マテリアル革命
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
日本では科学技術の3つの大事な領域が連動していない
第2話へ進む
情報革命はマテリアル革命にも影響を及ぼす
マテリアル革命(1)マテリアルの重要性と可能性
岸輝雄(東京大学名誉教授)
50年以上マテリアル開発に携わってきた、東京大学名誉教授で新構造材料技術研究組合(ISMA) 理事長の岸輝雄氏が、マテリアルの重要性とその可能性について解説する。岸氏は、現代は情報革命がいろいろなところで起きているが、そのことが「マテリアル革命」に大きく影響していると語り、現在の材料開発の大本となった研究の一端を紹介する。(全5話中第1話)
時間:9分32秒
収録日:2017年11月30日
追加日:2018年3月29日
≪全文≫

●マテリアルの重要性が増してきた


 皆さん、おはようございます。ご紹介いただいた岸輝雄です。

 今日は「マテリアル革命」という素晴らしい講演の題名をいただいています。材料とは50年ほどお付き合いをしているのですが、大体地味で縁の下の力持ちだったのです。ですから、あまり派手に「情報マテリアル」と言われると、少し歯がゆいような気もします。ただ50年の経験の中で年数がたつにつれて、マテリアルの重要性が増してきたかなというのが本当の実感です。今日は少し大きな題材にはなりますが、マテリアルの現状と未来に向けた話をしたいと思います。


●MIを用いたマテリアル革命とそれを支える情報革命


 話は非常に単純で、狩猟時代、農耕時代、工業時代、その後、情報の時代が来て、間違いなく情報革命がいろいろな形で起きたと思います。それがここ20年ほど世界中を席巻し、現在もまた非常に大きな中心になっているのは間違いないと思います。

 それに対して、実際に情報を支えるという意味で、デバイスをはじめとして物がないと情報は前に進めません。また並行して衣食住、モビリティー、それから家電製品その他を含めて、実際の物がないと社会は成り立ちません。ここが本当に革命的であるのかどうかという問題はあるのですが、マテリアルズインテグレーション(MI)を用いて一つの革命が今後、期待できるのではないかという意味を込めて、「マテリアル革命」という言葉を用いている次第です。

 この場合のマテリアルとは、物質や素材、材料、またデバイス、部品、部材などを一括したものだとご理解ください。要するに、ものづくりを支えているマテリアルという意味です。

 それから急に「MI」という言葉が出てきました。これはマテリアルズインテグレーションの略で、マテリアルインフォーマティックスといっても構わないのですが、実験や、実験に加えて計算科学を融合した、ある意味のデータ科学のことです。要するにコンピューターを十分に利用したデータ科学を入れるという意味で、「MIを用いた」という言い方をしています。

 これを支える背景なのですが、なんといっても材料から見ると環境エネルギー、資源、特にレアアース、レアメタルが大きな課題になります。それと材料そのもののリサイクルの循環社会ができるかということが後ろに来ると思います。ですから大事なのは、マテリアル革...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(1)情報通信の民主化と「協創」
6Gの研究開発を推進する情報通信の民主化
中尾彰宏
火山の仕組みを知る(1)火山の世界的分布と噴火の仕組み
火山噴火が起こるメカニズムと日本の火山の特徴
藤井敏嗣
発酵はマジックだ!
色を消し、脂を溶かし、水を分解―スゴすぎる発酵の力!
小泉武夫
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(3)害なき利とコミュニティの時代
強欲資本主義は死んだ…他者を助けることのできる他者を助ける
中島隆博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(4)秦と周辺国の激烈な戦い
秦と周辺国の激戦の真実に迫る…各国の兵力と秦の戦略とは?
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(3)共産軍を殲滅――金門島での戦い
共産軍2万を金門島で殲滅…ただし一般人の命を守る軍人の本義を重視
門田隆将