●「新潟発わくわく教育ファーム」の2つの狙い
「新潟発わくわく教育ファーム」には、狙いが2つあります。
1つ目は、子どもたちが農業体験学習をもとに、生きる力を獲得することです。
2つ目は、農家が自らの仕事に自信と誇りを取り戻し、子どもたちの尊敬を勝ち得ることです。
「新潟発わくわく教育ファーム」の中核が、学校教育分野の農業体験学習プランである「アグリ・スタディ・プログラム」です。
これは、農業体験学習を文部科学省の「学習指導要領」に基づいて、正規の授業に位置付けたものです。幼稚園・小学校・中学校・特別支援学校にわたる70のプログラムが用意されています。「アグリ・スタディ・プログラム」の策定には、学校の先生方30名、教育委員会職員24名、市農林水産部職員等16名、民間の方々22名の合計92名が携わりました。
そして、これまで新潟市の各学校で行われてきた農業体験学習の一つ一つを丹念に調べ、そして新しいプログラムを開発し、子どもが自らの力を伸ばし、農業に親しむ、新潟市らしいアグリ・スタディ・プログラムを創り上げていったのです。
●アグリ・スタディ・プログラムの農業体験学習の3つの特徴
アグリ・スタディ・プログラムの農業体験学習には、3つの特徴があります。
1つ目は、五感を通して学ぶことです。子どもたちは言葉の理解だけでなく、見る・聞く・触る・匂いを嗅ぐ・味わうという感覚を自分の知識と結び付けて、生き生きとした学びを実現することができます。
2つ目は、作物や動物を育てる活動と消費する活動を結び付けることです。これにより、子どもたちは自分の体をつくる食べ物が、どのように生産され、加工され、自分の口に入るかを知ることができます。そして、安全な食について理解するとともに、生きることの意味に気付いていくことができるのです。
それが、1話目でご覧いただいた映像です。
3つ目は、農家の方々が直接、子どもたちに教えることです。これにより、子どもたちは、農家の方々の工夫や苦労、働くことの意味などを知り、農家の方々の素晴らしさに気付くことができるのです。
●アグリパーク以外にも広がるアグリ・スタディ・プログラム
アグリ・スタディ・プログラムの活動は、アグリパークだけにとどまりません。学校近隣の農家で「学校教育田」の活動を行い、田植えから刈り取りまで、学校と農家が連携した取り組みとして定着しています。
また、米づくり以外にも、それぞれの学校で、地域の農業を学ぶ学習を推進しています。
アグリ・スタディ・プログラムは、幼稚園・保育園にも広がっています。
「菌ちゃんリサイクル元気野菜づくり」では、給食や家庭から出た野菜くずを土に混ぜ、微生物の力を借りて土ごと発酵させます。親しみを込めて微生物を「菌ちゃん」と呼んでいます。菌ちゃんがいっぱいの土で野菜を作ると、子どもたちでも立派な野菜ができます。
ごみと思っていた野菜くずが新たな命の源になる体験を通して、子どもたちは、命に対する思いを高めていきました。
このように、アグリ・スタディ・プログラムでは、地域の実態や発達段階などに応じて、どの子どもにも実施できる仕組みを整えています。
2018年で5年目を迎え、市内全ての小学校が「アグリ・スタディ・プログラム」に基づく農業体験学習を実施しています。
これが実現できたのは、農林水産部がアグリパークなどの環境を整え、教育委員会がアグリ・スタディ・プログラム作成し、農家の方々や民間のインストラクターが子どもたちに教えるなど、それぞれが連携して推進してきたからです。現在も、そのチームワークは健在です。
●「アグリ・スタディ・プログラム」についての子どもたちの声
「アグリ・スタディ・プログラム」の取り組みを続けて、分かったことがあります。子どもたちの農業を見る目が変わってきたことです。
命の大切さ、農業の大切さ、安全な食への理解、農家の方への憧れなど、多くの手ごたえを感じています。
そして、何よりも実際の体験と自分の意見をつないで考えたり、自分の意見を明確に述べたりできる確かな学力を身につけた子どもが増えてきたことも大きな喜びです。
それではこの...