ひめゆり学徒隊と沖縄戦、その記憶と記録
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
戦争の記憶と記録を語り継いでいくことの大切さ
ひめゆり学徒隊と沖縄戦、その記憶と記録(3)理念の継承
普天間朝佳(ひめゆり平和祈念資料館館長)
元ひめゆり学徒隊の生存者を中心に設立・運営されてきたひめゆり平和祈念資料館は今、世代交代の時期を迎えている。今年(2018年)4月に戦後世代として初めてひめゆり平和祈念資料館館長に就任した普天間朝佳氏が、戦争体験の記憶と記録を語り継いでいくことの大切さについて語る。(全3話中第3話)
時間:13分08秒
収録日:2018年6月28日
追加日:2018年8月1日
≪全文≫

●戦争の記憶を泥の中に埋もれたままにしてはいけない


 ひめゆり平和祈念資料館館長の普天間朝佳です。よろしくお願いします。

 資料館は、ひめゆり学徒隊の生存者と同窓会の人たちが力を合わせて、全国の方々にも協力をいただいてつくったというお話を、これまでしてきました。また、ひめゆり学徒隊の生き残った方たちは、戦後長い間、自分の体験を語ってこなかったという話もしました。

 それは、話さなかっただけではなく、自分の戦争体験としっかり向き合ってはこなかったということです。なぜかというと、戦後がスタートすると、教員になったり、結婚したり、子育てをしたりという生活が始まって、とてもそうした余裕がなかったからです。

 でも、資料館をつくることになったので、戦跡を回り、自分たちがいた壕の中に入って、遺骨や遺品を集めるという活動をしていきました。泥の中からは、展示室の映像で見ていただいたような学用品などが出てきました。それらを掘り出した時、彼女たちは「戦後長い間、自分たちの体験に向き合ってこなかったから、これらは泥の中に埋もれたままになっていた。このままだと、自分たちの体験も泥に埋もれて、後世の人にも知られなくなってしまう」ということに気付きます。そこで、世の中にきちんと伝えなくてはならないという決意が芽生え始めたのだと思います。


●自分たちを死へ追いやった「教育」への問い


 資料館をつくるに当たっては、遺品や遺骨を集める他、お互いの戦争体験を聞き合って録音するという活動も始まります。彼女たちは戦場での体験だけではなく、「なぜ自分たちはあのように死に向かっていかなければならなかったのか。自分たちを死に追いやったのは何だったのか」ということを、考え始めるようになったのです。

 戦争前の学校生活について調べたり、考えたりしていくうちに、自分たちを死に追いやった原因の一つは教育にあるのではないかと思い当たります。教育によっては、「人は命を何とも思わなくなる、あるいは死に向かわせるような教育がある」と考えると、教育がいかに恐ろしいものであるか。反語的にいえば、教育がいかに大切なものであるか。そう思うようになりました。

 資料館では、大事な理念の一つとして、教育の大切さという意味で「戦争と教育」を挙げています。


●「知らない」ことの恐ろしさ、「知る」ことの大切さ


 ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
独裁の世界史~ギリシア編(1)世界史の始まり
「独裁政から始まる」という世界史の諸相に迫る
本村凌二
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(3)共産軍を殲滅――金門島での戦い
共産軍2万を金門島で殲滅…ただし一般人の命を守る軍人の本義を重視
門田隆将
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
資本主義の再定義…哲学で考える(2)今の時代の人間観と共生
「共生」の本当の意味とは?…人間はHuman Co-becoming
中島隆博
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(7)自分の人生のために
AI時代こそAIでなく「生きた学び」で自分の人生を膨らませる
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫