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農業を核とした、新潟市ならではの地方創生

新潟発わくわく教育ファームの推進(3)新潟市の地方創生

伊藤充
新潟大学教育・学生支援機構特任教授/新潟青陵大学非常勤講師
情報・テキスト
「アグリ・スタディ・プログラム」の取り組みの中で、新潟大学特任教授の伊藤充氏は農家にも変化が生じていることに気付く。そして、農業を核とした新潟市の地方創生の取り組みが、全国の自治体にとっての先駆けになる、と語る。(全3話中第3話)
時間:07:17
収録日:2018/07/05
追加日:2019/04/13
≪全文≫

●「アグリ・スタディ・プログラム」についての農家・酪農家の方の声


 「アグリ・スタディ・プログラム」に参加した農家の方にも、変化が見られます。何といっても、子どもたちの憧れに支えられた自信に満ちた表情です。農業に対する誇りです。自信と誇りがあってこそ、その産業の未来は輝きます。

 それではこの映像をご覧ください。

Q:子ども達に農業を通して伝えたいことはありますか?

A:田植え体験、稲刈り体験をしながら、農家の人がこういうことをやって、米が出来上がる、野菜が出来上がる、ということを感じてもらえればいいかなと常々思っています。

 米を食べる量がどんどん少なくなっているという時勢ですが、(アグリ・スタディ・プログラムで)自分が体験をしたということについてお米は大事なんだということを感じてもらえればと思っています。

Q:酪農の仕事で誇りを感じている部分は?

A:酪農だけではないですが、もともと実家が農業(稲作)で、副業として酪農を始めました。今は酪農が主になっていて稲作は会社にして他の方に任せていますが、農業という仕事自体にはすごく誇りをもっています。人がどうしても口に入れなければ生きていけないものを作っている(という誇り)。

 それに関しては、農業やっている人、あるいは漁業もそうだと思いますが、食べ物を作っている人にはそれなりの誇りがあると思います。


●農業を通じた新潟市の地方創生の取り組み


 新潟市では、教育と農業を結び付けた「アグリ・スタディ・プログラム」により、子どもの教育と農業の双方で成果を挙げてきました。

 教育の分野では、多くの学校の成果をまとめ、「農業体験学習で子どもの心と頭を耕す」を刊行しました。

 この中には新潟市の子どもたちが、体験と自分の知識を結び付けて、確かな学力をつけていく過程が収録されています。この実践集を、全国の都道府県、市町村の全ての図書館に贈呈しました。この取り組みが全国に広がることを願っています。

 農業の分野では、農業を核とした「まちづくり」を進める中、2014年(平成26年)5月には、「大規模農業の改革拠点」として、国家戦略特区に指定されました。

 さらに、農業や田園資源のもつポテンシャルを生かし、12次産業化を進めています。

 12次産業化とは、本市が提案する新しい考え方です。農業の6次産業化の取り組みに加え、農業や田園資源を「福祉」や「教育」などの6分野で活用することで、新たな産業や雇用の創出などを目指すものです。

 その12次産業化の中で、教育分野の中心的な取り組みが「新潟発わくわく教育ファーム」です。

 最近は、農業と障がいのある人をつなぐ「農福連携」の取り組みを進めています。農業には精神障がいのある方の気持ちを安定させる効果があると言われています。

 また、農業には多種多様な作業があり、障がいのある人でも参加できることが分かってきました。担い手不足が課題となる中、新たな戦力として期待が高まっています。

 農福連携の拠点となる新潟市の姿が少しずつ見え始めてきました。さらに、日本の社会の在り方を、新潟市から変えていくものを作り出していきたいと考えています。

 今目指しているのは、食文化ツーリズムです。食と農と文化に魅了されて、世界中から人々が集まって来る新潟市をイメージしています。

 このように、新潟市は、誇りとする産業である農業と教育を結び付ける取り組みを中心に、さまざまな取り組みを進めています。今後は、さらに取り組みを発展させ、農業を核とした、新潟市ならではの地方創生を進めていきたいと考えています。


●新潟市からの提案


 新潟市は提案します。

 日本中の自治体が、その自治体が誇りとする産業と教育を結び付けた新たな取り組みを行うことを。それは、新しい価値の創造に確実につながります。なぜならば、そこに子どもがいるからです。子どもには、夢という未来があるからです。その夢は新潟市の未来でもあります。新潟市の取り組みが、その先駆けになれば幸いです。

 ありがとうございました。
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