3年4か月の浪人時代を振り返って
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
自分を変える努力をした経験がある者は大きく変化する
3年4か月の浪人時代を振り返って
齋藤健(衆議院議員)
衆院選への初の出馬で落選し、3年4か月という浪人期間を余儀なくされた齋藤健氏。この長い苦渋の時代を支え続け、今でも氏の芯にあるその信条とは?
時間:5分59秒
収録日:2014年2月18日
追加日:2014年6月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●いつかくる一瞬のために、「道徳的緊張」を持ち続ける


齋藤 僕の場合、政治家ですから、最後は実践をしていかなければいけないと思うのです。けれども、僕は政界に出たのも遅かったですし、親類縁者に引っ張ってくれる人もいないわけですので、自分でやれることというのは限られると思うのです。

だけれども、一瞬、自分が頑張らなければいけないという局面が、必ずどこかで来るのではないかと思うのです。その一瞬のために、自分を磨き続けたいのです。だから、今年、何か自分を評価してもらおうとか、来年何か評価してもらうとか、そういう意識というのはほとんど、ないのです。そんなことはつまらないと思っている。そうではなくて、やはり何か大きな局面というのが、将来一瞬あると思うのです。その一瞬のために、関係のないと思うような歴史書を読み、関係のないと思うような見聞を広め、しかし、その一瞬で間違えないためにやっていこうかなと考えています。

「自分とは何か」という自己規定ですよね。僕の当選回数とこの現実においては、そんなに大きなことはできない。でも、どこかでやれる、あるいは、やらなくてはいけない局面が来ると思っていて、その一瞬のために、「道徳的緊張」(参照:「教育論~歴史の中のエリートたち(2)「道徳的緊張」を育む規範教育と幼児期読書」)を持ち続ける。それが僕の心境ですね。

―― そうですね。でも、そういう意味では変わっていないですよね。通産省で、エリートコースを歩み続けて、上田清司さんに頼まれて埼玉県の副知事になって、そこから別に衆院選に出なくてもよかったわけですよね。

齋藤 あの頃が人生のピークでしたね。

―― 副知事に行っただけでも、大変だなと思っていましたよ。

齋藤 いい勉強になりましたけどね。そういうのも全て、これから訪れる一瞬のためなのかなと思いますよね。


●人物の評価点は「自分を変えた経験があるか否か」


―― 若い時からエネルギー量が変わっていないから、そういう意味では面白いですよね。それぞれエネルギー量の変わっていない人は、遅い早いは別にして、必ずボンと出てきます。

齋藤 あまり、人間というのは変わらないですよね。だけど、僕が経済通産省で人事をやっていた時に、自分なりのいろいろな判断基準があったのですが、その一つは「実際に自分を変えたことがある人間かどうか」なのです。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
「中華民族の偉大な復興」と中国外交(1)外交姿勢・前編
四字熟語で見る中国外交の変化
小原雅博
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
プロジェクトマネジメントの基本(2)プロジェクトの複雑性とマネジメント
コスパが鍵!? 顧客満足につながる品質マネジメントとは
大塚有希子
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ