松下幸之助の経営理念
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
「水道哲学」は貧乏克服、「産業報国」は商人の誇り
第2話へ進む
嫌な仕事だからこそ「1軒も抜かすな」と釘を刺した幸之助
松下幸之助の経営理念(1)私と幸之助、PHPの出会い
佐野尚見(元松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)代表取締役副社長)
松下幸之助と言えば昭和の大経営者。彼が残した珠玉の言葉は、平成生まれの若者にも響き、胸を揺さぶるものがあると言われる。パナソニック株式会社代表取締役副社長を歴任し、50年間松下グループで働き続けてきた公益財団法人松下政経塾理事長・佐野尚見氏と幸之助との最初の出会いは、一体どのようなものであったのか。(2016年2月18日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー佐野尚見氏講演「松下幸之助の経営理念」より、全6話中第1話)
時間:6分37秒
収録日:2016年2月18日
追加日:2016年6月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●松下電器とともに歩んできた50年


 今日は、「松下幸之助の経営理念」という題でお話をさせていただきます。内容は、私の自己紹介、私が理解する範囲内での松下幸之助創業者の経営理念、そして松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)での体験の三つになります。松下電器が大きな赤字を出し、中村邦夫社長が就任した時には、ご一緒にいろいろなことをやりましたので、そのお話をします。また、折にふれて幸之助創業者が社員に話した内容についても、皆さまにご紹介したいと思います。

 資料では、私の簡単な略歴を表にしました。1966(昭和41)年にパナソニック電池事業本部というところに入りました。その後、「電池、PHP、電池、本社、政経塾」と動きました。電池の期間が非常に長く、私の原点は、むしろ電池にあったのではないかと思います。いま考えてみると、入社後の10年くらいでいろいろな体験をさせていただきました。そして、3度目に動いた電池事業部では25年間の長期にわたって勤めました。電池事業の最後に担当しましたPEVEというのはパナソニックEVエナジー(現プライムアースEVエナジー)の略です。電気自動車やハイブリッド車用の電池を製造するためにトヨタ自動車と合弁でつくった会社ですが、私が松下側の代表というかたちで入りました。そのような経験もあります。

 このように、松下ではちょうど50年間。長ければいいというわけではありませんが、現在もまだ働かせてもらっています。


●私が松下幸之助と初めて出会った日


 私が初めて松下幸之助創業者と直接に会うご縁をいただいたのは、株式会社PHP研究所でした。第二次世界大戦直後、日本は荒廃の極に達していました。幸之助創業者は、「物心一如」の繁栄・平和・幸福の道はないものか、なんとかそれを探究したいと考え、1946(昭和21)年にPHP研究所を設立しています。写真右側は、翌1947(昭和22年)に発行された月刊誌『PHP』の創刊号です。

 当時、私は電池事業部にいて、比較的上機嫌で仕事をしていました。私どもの間で「110番ブザー」と呼んでいた痴漢よけのブザーがあります。その企画を担当していましたので、「モデルは誰にしようか」などと思い巡らし、極めてご機嫌に仕事をしていたのです。

 ところが、ある日上司から「床屋へ行ってこい」と言われ、頭を刈った...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
会社人生「50代の壁」(1)“9の坂”とまさかの坂
サラリーマン人生「50代の壁」を乗り越える生き方
江上剛
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(2)秀吉の実像と「太閤神話」
秀吉・秀長の出自は本当は…実像は従来のイメージと大違い
黒田基樹
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境に対峙する哲学カフェ…西洋哲学×東洋哲学で問う矛盾
津崎良典
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保