「日中」をめぐる保守の内部対立
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
胡徳平氏が安倍首相に面会、高村正彦氏らが相次ぎ訪中
「日中」をめぐる保守の内部対立(3)今に至る二つの系譜と関係改善への期待
若宮啓文(元朝日新聞主筆)
 日中関係は最近になって進展どころか大きな危機を迎えた。その裏には国交正常化以来の自民党内の勢力地図の変化が絡んでいる。その大きな原因となった尖閣問題の経緯を解説しつつ、昨今みられる日中関係改善の兆しについて語る。(シリーズ3話中第3話)
時間:19分29秒
収録日:2014年4月28日
追加日:2014年5月15日
カテゴリー:
≪全文≫

●田中、竹下派から宏池会へ-日中友好の系譜


 前回、日中国交正常化をめぐって、田中角栄総理大臣と、その前に総裁選で敗れた福田赳夫さんを支持するグループとの確執もあって、自民党の中が二分されるような状況になったというお話をしたと思います。

 それ以降、田中派の系統というのはその後竹下派に引き継がれ、総理大臣としては竹下登さんをはじめ、橋本龍太郎さんや小渕恵三さんが輩出されました。途中の細川護熙さんというのは自民党を飛び出た人ですけれども、この方ももとをただすと田中派だったのです。

 そういう流れがあり、そして、総理大臣ではありませんけれども、例えばこの方はもう現役ではありませんが、野中広務さんであるとか、今でも現役の方としては二階俊博さん、この人は今も日中友好の中心人物の一人ですけれども、こういう方が田中、竹下派の系譜でいるということです。

 一方で、田中さんと一緒に当時外務大臣として中国に行った大平正芳さんが後に首相となりますが、この系譜も日中を大事にします。この系譜には総理大臣としては宮澤喜一さんがおられましたし、その後、自民党総裁、衆議院議長にもなった河野洋平さん、あるいは日中関係で大きな役割をいまだに果たしている加藤紘一さん、これらの方々は引退しましたけれども、日中を大事にする系譜でいるわけです。

 今はこの派閥は宏池会と言いますが、岸田文雄外務大臣や、農水大臣の林芳正さん、そういう方が派閥の系統としては引き継いでいるということになります。


●様変わりした自民党内の派閥力学-優勢を誇る岸、福田派の流れ


 一方で、福田さん本人というよりも、当時、福田さんを支持した人たちの中には、強烈に日中国交正常化に反対した人が多かったわけです。この派閥はもともと岸信介さんの流れですが、この流れとしては、その後総理大臣になった森喜朗さん、小泉純一郎さん、それから安倍晋三さん、今回二度目ですが、小泉さんのあと安倍さんが一度目の総理をやり、福田康夫さんも1年やっています。こういう系統になります。

 この中で、森さんは割と全方位的で、中国から見てそれほど印象が悪い人ではないと思います。また、福田康夫さんは、日中関係では非常に貢献したということで、今も中国からは大変高く評価されています。しかし、5年半と長く続いた小泉さんは、靖国参拝をずっとやり続けたというこ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
墨子に学ぶ「防衛」の神髄(1)非攻と兼愛
『墨子』に記された「優れた国家防衛のためのヒント」
田口佳史
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
これから必要な人材と人材教育とは?(3)無謬性とジョブローテーション
もうゼネラリストを育てる人事制度では時代に対応できない
柳川範之
AI時代と人間の再定義(6)道徳の起源から考えるAIと感情の問題
道徳の起源は理性か感情か?…AI時代に必要な思考の身体性
中島隆博
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
プロジェクトマネジメントの基本(9)リーダーシップとモチベーション
マズローの欲求階層説を発展させたアルダーファの理論とは
大塚有希子
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓
これからの社会・経済の構造変化(1)民主主義と意思決定スピード
フラット化…日本のヒエラルキーや無謬性の原則は遅すぎる
柳川範之
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司