私のおすすめ本~「教養とは何か」を学ぶ~
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
教養とは何かを教えてくれる、おすすめの本
私のおすすめ本~「教養とは何か」を学ぶ~
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
教養とは、単にさまざまな知識を身に付けることではなく、いろいろな分野の知識を結びつけて活用することである。柳川範之氏が、『大人になるためのリベラルアーツ』という本を参照して、大人の学びにおいて重要となる教養について語る。
時間:4分20秒
収録日:2018年10月2日
追加日:2019年1月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●『大人になるためのリベラルアーツ』


 今回は、おすすめできる本として、『大人になるためのリベラルアーツ: 思考演習12題』(石井洋二郎著、藤垣裕子著、東京大学出版会)を紹介します。この本は、東京大学出版会から出ているのですが、東京大学には教養学部というものがあります。東京大学ではどの学部の学生も、1・2年生の間は、教養学部で学ぶことになっています。この教養学部の先生方が、教養とは何だろうか、教養学部で身に付けるべきことはいったい何なのだろうか、こういったことを真剣に考えて議論した結果がまとめられていて、なかなか面白い本です。

 実は、特に大人の学びにおいては、何かを一生懸命勉強することよりも、どんなふうに学んだらいいだろうか、何を考えたらいいのだろうかと、学び方のスタイルを先にきっちりと固めた方が、理解が進むと私は考えています。教養が大事だとよく言われていて、教養を身に付けようと思ってさまざまな勉強をしている方が多く見られます。そういったときの教養を身に付けるためには、いったい何のために何を学べばいいのか、あるいはどんなふうに考えていったらいいのか、そういったことを改めて振り返るきっかけを与えてくれる本だと思います。


●教養とは、さまざまな分野を結びつけて知識を活用する力


 この本の中で語られている教養は、多くの人が思っている教養とは少し違っています。一般的には、多様な知識をたくさん身に付けている人が、教養を持っている人だと考えられがちです。しかしながら、この本で語られている教養は、それとは少し違います。もちろん、何かの知識を持っていることは大事なことです。しかし、その知識をどうやって活用していくのかということに、やはり教養の重点があるというのがポイントです。

 知識の活用と言ったときの1つのポイントは、いろいろな分野のものを結びつけていくことです。他分野の人や自分とは関係のない仕事をしている人と、さまざまなコミュニケーションをとり、そこから気づきを得ていく。学問の世界では、専門分野だけに閉じてしまっていて、自分の専門分野のことだけを分かっている、こういう人がどうしても育ちがちです。またビジネスにおいても、やはり自分の専門分野のところだけを掘り下げて仕事をしがちです。

 ですが、オープンイノベーションという言葉が最近言われているように、実は、他分野...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
「自分をコントロールする力」の仕組み(1)自制心と目標の達成
自制心の重要性…人間は1日4時間も何かを「欲求」している
森口佑介
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(35)鶴見太郎先生の公開収録を振り返る
【10min紹介】鶴見太郎先生の公開収録を振り返る・・・お寄せいただいた声
テンミニッツ・アカデミー編集部
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ