松下幸之助の経営理念
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
若手育成のキーワードは「若い人も捨てたもんじゃない」
松下幸之助の経営理念(6)質疑応答
経営ビジネス
佐野尚見(元松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)代表取締役副社長)
公益財団法人松下政経塾理事長・佐野尚見氏とセミナー受講者との一問一答。日米の企業風土の違いや次世代育成、そして、「理念」について、「人」について。語り手も聞き手も限られた時間の中で熱心に交わした一部始終を紹介する。(2016年2月18日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー佐野尚見氏講演「松下幸之助の経営理念」より、全6話中最終話)
時間:3分45秒
収録日:2016年2月18日
追加日:2016年6月20日
≪全文≫

●日本ならではの「阿吽の呼吸」


Q1 アメリカの工場の失敗についてお話しいただきましたが、基本的に向こうの労働者の質は日本人とは違い、企業に対するロイヤリティも薄いので、以心伝心や阿吽の呼吸は通用しません。それをどうやってまとめて日本式でやっていくかという部分で、大変ご苦労なさったかと思いますが、その点はいかがでしょうか。

佐野 実はアメリカのH社の副社長は、今でもよく覚えているんですが、まず最初の一言は「日本人が経営してるから駄目なんだ」でした。けれども、私がその時「とりあえずこれを直すには日本の技術でなければ無理だ。だから、6カ月間だけ時間をくれ」と言いましたら、「許さん」と言って席を立って行ってしまったんですよ。そのぐらい激しいやり取りが実はありました。やはり、おっしゃったようにアメリカ流の考え方をきちんと教え込まなかった。そのまま松本工場とか、先ほど話に出た佐江戸の工場の日本人がいて、日本的な経営を最初にしようとしたという点に、少し甘いところがあったのは事実です。考え方が全く違いますね。本当におっしゃるとおりで、阿吽の呼吸というのがないんですよ。


●「捨てたもんじゃない」の目で若い人財を育てる


Q2 私は建設業界ですが、いま匠の技というか、それを受け継ぐ若い職人さんがいなくなっているというのがゆゆしき問題です。佐野さんはいろいろ人材を育てていらっしゃいますが、私は今の若い人たちの仕事観のようなものに、すごく危機感を持っています。その辺りはどのようにお感じになりますか。松下幸之助がものづくりであれだけ変えられたのだから、人づくりでもそれが簡単にできるかなと思って、いま一番気になっていることとしてお聞きします。

佐野 やはり、それはありますね。幸之助創業者も、働かない人は3割はいるんだと。だから、それを認めたうえで、上の人がその人たちと一緒に仕事をしなければいけない。こう言っているんですが、実際は、言い方は悪いですが、問題はそのコストですから。その人たちを元気にさせる方法というのは、私は見つけられなかったですね。

 人づくりも、やはり一番難しいですね。ただ、若い人は本当に捨てたもんじゃないんですよ。政経塾に入ってくる人も捨てたもんじゃないんですね。変わっている若者が多いですけれども。若い人はやはり求めているんですね。われわれは、例えば、こ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
ビジネス・エコノミクス(1)差別価格から学ぶダイナミックプライシング
差別価格の実例でダイナミックプライシングの真髄がわかる
伊藤元重
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
日本企業の弱点と人材不足の克服へ(1)膠着する日本経済の深層
日本経済の行き詰まりをもたらした2つの大きな理由とは
西山圭太
キリンでつかんだ「幸せになる」仕事術(1)悩みの99%は他者との関係性
「使命観=パーパス」に立脚できないのは自分のエゴのせい
田村潤
イノベーションの本質を考える(1)イノベーションの定義
イノベーションの定義はパフォーマンスの次元が変わること
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
編集部ラジオ2025(18)音楽って実は数学でできている?
動画講義だからこそ音楽と数学の深い関係がよくわかる!
テンミニッツ・アカデミー編集部
「アカデメイア」から考える学びの意義(3)受け継がれる学園の理念
アカデメイアからアカデミーへ…自由なる学びの府の原型
納富信留
「集権と分権」から考える日本の核心(1)日本の国家モデルと公の概念
日本は集権的か分権的か…地理と歴史が作る人間の性質とは
片山杜秀
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
生活習慣病予防に~健診結果の正しい読み方(1)データから生活習慣を考える
内臓脂肪がなぜ増えた?データから考えるリスクファクター
野口緑
会計検査から見えてくる日本政治の実態(1)コロナ禍の会計検査
アベノマスク、ワクチン調達の決算は?驚きの会計検査結果
田中弥生
未来を知るための宇宙開発の歴史(6)技術の確立、そして民間企業が参入へ
スターリンクや宇宙旅行の課題とは?…民間企業の宇宙開発
川口淳一郎