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「投資と投機は違う」、バフェットの投資原則とは

ウォーレン・バフェットの成功哲学(4)バフェットの投資原則〈上〉

桑原晃弥
経済・経営ジャーナリスト
情報・テキスト
ウォーレン・バフェットは、さまざまな経験によって得られた知見から、投資における原則を編み出している。目先の利益に左右されずに、長期的な視点を持つことや、素晴らしいと思えるビジネスに投資することなど、そこにはお金儲けを前提とした投資とは異なる、投資における彼ならではの哲学がある。今回から2話に分けて彼の投資原則について解説する。(全7話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10:53
収録日:2021/09/15
追加日:2021/12/07
ジャンル:
≪全文≫

●投資原則その1:株券ではなくビジネスを買う


―― バフェットの投資原則について、いよいよお聞きしていきたいと思います。まず1番目にはどういうことがありますか。

桑原 まずバフェットの投資原則は非常にシンプルで、それが非常に特徴的です。そこにはまず恩師であるベンジャミン・グレアムから学んだ投資原則と、その後バフェットが自分で身につけた原則等がいくつか入っています。

 まず1番目は、「株券ではなくビジネスを買う」ということです。これはベンジャミン・グレアムが最も強く言っていたことです。人は株を買うときに、どうしても目先の株価をすごく気にしますが、バフェットにとって株価は関係ありません。もちろん低いほうが買いやすいですが、株価がどうなるかは、自分は全く気にしないということで、次のように言っています。

 「今日や、明日、来月に株価が上がろうが下がろうが、私にはどうでもいいのです」、「10年、50年たっても欲しいと、みんなが思うものをつくっているかどうか。これが私の投資判断の基準です」、「農場を買おうとするときに、毎日その値段ばかり見る人はいません。買値に対してどれぐらいの生産高が見込めるかというところを見るでしょう。株式投資もそれと同じです」、そして「何万という会社の株価を目にします。そのうちの99.9パーセントには関心を払いません。注目するのは、株価ではなく事業です」と言っています。

 つまり、株を買うのは株券ではありません。その企業が企業としてどれだけの可能性を持っているのか、成長性があるのか、価値があるのかをきちんと見極めて投資をしようということです。これがバフェットの第一の投資原則になります。

―― まさに投機ではなくて投資だということですね。

桑原 そうですね。


●投資原則その2:所有期間は永久でもいい


―― では2番目です。「所有期間は永久でもいい」ということです。

桑原 はい。結局、今はこれだけネットが発達したこともあって、株を分単位、秒単位で売買することがいくらでもできるし、それによって利益を得るのがいわゆる株式投資の常識になっていますが、バフェットの場合は基本的には売りません。できるなら長く、できれば永久に持っていたいのです。というか、永久に持つ気がないのだったら、そんな株は買わないほうが良いというのがバフェットの考え方です。それを以下のように言っています。

 「喜んで10年間、株を持ちつづける気持ちがないのなら、たった10分間でも株を持とうなどと考えるべきですらないのです」、「株式投資は永久保有を前提に考えたいと思います。私たちは企業を買うのが好きです。売るのは好きじゃありません。傘下におさめた企業との関係が一生続くことを希望しています」、「株式を購入した翌日に市場が閉鎖され、その後5年間、取引が行われない事態になっても、私はいっこうにかまいません」

 先ほどのコカ・コーラもそうですが、バフェットはずっと長くビジネスとして成立する会社を見つけます。それは別にコカ・コーラのような大企業である必要はなく、もっと地味な、小さな会社もたくさん持っています。つまり、そういった長く企業として存続して、価値を生んでくれる企業を持つことが大事なのです。そして株価には拘泥せず、いちいち売買などしないのがバフェットの投資原則の2番目になります。

―― 非常に徹底していますね。

●投資原則その3:安全域を確保する


―― 次は3番目で、「安全域を確保する」ということです。

桑原 これもやはりグレアムが非常に重視していたことで、バフェットもとても大事にしています。結局、株価はあくまでも価格です。それは価格に対して、企業が作っているものや、工場などの資産、またブランド力などの価値もあります。そういう価格と価値が常に乖離しているのが株式市場であるというのがバフェットの考え方です。

 人気企業は一時的に株価がドンと上がることがあります。しかし、その会社に本当にそれだけの価値があるのかをしっかりと見極めないとダメだというのがバフェットの考え方で、それが安全域なのです。安全域は大きければ大きいほどいいのです。

 まず1つ目に、「価値が8300万ドルの事業を8000万ドルで買おうとしてはいけません。大きな余裕を見ることが肝要なのです」と言っています。これがまさに最初にご紹介したワシントン・ポストのケースで、当時ワシントン・ポストの株価の時価総額は8000万ドルぐらいまで落ちていました。しかし、バフェットはワシントン・ポストの価格を算定して、だいたいその5倍ぐらいあるのではないかと考えました。それほどの差があれば、...
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