目の健康と医療・最前線
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「プールの後に目を洗う」ことはやってはいけない
目の健康と医療・最前線(3)目に関する常識の今と昔
大鹿哲郎(筑波大学眼科教授)
一昔前の学校では、プールに入った後に目を洗うよう指導していた。ところが、筑波大学眼科教授・大鹿哲郎氏によれば、これは目に必要な涙も洗い流してしまうため、医学的にはお勧めできない「非常識」となっている。子どもの頃の常識が、もはや通用しなくなっている現状を、大鹿氏が分かりやすく解説する。(全5話中第3話)
時間:7分47秒
収録日:2017年2月25日
追加日:2017年3月19日
≪全文≫

●「プールの後は目を洗う」のは良くない


 目に関する常識は、私たちが子どもだった頃とは変わってきています。学校での指導でも若干変わっていますので、その点についてお話しします。

 昔は、学校でプールの授業があったら、必ず「水道の水で目を洗いなさい」と言われました。あれは結構難しくて嫌だったのですが、そう言われたので、皆頑張り目を見開いて洗っていました。しかし最近では、それが目に良くないということが分かり、日本眼科医会でも通達を出しました。そのためここ数年、学校でもそうした指導は減っていると思います。よって、あれはお勧めできません。

 もともとあの方法は、結膜炎など目の感染症が多かった頃に、それに関連する菌を洗い流そうということで行われていたものです。しかし、実はその効果以上に、涙の成分を流してしまうという悪影響があることが分かりました。

 涙にはいろいろな成分が入っています。水だけではなく、油を含めて三層構造になっており、それで目を守っています。細菌を洗い流すだけでなく、殺菌する力もあります。これを水道で流してしまうと、目は丸裸になって、すぐに傷がついてしまう状態となるので、非常に良くないのです。

 よって、最近の常識は「水泳の時はゴーグルをしなさい」というものです。プールの水が汚れていたり、(消毒のために)塩素が入っていたりするので、ゴーグルをして、目に直接プールの水が入らないようにするということです。また、もし目を洗う必要があるなら、人工涙液、できれば防腐剤の入っていない人工の涙を使うことです。これは薬局でも売られていますので、それを使って目を洗うことが推奨されています。だいたい人間は、涙があれば、それで異物を洗い流すことができますので、涙そのものは洗い流さず、そのままあった方が良いということです。


●校庭に引く白いラインは、とても危険なものだった


 また何十年間前、私たちが子どもの頃と違っているのは、校庭に引くラインです。あの白いライン引きに使われているのは、消石灰、すなわち水酸化カルシウムです。あれが非常に危険だということが分かりました。

 消石灰は、水に溶けると非常に強いアルカリ性になります。アルカリ性の物が目に入ると、化学熱傷といって、化学的な火傷をします。ひどい場合には失明に至ります。目の組織が溶けてしまうからです。

 例え...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
最新の腰痛医療(1)導入された二つの医療と慢性腰痛
高齢者だけじゃない! 若年層にも腰痛が増えている
菊地臣一
驚異の味噌パワー
味噌で免疫力向上、がん抑制、放射能除去…発酵食品の効果
小泉武夫
うつ病治療最前線(1)うつ病の身体症状と治療の実際
隠れたうつ病を確定診断するポイントとは
渡部芳德
腸内細菌の可能性とマイクロバイオームのダイバーシティ
注目は納豆!腸内細菌が生成する若返り物質「ポリアミン」
堀江重郎
「人生100年時代」の抗加齢医学と前立腺ガンの予防
前立腺ガンの進行を止めるための三次予防
堀江重郎
テロメアから考える「アンチエイジング」(1)老化とテロメアの関係
テロメアの長さが「がんリスク」と「老化」のカギを握る
堀江重郎

人気の講義ランキングTOP10
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(5)ユークリッドとアルキメデス
頭はみんなで共有できる…情報を頭の中に入れないと発見できない
橋爪大三郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(8)アンコンシャスバイアス:前編
バイアスの罠…8割直観と思考の「エコ運転」の自覚が大事
青島未佳
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(1)精神分析の概念とその起源
なぜ心の病にかかるのか?ラカンの精神分析とその起源
斎藤環
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎