逆境の克服とリーダーの胆力
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
リー・クアンユーは松下幸之助の考えに最も近かった
逆境の克服とリーダーの胆力(5)リー・クアンユー
神藏孝之(公益財団法人松下幸之助記念志財団 理事 /松下政経塾塾長代理/テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
松下幸之助の政治ビジョンは、突き詰めれば「無税国家」「新国土創生論」「政治の生産性の向上」の3つである。公益財団法人松下政経塾副理事長・イマジニア株式会社代表取締役会長兼CEOの神藏孝之氏によれば、これらをリー・クアンユーは実践してみせたという。マレーシアから追放され、苦難を経験した彼は、いかにしてシンガポールを発展させたのか。(全8話中第5話)
時間:8分25秒
収録日:2018年1月19日
追加日:2018年6月26日
≪全文≫

●どうすれば政治家も商売が分かるようになるのか


 松下幸之助の政治ビジョンは、煎じ詰めれば、「無税国家」と「新国土創生論」と「政治の生産性の向上」の3つですが、これを理解するには、逆に「誰がこれに近いことを実践したか」ということを見てみると分かりやすいと思います。

 「無税国家」とは、こういうことです。江戸時代、増税する代官は悪代官でした。五公五民といわれましたが、実際は運用上、四公六民ぐらいで、税金を半分も取っていなかったのです。ところが、松下幸之助が日本一の実業家になっていく過程で、国税が70パーセント、地方税が15パーセントで、調整を付けても8割以上もむしり取られるようになりました。この時に彼は、「なぜこんなに高い税金を取られ、しかもその税金が無駄なことに使われて、雲散霧消していくのか」と憤るのです。

 「新国土創生論」は、要するに、商売の分かる政治家をつくるということです。松下が1951年に再創業すると、家電ブームが来ます。大衆家電を売って日本一の、世界一の実業家になるわけです。松下幸之助は池田大作氏とすごく仲が良かったのですが、それは池田氏が大衆の心をつかんで日本一になる「創価学会」という組織をつくったからです。

 要するに、「需要を創っていく」ということだということです。どうすれば政治家も商売が分かるようになり、無から有を生む発想を持てるのか、考えていました。「政治の生産性の向上」は、説明せずともお分かりいただけるでしょう。


●松下幸之助の政治ビジョンの実践者は鄧小平とリー・クアンユー


 結果的に松下幸之助の考え方に最も近いことを実践したのは、鄧小平とリー・クアンユーでした。鄧小平は初来日した時、松下電器の門真市のカラーテレビ工場を訪れています。最新鋭の工場を訪れた際、「本日は幸之助先生に教えを請いに来ました」というようなことを言っています。今の中国では絶対に考えられないような会話です。

 他方、リー・クアンユーはシンガポールを発展させるに当たって、無税国家を実現させました。小さい国ですが無借金ですし、1人当たりGDPで見ても、日本は4万3,000ドル程度に対してシンガポールはその倍ほどもあります。テマセクとGIC(シンガポール政府投資公社)というソブリン・ウェルス・ファンドがありますが、この2つの運用資産額の合計...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
生き続ける松下幸之助の経営観(1)今も生きている幸之助
松下幸之助の考え方には今と昔を貫くものがある
江口克彦
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
ウォーレン・バフェットの成功哲学(1)「世界一の投資家」の実像
世界一の投資家ウォーレン・バフェット…賢人と呼ばれる理由
桑原晃弥
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(1)変幻自在のキャリア論
なぜ第二の人生のためにキャリアの棚卸しが必要か~組織から自律へ
田中研之輔
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環

人気の講義ランキングTOP10
こどもと学ぶ戦争と平和(3)「小さな外交官」と少年兵の問題
外国が攻めてきたらどうすればいい?戦争と少年兵の問題
小原雅博
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(1)なぜ日本人は突入できたのか?
福島第一原発事故…日本の危機と闘った吉田昌郎と現場の人々
門田隆将
AI時代と人間の再定義(4)自分と出会うチャンス
プロセスこそが貴重…AIにない「自分と出会うチャンス」
中島隆博
逆境に対峙する哲学(10)遺産を交換する
ナイチンゲールの怒りから学ぶこと…逆境の中で考えるとは
津崎良典
平和の追求~哲学者たちの構想(7)いかに平和を実現するか
国際機関やEUは、あまり欲張らないほうがいいのでは?
川出良枝
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(6)政治と経済をつなぐ公共哲学
どのような経済レジームを選ぶか…倫理資本主義の可能性
齋藤純一
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(4)新規事業成功のポイント
新規ビジネスの立ち上げ方、伸ばし方、見切り方の具体例
水野道訓
おもしろき『法華経』の世界(9)「如来寿量品」と三身論
仏の寿命は無量で久遠に実在する…「如来寿量品」の神秘
鎌田東二