逆境の克服とリーダーの胆力
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
松下幸之助が目指したのは政治の名人をつくること
逆境の克服とリーダーの胆力(8)2つのマインドの両立
神藏孝之(公益財団法人松下幸之助記念志財団 理事 /松下政経塾塾長代理/テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
松下政経塾を立ち上げた松下幸之助の原点にあったのは、国家経営を誤れば全員が不幸になるという考えだった。公益財団法人松下政経塾副理事長・イマジニア株式会社代表取締役会長兼CEOの神藏孝之氏がシリーズレクチャーの最後に、リーダーにとって重要な2つのマインドについて語る。(全8話中第8話)
時間:8分07秒
収録日:2018年1月19日
追加日:2018年7月17日
≪全文≫

●菅官房長官が最も評価していた役人は香川氏だった


 香川俊介氏の目『正義とユーモア』を制作した時、読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏が、紙面上で追悼文を書いてくれました。香川氏の特徴を非常によく描いてくれています。中でも菅義偉官房長官と香川氏のやり取りは、興味をそそります。

 菅氏が役人の中で最も評価していた人の一人は、香川氏でした。しかし、香川氏が消費増税に向けて動けば政局になってしまうから、そんなことはやめてくれと、菅氏は諭したそうです。追悼文集の中に書かれています。

 私は菅氏の原稿を読んだ時、大変驚きました。「確かに追悼文集はプライベートで発刊しますが、内容は必ずマスコミに漏れます。こんな内容を載せても構わないのでしょうか」と菅氏の秘書官に確認しましたが、それで構わないとのことでした。


●日本にも改革者がいないわけではない


 また、読売新聞の望月公一氏が記事にしてくれましたが、追悼文集では歴史学者の山内昌之先生が、香川氏のことを日露戦争の前に亡くなった川上操六と田村怡与造という、2人の代表的な参謀に例えて、彼の死を悼んでいます。川上と田村は日露戦争に心血を注いで亡くなっていったのですが、同様に香川氏も日本の大いなる改革者だったという内容です。日本にも改革者がいないわけではないと、おっしゃりたいのだと思います。

 『正義とユーモア』を作って非常に良かったと思うことがあります。現在、霞が関の中には改革官僚としてのロールモデルがいません。この追悼文集が役人たちのバイブルになれば良いなと思います。役人の中にはこんな生き方をした人がいたのだということが、この本を読めば分かります。

 人間は死ぬ前に何かに残して置かなければ、すぐに忘れ去られてしまうものです。人間の記憶は当てになりませんから。その人生を文章に残すことで、機会があればそれを読み返し、香川俊介という人間をその人の心の中でよみがえらせることができます。


●「経営マインド」と「パブリックマインド」の両立が課題


 今回お話したことをまとめましょう。松下幸之助は老人の道楽で政経塾をつくったとしばしば言われますが、老人の道楽などでは全くありませんでした。松下は真剣でした。政経塾1期生の若者を85才の人間が叱るということは、真剣でなければできません。「猫に小...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
東秀敏
徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために
「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの
田口佳史
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
人生100年時代の「ライフシフト概論」(3)キャリアの危機〈下〉
40代前半に訪れる「中年の危機」、鍵は「人生の成長戦略」
徳岡晃一郎
編集部ラジオ2025(26)ソニー流!多角化経営と人材論
ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
いま夏目漱石の前期三部作を読む(9)反知性主義の時代を生き抜くために
なぜ『門』なのか?反知性主義の時代を生き抜くヒント
與那覇潤
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生