ひめゆり学徒隊と沖縄戦、その記憶と記録
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
沖縄戦に動員された「ひめゆり学徒隊」の記録
ひめゆり学徒隊と沖縄戦、その記憶と記録(1)学園生活
普天間朝佳(ひめゆり平和祈念資料館館長)
1989(平成元)年6月に開館したひめゆり平和祈念資料館(沖縄県糸満市)は、太平洋戦争末期の沖縄戦に動員され、多くの女学生が亡くなった「ひめゆり学徒隊」の体験を伝えるための施設である。彼女たちはいったいどのような学園生活を送っていたのか。平和祈念資料館館長の普天間朝佳氏に展示室を案内いただきながら、戦時下の教育や沖縄戦の様子などとともに話を伺った。(全3話中第1話)
時間:12分45秒
収録日:2018年6月28日
追加日:2018年8月1日
≪全文≫

●女学生の沖縄戦を伝えるために始まった資料館


 「ひめゆり平和祈念資料館」は、「ひめゆり学徒隊」の生存者と同窓会の方が自分たちでお金を出し合い、全国の方々にも寄付をお願いして建てた資料館です。

 ひめゆり学徒隊の生存者たちは、自分だけが生き残り、亡くなった友達に申し訳ないという思いや、あの地獄のような体験を思い出したくない気持ちから、長い間、自分の体験を語ることはありませんでした。

 しかし、戦後40年がたち、沖縄戦が忘れられてしまうような状況になって、なんとか後世に沖縄戦のことを伝えないといけないと考え、この資料館をつくりました。その後、数十年にもわたり、自分たちの手で運営をやってこられました。

 彼女たちは資料館をつくるに当たり、自分たちの戦争体験を見直しました。向こう(資料館の入口付近)に何のための資料館なのかを語る「設立について」という文章が展示されています。そこに資料館を「建てた思い」が記されています。


●普通の学園生活に戦争の影響が表れてくる


 では、展示を見ながら説明いたします。

 映像にあるのは「朝礼」の様子です。戦前には1000名ほどの在校生がいました。同じ敷地内に沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校という二つの学校が設置されたのですが、両校は姉妹校のような間柄の学校でした。

 「ひめゆり」の由来は、学校の愛称からきています。花の名前の姫百合(ひめゆり)ではなく、「おとひめ」(沖縄県立第一高等女学校の愛称)と「白百合」(沖縄師範学校女子部の愛称)が合体してできた名前です。全県下から優秀な生徒が集まるため、入学が難関とされる学校でした。才女たちが集まる学校といっていいでしょう。

 那覇のキャンパスは、那覇の安里(あさと)というところにあり、現在モノレールの「安里」駅が置かれている近辺に学校がありました。校内には図書館、講堂、体育館などの他に、戦前にはすでにプールまであり、非常に恵まれた施設を有する学校でした。

 師範学校は先生になるための学校、高等女学校は高等教育を受けるための学校ですが、生徒たちは今と変わらないような部活動にも励みました。バスケットボール部やテニス部などの体育会系の活動もあれば、ブラスバンド部や美術部などの文化系の活動もありました。学校行事として運動会や遠足、合唱祭、学芸会などが行われました。休み時間...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
技術と民生から見た明治維新(1)遠藤謹助
遠藤謹助―造幣局をつくった「造幣の父」
山内昌之
イスラエルの歴史、民族の離散と迫害(1)前編
古代イスラエルの歴史…メサイア信仰とユダヤ人の離散
島田晴雄
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之
本当のことがわかる昭和史《1》誰が東アジアに戦乱を呼び込んだのか(1)「客観的かつ科学的な歴史」という偽り
半藤一利氏のベストセラー『昭和史』が持つ危険な面とは?
渡部昇一
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博