組織改革の要諦~活性化と人材活用
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
組織改革は最初に全体像と将来像を示すのが重要
組織改革の要諦~活性化と人材活用(1)準備、スピード、タイミング
秋池玲子(ボストンコンサルティンググループ 日本共同代表)
人口減少社会や激化する国際競争の中でますます重要になっていく、組織改革の要諦とは何か。会社を成長させ、社員に能力を発揮させるための要素を、事業再生に長く携わってきたボストン・コンサルティング・グループ シニアパートナー&マネージングディレクター・秋池玲子氏が豊富な経験と理論から論じる。(全2話中第1話)
時間:11分38秒
収録日:2018年3月12日
追加日:2018年5月31日
カテゴリー:
≪全文≫

●事業再生の要素は組織の活性化に応用できる


 秋池玲子です。私は産業再生機構で事業の再生に取り組んできましたが、産業再生機構解散後も事業再生を手がけています。一般企業は事業再生に直面することはあまりないかもしれません。しかし組織を活性化するという事業再生の要素は一般企業の中にも散見するものなので、活用可能なものだと考えています。

 その意味から、本日は組織を活性化し、会社をより成長させ、社員に能力をより発揮させるために役立つことについてお伝えしたいと思います。


●過去の成功が新しいものを作る上で組織の足を引っ張っている


 まず組織が停滞化するときには何が起こるかということについてです。やはり、成功がその組織の足を引っ張ることがあります。事業再生を見ていると、過去に非常に成功した事業をやめられなかったり、これまでとは全く違う時間感覚や技術、人材を活用しなければいけないのに、かえって枠をはめてしまい、新しいものが育ちにくい環境になってしまったりすることがあります。

 もちろん、もともと持っている成功のパターンを生かすからこそ、新しいことに個性が生まれ、その会社らしい勝ち方が生まれるということはあります。しかし、それがうまくいかない場合は、それによって新しいことが生まれないことがあります。

 これを防ぐために、何を考えたら良いのでしょうか。この先の人口減少にどう対応し、もはや新興国とは呼べないようになってきた新しい国々や、今また再び成長しようとしている旧来の先進国との競争にどのように勝つことができるかという状況で、「今うまくいっているので、なかなか改革を起こしにくい」という相談を受けることがあります。これからお話しすることが参考になればと思います。


●改革の全体像と将来の姿をスタート時に示す


 組織改革をするときには、最初に改革の全体像と将来の姿を示すということが非常に大事なことだと思っています。

 なぜかというと、「この道を歩いていって、どこまでこの辛い時間が続くのだろう?」と思うと、最初は非常に高い緊張感のもとでやっていたとしても、人は途中でくじけそうになります。その再生や改革を続けることに、「もしかしたらこの道を進んで行っても何もないのではないか」と疑問を抱いてしまうからです。リーダーは可能な限...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
マザーテレサとの出会い
人生を変えたマザーテレサの言葉…あの人たちはキリストだ
上甲晃
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛

人気の講義ランキングTOP10
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
平和の追求~哲学者たちの構想(5)カント『永遠平和のために』
カント『永遠平和のために』…国連やEUの起源とされる理由
川出良枝
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(2)「ほめる」技術
男性は「ほめる」のが苦手?傾聴から始まる「ほめる」技術
三谷宏治
インテリジェンス・ヒストリー入門(3)戦後日本の構造
戦後日本はなぜインテリジェンスを軽視してきたのか?
中西輝政