マテリアル革命
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マテリアルズインテグレーションとは何か?
マテリアル革命(4)マテリアルズインテグレーション
岸輝雄(東京大学名誉教授)
東京大学名誉教授で新構造材料技術研究組合(ISMA) 理事長の岸輝雄氏が語るシリーズレクチャ「マテリアル革命」。第4話ではマテリアル革命の中核を成す「マテリアルズインテグレーション(MI)」について解説する。MIとは、材料開発におけるハードとソフトを計算科学的に結び付けることであり、順問題、逆問題双方向でさまざまな開発が可能になるという。(全5話中第4話)
時間:8分44秒
収録日:2017年11月30日
追加日:2018年4月3日
≪全文≫

●材料開発の難しさ


 ここまでお話ししたのが材料開発についてです。マテリアル開発で最も重要な「マテリアルズインテグレーション(MI)」を説明したいと思います。

 これは、内閣府のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)でプロジェクトとして始めたもので、毎年10数億円のお金を投資しています。正直言って難しいので、なかなか簡単に答えは出てきません。何が難しいかというと、いろいろなデータを時間のスケールと空間のスケールを考えて一気通貫につなぐというところにかなりの力を割かなければならないということで、そこが非常に大きな点だとご理解ください。

 そこで、「材料とは何か」という点が挙げられます。これに関してはこの数十年変わっていません。「なぜ、どんな構造で、どんな組織の材料をつくるか」という構造組織の問題。また、「どんな作り方をするか。あるいはどんな性質を持っているか。熱的性質、電気的性質、力学的性質」といった性質の問題。最終的には使われてこそ材料なので、そのパフォーマンスも問題になります。機能材料でも同じなのですが、構造材料では、例えば時間に依存する破壊は時間が絡んでくるから難しいのです。疲労とか、あめのように伸びるクリープ(物体が時間とともに変形していく現状)、応力腐食というものが大事になりますし、それと同時に、コストや環境、CO2排出などのLCA(ライフサイクルアセスメント)やリサイクルの問題があります。そして元素戦略といいますが、レアアース、レアメタルをどうサプライチェーンするか、何かに置き換えるか、という点が非常に大きな課題になってきます。


●材料を本当に使いこなすにはインテグレーションが鍵


 材料開発を進める上で支援的なツールとして最も大事なのは、一つが先端的な計測として光学電子顕微鏡とX線解析です。それに対するものとして、もう一つが計算科学で、AIやビッグデータを入れることが大事になります。すでに「マテリアルズインフォマティクス」という言葉が出ていますが、ある意味のこの研究の親分でもあるアメリカのKrishna Rajan氏などに言わせますと、「マテリアルズインフォマティクス」とは材料の構造と性質を主に第一原理の計算で結び付けることだと言っています。これは彼の論文にも書いてあることです。

 ただし、本当に構造材料的に材料を...

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