松下幸之助の経営理念
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松下幸之助の経営理念(4)経営改革の原点は風土改革
経営ビジネス
佐野尚見(元松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)代表取締役副社長)
公益財団法人松下政経塾理事長・佐野尚見氏が、松下電器でのオートモーティブ事業部創業当時を振り返り、全ての面において下位評価にあった自社をどのように改善していったのか、その軌跡を明かす。まず改革すべきだと思ったこと、またその実践のプロセスが率直に語られた。(2016年2月18日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー佐野尚見氏講演「松下幸之助の経営理念」より、全6話中第4話)
時間:18分12秒
収録日:2016年2月18日
追加日:2016年6月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●松下電器創業以来の大赤字という危機


 次に、松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)での体験ということで、「オートモーティブ事業の立ち上げ」についてお話しします。経営の舵取りを過つと、会社の規模が大きくても小さくても、落ち込むときのスピードというのはほぼ一緒のように私は思うのです。ただ、違うのは、規模が大きい会社というのは、気がつくのがどうしても遅くなるということが、実は私の体験からありますので、その話を恥ずかしながらさせていただこうかなと思っています。文字通り、陸に打ち上げられたクジラがのたうつような経験をしましたので、その時の失敗の軌跡と、それから、風土改革だけに絞り込んで多少業績が上向きになったという、その辺りの話をさせていただきたいと思います。

 「創業前夜」と書いてありますけれども、オートモーティブ社の創業前夜ということです。2001(平成13)年の松下電器全体の状況は、結局2000(平成12)年の決算で4300億円という、創業以来の非常に大きな赤字を出しました。私もこの時は本社の役員の端くれだったのですが、会社が倒産するという危機感が出てきました。しかし、この大阪で何十年も松下電器に勤めていますと、「松下さんがつぶれるときは日本がつぶれるときだよ」、などということを巷で言われまして、多少なりともそんな気持ちがありました。


●「重複・重い・遅い」から「破壊と創造」への脱皮


 その時の社内の状況ですが、「重複」、それから「重い・遅い」。松下幸之助創業者がつくった事業部制は当初三つだったのですが、実際は140以上の事業部にどんどん増えてきたのです。事業部は自主責任経営だという名の下に、同じ商品を異なった事業部で開発するようになりました。いっぱい事業が重なっていたわけです。だから、販路も重なり、経費はそれだけかかる。重複金額は1兆円を超えたと言われています。

 アメリカの調査会社によると、衰退する企業には、「傲慢、自己満足、内部議論、摩擦を恐れる」と、この四つの特徴があるそうです。松下電器は、多分この四つ全部があったのだと思いますけれども、一つあっても、二つあっても、やはり会社というのはおかしくなる。これが、当社の中に蔓延していた隠れた風土だったと思います。

 そして、中村邦夫社長が就任されました。「破壊と創造」――ヨーゼフ・シュン...

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