国を豊かにする方法~今の行政に欠けていること~
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国を豊かにする方法~今の行政に欠けていること~
経営ビジネス
澤田秀雄(株式会社エイチ・アイ・エス 最高顧問)
 国の仕事は、税金を取ることではなく、国を豊かにすることであると語り、経済力をつけ、産業を発達させ、税金を減らすことの重要性を説く澤田秀雄氏。そのための方法論として、今の行政に欠けている問題点を指摘する。
時間:6分58秒
収録日:2014年3月31日
追加日:2014年5月22日
≪全文≫

●国の仕事は税金を取ることではなく、国を豊かにすること


---- 澤田さんのユニークなところは、政治についてもですが、民を豊かにするといい代官で、民から収奪すると悪い代官だと言うところですね。

澤田 僕はそう思います。だいたい悪代官というのは、昔の本を読むと、いっぱい税金を取るではないですか。

---- それは、今の話でいうと、所得税が上がります、相続税も上がります、消費税も上がります、そして、あらゆる控除がなくなります、ということですよね。結構、悪代官そのものになっているのかなと思いますが、いかがですか?

澤田 そうなりつつあると思います。けれども、悪代官の国が栄えた試しはあまりないですし、栄えてもじわじわと落ちてきますよね。だって国民の年貢をいっぱい取るわけですから。

---- 年貢をいっぱい取ったら悪代官ですよね。

澤田 あまり取りすぎるとそうですね。国を治めるためには、ある程度は仕方ないと思います。けれども、何でも「過ぎたるは及ばざるが如し」で、やはり取りすぎると悪代官だと思います。

---- 五公五民で限界だと思うのです。その限界を今、超え始めています。

澤田 超えると、農民だったら逃げますね。

---- 逃散するか一揆ですよね。

澤田 それか、新しいことを考えて、努力しなくなりますよね。

---- 民を味方にしたほうが、国は栄えますよね。

澤田 僕はそう思います。いかに民を豊かにするか。経済力もそうですし、文化もそうですが、それを上げていくためにお手伝いすることが国の仕事であって、税金を取ることが仕事ではありません。最低限の税金は必要だけれども、どんどん税金を上げてやっていくことは、僕は間違いだと思います。こういうことをあまり言うと嫌われるかもわかりませんけれども。

---- 松下幸之助さんが言っていた「無税国家」ですが、僕は澤田さんにその話を聞いたとき、まったく同じ中身だなと感じました。彼が一貫して言い続けていたことは、「民を豊かにしてあげれば、結果として国は栄えていく」ということでした。「民からたくさんむしり取ると、逃げてしまう、国として滅んでいく」ということです。彼の本にはいろいろなことが書いてありますが、エッセンスはそこです。表現が少し変わりタイトルも違うけれども、澤田さんの言っていることと中身は同じで、彼が言わんとしていたことはそういう...

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