遠隔操縦機~原子炉ロボット
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
原発の水漏れ調査で感じた責任が曖昧な組織系統
遠隔操縦機~原子炉ロボット(3)曖昧な責任問題
浦環(東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役)
九州工業大学社会ロボット具現化センター長・浦環氏が、水中ロボットを用いた福島第一原発の漏水調査の結果を報告する。ロボットのカメラによって、格納容器の水漏れ箇所が発見された。しかしこの開発に携わり、アドバイスを与えるに当たっては、何も辞令が出なかった。責任が曖昧な組織系統の問題点を指摘する。(全3話中第3話)
時間:7分24秒
収録日:2017年1月27日
追加日:2017年7月16日
≪全文≫

●11月13日、第1回目の調査


 調査は2回にわたって行いましたが、これは2013年11月13日の第1回目の調査です。上の画面は、水上のカメラから撮ったトーラス室の内部です。こちら側が原子炉側、こちら側がサプレッションチェンバです。これは真下を見ている水中画像、横を向いている水中画像です。ここは原子炉の格納容器の外側になっています。これは東京電力のホームページにありますから、いくらでもダウンロードできます。


●水はどこから、いかにして漏れていたか


 ここのところから、小便小僧のおしっこのように水が出ています。オペレーターがズームをして、ここで水が漏れていると分かり、この水は一体どこから来ているのか、と調べていきます。

 ここにどれだけの放射能レベルがあるかというと、1シーベルト毎時ぐらいです。水中映像は何となくゆらゆらしていますが、それはトーラス室の内側が温かくなっているからです。おそらく、そこで熱せられた水が動いているのではないか、と考えられます。原子炉側の画像を見ると、かなり透明です。4メートルぐらいの高さにわたって水がたまっているのですが、底の方まで見えることが分かりました。サプレッションチェンバの表面は、いろいろなもので覆われています。これが一体何なのかはよく分からないのですが、このようにして状況が徐々に分かってきました。

 これはこれで、大変成功だったと思います。翌日も調べてみると、別の所から水が漏れていると分かりました。これは1回目の調査ですが、サンドクッションドレンパイプというものがあり、そこから先程のように、おしっこのように水が出ていたのです。そうすると、ここにサンドクッションがあり、この上のところから漏れていることは確実です。さらに、その次の調査の時には、どこかこの辺からまた別の漏れがある、ということも発見されました。

 このように順番にひとつひとつ水面をカバーしていくことができました。私としては仕事をしたと思いました。


●アドバイスの責任


 東電のホームページには、調査結果が一応すぐに発表されました。水中遊泳ロボットWGにて支援し、浦環がこのワーキングの主査として開発した結果、うまくいったということが書かれています。NHKなど多くの放送でも、このことが取り上げられました。最初の危険地帯である、原子炉建屋の中に行ったロボットです。十分慎重に準...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
巨大地震予知の現在地と私たちにできること(1)地震予知研究と前兆すべり
地震予知に挑む!確かな前兆現象を捉える画期的手法とは
梅野健
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
科学的思考はなぜ大切か(1)「状態図」という概念
科学的思考とは「なぜ?」を追究していくこと
岡部徹
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
デカルトの存在論に学ぶ(1) 「我思う、ゆえに我在り」
「我思う、ゆえに我在り」はデカルトの専売特許ではない
津崎良典
原因と結果の迷宮~因果関係と哲学(6)不在因果の問題
不作為(◯◯しなかったこと)の原因は無限に拡散する
一ノ瀬正樹
資本主義の再定義…哲学で考える(6)「学ぶ」ことの本質と道徳の問題
「一人で悟るのは危険だ」…学ぶことの本質と日本の役割とは?
中島隆博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉