目の健康と医療・最前線
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
老眼鏡は複数用意すべき!パソコンで目が疲れる原因
目の健康と医療・最前線(5)VDT症候群とその対策
大鹿哲郎(筑波大学眼科教授)
パソコンやスマートフォンの影響などで身近になった「疲れ目」だが、実はこれはVDT症候群によるものだという。同じ画面を見続ければ、目の筋肉は固まるし、乾いて傷つきやすくなる。筑波大学眼科教授・大鹿哲郎氏は、ちょっとした工夫や環境整備で、このVDT症候群は緩和され、健康的な生活が送れるという。その方法とは。(全5話中第5話)
時間:8分04秒
収録日:2017年2月25日
追加日:2017年4月2日
≪全文≫

●コンピュータを使うと目が疲れるのは、なぜ?


 コンピュータビジョン症候群という言葉があります。これは欧米で使われている言葉で、日本ではVDT(visual Display Terminal)症候群という言い方もします。これは、パソコンなどの画面を長時間見て作業することで、いろいろな健康障害が引き起こされることを示す言葉です。長時間の作業で慢性的な頭痛や肩凝りも起こりますが、主として目の症状を指しています。

 コンピュータは、(基本的に)画面上の文字を見ているのですが、そこにずっと目を合わせてしまうと、それは固定距離なので、目の中にある毛様体の筋肉が固定されてしまいます。そうすると、目の調節力が落ちて疲れやすくなります。

 また最近では、画面の解像度も確かに向上していますが、それでもあれはドットの塊です。シャープさは、どうしても紙に印刷したものより落ちますし、チラチラもします。そうしたものを見ると、人間の目はピントを合わせようとして、焦点を前後に動かしてしまいます。つまり、コンピュータの画面よりも手前や奥にピントを合わせようと、無自覚の内にそうした努力をしてしまうということです。そうして目の疲れが蓄積するといわれています。

 またコンピュータに限りませんが、人間はゲーム機やスマホの画面を見て集中すると、まばたきの回数が非常に減ってきます。正常な場合、人間はだいたい1分間に17~20回くらい、無意識にまばたきをします。しかし、じーっとコンピュータの画面を見ると、その回数が半分くらいに減ってしまうという調査があります。

 そうすると、どうしても目が乾きます。知らない内に目が乾いているのです。目が乾くと、不快感だけでなく、目の表面を平滑にしている涙が不足し、目がデコボコします。そうすると視力が落ちてきますし、それによって疲れが蓄積されることになります。


●目に優しい作業環境を整えるには


 さらにコンピュータの画面の特徴として、紙と違い、画面自体がピカピカ光ることが挙げられます。そのため、窓から来た太陽光や蛍光灯、LEDといった、画面外からの光が反射します。これがいわゆる映り込みで、画面が非常に見づらくなる原因です。

 普段はあまり気にされていないと思いますが、画面の位置と照明の位置を考えて、光の反射が目に来ないようにすれば、目が非常に楽になることはあります。位置関係でいうと、画...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
水島昇
「男性更年期」とは何か
うつやほてり…男性ホルモン・テストステロン減少のせい?
堀江重郎
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
老いない骨のつくり方(1)高齢化と骨の病気
健康寿命に大きく影響する骨粗鬆症・歯周病・変形性関節症
鄭雄一
ウイルスの話~その本質と特性(1)生物なのか、そうではないのか
きわめて特異的な「ウイルスと宿主の関係」
長谷川眞理子
アンチエイジングのための「5:2ダイエット」
「5:2ダイエット」活性酸素を減らしてアンチエイジング
堀江重郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(4)信長の直臣、秀吉の与力としての秀長
最初は信長の直臣として活躍――武闘派・秀長の前半生は?
黒田基樹
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(3)DSA化した民主党と今後の展望
DSAの民主党乗っ取り工作…世代交代で大躍進の可能性
東秀敏
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
経験学習を促すリーダーシップ(4)成功を振り返り、強みを伸ばす
なぜ強みが大事なのか?ドラッカー、西田幾多郎の答えは
松尾睦
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(5)シフトワークと健康問題
発がんリスク、心身の不調…シフトワークの悪影響に迫る
西多昌規