日本の医療を考える~その特徴と課題
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少子高齢化社会で医療費を削減する具体的な方法とは?
日本の医療を考える~その特徴と課題(5)今後の課題
今村聡(元公益社団法人日本医師会 副会長/一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議 会長)
公益社団法人日本医師会副会長・今村聡氏が日本医療の今後の課題と解決策について語る。世界最高水準を誇る日本の医療制度も、少子高齢化、医療技術の進歩などで膨れ上がる医療費、社会保障費の前に疲弊しきっているのが現状だ。この現状を改善するために行われている数々の対策から、日本の医療の将来を考える。(全6話中第5話)
時間:11分45秒
収録日:2016年8月18日
追加日:2016年10月23日
≪全文≫

●トップクラスの長寿国を可能にした日本の医療水準


 今回は、日本の医療における今後の課題についてお話ししたいと思います。

 まず、日本の医療水準は第3話でお話した通り、世界1位の評価を受けています。そうした質の高い医療を、公的医療保険制度により全ての国民が享受することができます。その結果、平均寿命においては男性80.21歳、女性86.61歳、健康寿命においては男性71.19歳、女性74.21歳となっており、日本は世界トップクラスの長寿国になっています。


●少子・高齢化に伴う課題


 しかし、将来も今までと同様に日本の素晴らしい医療、医療制度が継続できるでしょうか? わが国が抱える今後の課題を整理したいと思います。

 まず、少子・高齢化の進展や医療技術の進歩があります。高齢化は、医療や介護を必要とする人やその必要量が増えること、年金の支払額が増えること、医療技術が進歩すると高額な薬剤や医療機器が出てくること、などを引き起こします。これらはいずれも医療費・介護費などの社会保障費を増加させる要因となります。

 一方、少子化は、労働者が減り医療保険料や年金保険料を支払う人が減ることになります。つまり必要な財源は増えるのに、その財源を支払う人は減少する社会になるということです。世界最高の医療制度を今後も維持できるかどうか、非常に難しい局面にわれわれは立たされており、真剣に考えていかなければならない状況になっています。

 具体的にみていきましょう。まず、少子・高齢化の進展についてです。2015年時点での人口は約1億2,600万人ですが、2060年には約8,674万人になると推計されています。また、人口の年齢階級別の内訳をみると、65歳以上人口の割合は、2015年は26.8パーセントだったものが、2060年には39.9パーセントになります。なんと人口の約4割が65歳以上となってしまうわけです。15歳から64歳の生産年齢人口は、4418万人で約50パーセントですから、この50パーセントで人口の4割を占める65歳以上を支えていかなければならないことになります。


●医療技術の進歩が生み出す新たな課題


 次に、医療技術の進歩があります。最近では、医療の進歩に伴い、画期的な新薬が医療保険で使用できるようになっていますが、いずれも非常に高額な薬剤であるために医療費の増加が危惧されています。例えば、肝炎治療薬としてハーボニーという治療薬が開...

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