日本の医療を考える~その特徴と課題
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
かかりつけ医の「ゆるやかなゲートオープナー機能」に注目
日本の医療を考える~その特徴と課題(4)「かかりつけ医」の2つの役割
今村聡(元公益社団法人日本医師会 副会長/一般社団法人 健康・省エネ住宅を推進する国民会議 会長)
公益社団法人日本医師会副会長・今村聡氏が「かかりつけ医」を持つことの重要性について語る。「かかりつけ医を持つ」とは、自分の体調、体質をよく知っている医師による良質の医療体制を手にする、ということだけでなく、もっと大きな視野に立ったメリットがある。かかりつけ医による働きは「ゆるやかなゲートオープナー機能」と呼ばれるのだが、はたしてこの機能とは?(全6話中第4話)
時間:9分19秒
収録日:2016年8月18日
追加日:2016年10月16日
≪全文≫

●「かかりつけ医」の2つの大事な役割


 今回は、「かかりつけ医」の重要性についてお話ししたいと思います。

 そもそも「かかりつけ医」とは何でしょうか。日本医師会では、「かかりつけ医とは、なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知していて必要なときに専門医、専門医療機関を紹介できる。そして、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」と定義しています。

 かかりつけ医は、診療所や病院といった就業形態や内科、外科といった診療科を問わず、2つの大事な役割を持つ必要があると、私は考えております。2つとは「医療的機能」と「社会的機能」です。

 まず「医療的機能」ですが、医師が自らの専門的医療を行うことは当然ですが、ここでいう医療的機能とは、患者の生活背景も把握し、医療の継続性を重視した適切な診療を行い、自分の専門を超える様々な広い分野においても、その地域における連携を駆使して適切な医療機関へ紹介を行い、患者にとって最良の解決策を提供することです。また、自らの役割を医師側の都合で規定せず、患者の持ち掛ける保健、医療、福祉の諸問題に、なんでも相談に乗ることができる医師として全人的視点から対応することが必要です。

 「社会的機能」とは、日常行う診療の他に、健康診断・がん検診、予防接種、乳児健診、学校医、産業医などとして地域における医療を取り巻く社会的活動、行政的活動に積極的に参加するとともに保健・介護・福祉関係者との連携を行うことです。また、地域の高齢者が少しでも長く地域で生活できるよう在宅医療に理解を示すことも必要です。

 この「医療的機能」と「社会的機能」の二つが備わって、初めてかかりつけ医といえます。


●患者との信頼関係から生まれる「かかりつけ医」のメリット


 まずは、かかりつけ医を持つこと、そして何かの際にはかかりつけ医を受診することで、患者さんにとってふさわしい医療を受けられるようになると考えています。かかりつけ医は、その患者さんが過去にどういった病気にかかっているかという既往歴や、体質、よくかかる病気、性格なども分かっていることで、信頼関係が患者さんと構築されています。そのことで、意志の疎通が図りやすく、適切な治療をしてもらえます。また、健康管理の相談やアドバイスを受けられ、必要に応じて病院や専門医を紹介してもらう事もで...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
50代からの親の介護~その課題と準備(1)突然やってくる介護の問題
「親の介護」の問題…優しさだけでは続かない
太田差惠子
うつ病治療最前線(1)うつ病の身体症状と治療の実際
隠れたうつ病を確定診断するポイントとは
渡部芳德
睡眠:体、脳、こころの接点(1)睡眠とは?
なぜ睡眠は生きるために必要?脳にある覚醒中枢と睡眠中枢
尾崎紀夫
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
驚異の味噌パワー
味噌で免疫力向上、がん抑制、放射能除去…発酵食品の効果
小泉武夫
目の健康と医療・最前線(1)ブルーライトは目に悪いのか
ブルーライトは本当に目に悪い?…どの程度影響するのか
大鹿哲郎

人気の講義ランキングTOP10
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(6)漢字と理性と想像力
漢字と理性と想像力…いま日本人が考えるべきこととは?
橋爪大三郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(16)エルのミュートス(物語)
エルの物語…臨死体験から考える「どういう人生を選ぶか」
納富信留
『タテ社会の人間関係』と文明論(7)日本型組織とリーダーシップの問題
『失敗の本質』より先に指摘した日本型組織の弱点
與那覇潤
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫