松下幸之助の経営理念
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
学校では学べない船場商人の思想を9歳で学ぶ
松下幸之助の経営理念(3)原点は船場の丁稚奉公
佐野尚見(元松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)代表取締役副社長)
松下幸之助が生涯経営に向かった原点は、大阪船場での丁稚奉公にある、と公益財団法人松下政経塾理事長・佐野尚見氏は言う。貧乏な家に生まれ、体力も弱く、教育さえ満足に受けられなかった幸之助を支えたパワーはどこにあったのか。佐野氏とともに「経営の神様」の原点をたずねてみよう。(2016年2月18日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー佐野尚見氏講演「松下幸之助の経営理念」より、全6話中第3話)
時間:9分03秒
収録日:2016年2月18日
追加日:2016年6月9日
≪全文≫

●幸之助の原点は9歳から15歳までの丁稚奉公


 前回は、松下幸之助創業者の経営に対する考え方をお話ししました。では、その原点はどこにあるのでしょうか。

 その一部は、間違いなく9歳から15歳まで船場での丁稚奉公にあると思います。松下家は、「松の木の下に家があったから、松下さん」と言われたようで、比較的裕福な家でした。ところが、父親が米相場に手を出して大失敗をしてしまい、たくさんの借金を抱えたために、結局、家族がばらばらになります。幸之助創業者は、尋常小学校4年の卒業を待たず、9歳で丁稚奉公に出されます。


 丁稚奉公というのは、ご存じの通り、子守りや使い走りをしながら住み込みで働き、実体験で商売を覚えていきます。初めてもらった給料は5銭です。90歳になってそれを振り返り、「今までで一番うれしかったことは、初めての給料5銭をいただいたとき」で、それまでは毎日母親が恋しくてメソメソ泣いていたけれど、給料をもらってからは泣くことをやめたと言っています。


●五代自転車店での経験が企業家としての出発点


 最初の奉公先は、「宮田火鉢店」という火鉢屋さんでしたが、2、3カ月で「五代自転車店」に移りましたので、ここが企業家としてのスタート地点と言ってよいと思います。当時の輸入自転車といえば最先端のものですから、今で言うベンチャーのようなものでした。店主の五代さんは非常に立派な人で、商売や礼儀、その他細かいことまで教えていただいたと幸之助創業者は語っています。

 この頃の幸之助創業者を表す詳細なエピソードが、一つ残っています。当時、商売をしていると、お客さまから「煙草を買うてこい」と言いつけられることが多く、その都度走って買いに行った。しかし、20個買うと1個おまけがつくという話を聞いて、買い置きを思いついた。1カ月あたり5、60箱は言いつけられるので、20銭から30銭の利益が出ました。当時の給料は1円でしたから、かなりの小遣いを稼いでご機嫌だったようです。

 結局、親方から「周りの者がうるさいからやめておきなさい」と注意されたようですが、後年、「皆に分けてあげればよかったな」と言っていました。

 ここで学校では学べない体験を数々経験し、特にお金の大切さを知りました。私が入社した時も、ご本人から「資金」についてはずいぶんやかましく言われたものです。

 さ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
億万長者への道(1)お米屋さんから不動産業界へ
「背広を着てビジネスがしたい」との思いから宅建取得
高橋誠一
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭

人気の講義ランキングTOP10
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦