日本の医療を考える~その特徴と課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
就労ストレス50%以上!健康経営のため企業がすべきこと
日本の医療を考える~その特徴と課題(6)「健康経営」で人と企業を守る
今村聡(元公益社団法人日本医師会 副会長/一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議 会長)
公益社団法人日本医師会副会長・今村聡氏が最近注目されている「健康経営」について解説。労働人口の減少という現実の中、日本の労働者は心身ともに不安や悩みを抱えながら働いており、そのことが企業の経営にも深刻な影響を及ぼしているという。この問題を解決するため、「健康経営」を根付かせていく必要がある。(全6話中第6話)
時間:8分56秒
収録日:2016年8月18日
追加日:2016年10月30日
≪全文≫

●「健康経営」という考え方と背景


 今回は、「健康経営」のお話をしたいと思います。

 最近、「健康への投資」、「健康経営」といった新しい用語が目につきます。従来、企業の従業員の健康や医療に関わる企業の支出は費用と考えられてきました。しかし、最近、これらの支出は「費用」ではなく、企業にとって「成長への投資」という考えに変わりつつあります。

 このような考えが出てきた背景の象徴的事例として、世界的な自動車会社であるアメリカのGMの経営破綻があります。破綻の原因の一つとして、従業員の医療費負担の重さが取り沙汰されました。アメリカの医療費や医療保険料が高いのは周知の事実ですが、その費用が車の製造コストに反映され、価格における国際競争力を低下させたというわけです。そのようなことも一つの契機となって、企業経営と医療・健康問題の間には重要な関連があることが認識されてきました。


●従業員の健康は企業経営に直結する


 日本においては、高齢化や労働力人口の減少のスピードが、世界の中でも飛び抜けて速くなっています。さらに、あらゆる業種において人材不足が続いている深刻な状況になっています。そうした中で、従業員の平均年齢が少しずつ上昇しています。一般的に、年齢が高くなるにつれて病気にかかりやすくなる、つまりその危険が高くなるということです。そのため、従業員の健康を守ることは、結局企業を守ることにつながります。

 ここで、労働者の健康問題の現状を見てみましょう。まず、労働者の義務として受けなければならない企業の健康診断における異常値の推移を見てみます。血中脂質、肝機能検査、血圧、血糖など、どの項目も異常値の増加傾向にあります。中でも血中脂質は特に増加しています。

 また、就労の継続を脅かす疾病として、がんの死亡者数は年々増加傾向にあります。また糖尿病による死亡者数は1万3千人に上っています。これらの疾病の特徴として、薬の副作用や痛み等の体調不良や合併症に起因する生活の質の低下、疾病への不安や治療と就労の両立の難しさなどが挙げられます。

 次に就労におけるストレス等の状況を見てみたいと思います。厚生労働省の調査によると、強い不安や悩み、ストレスがある労働者は50~60パーセントにも及んでいます。またストレスがある人の中で65パーセントが仕事の質や量の問題に、36パーセントが仕事...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
睡眠:体、脳、こころの接点(1)睡眠とは?
なぜ睡眠は生きるために必要?脳にある覚醒中枢と睡眠中枢
尾崎紀夫
生活習慣病予防に~健診結果の正しい読み方(1)データから生活習慣を考える
内臓脂肪がなぜ増えた?データから考えるリスクファクター
野口緑
アンチエイジングのための「5:2ダイエット」
「5:2ダイエット」活性酸素を減らしてアンチエイジング
堀江重郎
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(24)「皇室典範改正」を考える
【10minで考える】「皇室典範改正」社会の空気をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
中国春秋戦国時代と始皇帝(6)秦の恵文王、昭王、荘襄王の時代
秦による中国統一への道…恵文王、昭王、荘襄王が行なったこと
鶴間和幸
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(1)ルーズベルトに与ふる書
奇跡の史実…硫黄島の戦いと「ルーズベルトに与ふる書」
門田隆将
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(2)在留邦人の生命財産を保護する決断
武装解除の「厳命」を守るか、戦って在留邦人の「生命」を守るか
門田隆将
老子の神髄(8)『老子道徳経』「辯德第三十三」
「死して亡びざる者は壽なり」…主体的に生きなければ自由はない
田口佳史
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
天皇のあり方と近代日本(4)三島由紀夫VS東大全共闘
「人間天皇」を否定した三島由紀夫の思想が問うものとは
片山杜秀
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(2)『太平記』の複雑な成立過程
後醍醐天皇の鎮魂物語だった『太平記』改訂の秘密
兵藤裕己