンロー・ドクトリンの系譜
モンロー・ドクトリン進化の歴史…始まりは「ただ乗り」!?
東秀敏
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
大谷翔平の育て方・育ち方(1)花巻東高校までの歩み
大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは
桑原晃弥
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
プロジェクトマネジメントの基本(9)リーダーシップとモチベーション
マズローの欲求階層説を発展させたアルダーファの理論とは
大塚有希子
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(9)秀吉が作った公武統一政権と歴史のif
公武統一政権を作った秀吉の狙いとその歴史的意味
黒田基樹
インフレの行方…歴史から将来を予測する(6)高市政権誕生の影響
ポイントは財政悪化よりインフレ?…高市政権でどうなるか
養田功一郎